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夜になり月が昇ると 大きな樹の陰から いい匂いが漂ってきました
きのこのレストランの開店です
お客は限定ひと組様
どこにあるのか オープンはいつなのか 誰も知らない レストランです
そんな神出鬼没なレストランに 今夜もお客がやってきました
エリンギ
そう出迎えたのは 背の高いエリンギでした
舞茸のウエイトレスが ふんわりしたスカートを揺らして 席に案内してくれます
今日のお客は 黒猫とヒキガエルです
黒猫はレストランの常連らしく 笑顔でエリンギに挨拶しました
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
エリンギ
エリンギ
ヒキガエルは所在なさげに 辺りをきょろきょろ 見回しています
黒猫
黒猫
エリンギ
エリンギ
そうだなぁと 黒猫は偉そうな様子で 口ひげをしごきました
黒猫
黒猫
エリンギは
エリンギ
と言って 慇懃な態度でキッチンへと下がりました
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫は そう一人ごちて ふふっと嗤いました
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエルが
黒猫の独り言を聞き咎めて 尋ねました
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫は目を細めてカエルを見回し
舌なめずりをしました
黒猫
黒猫
黒猫
ちょうどエリンギが 料理のワゴンを押してきました
給仕をするのは そろいの制服を着た シメジ達です
舞茸が ヒキガエルのグラスに ワインを注ぎました
辺りに おいしそうな匂いが 漂います
ヒキガエルがワインのグラスに 手を伸ばしました
ヒキガエル
黒猫
ヒキガエル
食事は楽しいものでした
グラタンにかかったチーズのとろけ加減も
リスの焼き加減も
ヒキガエルと黒猫を 満足させるものでした
料理があらかた片づいた頃
あのエリンギがテーブルへとやってきました
エリンギ
エリンギ
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
機嫌の良くなったヒキガエルは 饒舌です
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエル
ヒキガエルの手から 紅茶のカップが落ちました
いびきをかいて 眠ってしまったようです
ヒキガエルの周りには
いつの間にか たくさんのきのこたちが 群がっていました
エリンギ
エリンギ
エリンギ
エリンギが礼を言うと 黒猫は 片手をひらりと振りました
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
夜になると大きな樹の陰から いい匂いが漂ってきます
お客は限定ひと組様
どこにあるのか オープンはいつなのか
誰も知らない 神出鬼没なレストラン
あなた様のご来店を きのこ一同 心よりお待ち申し上げます