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12.舞台挨拶(後編)
司会者
永井真琴は少し考えてから答えた。
永井真琴
永井真琴
蒼琉が少し照れたように笑う。
永井真琴
その言葉に客席から歓声の声が蒼琉は小さく肩をすくめた。
吉葉蒼琉
司会者
永井真琴
その瞬間、客席がざわついた。
観客
観客
その言葉に永井真琴は少し慌てたように手を振る。
永井真琴
蒼琉はそれを見て苦笑する。
司会者
その後も会場から拍手と笑いが起きた。
月乃星凛
私は無意識的にヘッドホンを軽く押さえていた。 それに気づいた時には理由なんて、全然よく分からなかった。
司会者
司会者
観客
観客
永井真琴は少し驚いたように蒼琉を見る。 蒼琉も苦笑する。
吉葉蒼琉
司会者
永井が小さく頷く。
永井真琴
客席が静かになる。 蒼琉もマイクを持つ。
一瞬。 会場の空気が変わった。
永井の声が落ちる。 アメリアの声。
アメリア
優しく、少し不安そうな声。
ローレリアン
蒼琉が続く。 低く落ち着いた声。 ローレリアンの声。
アメリア
蒼琉がゆっくりマイクを握り直す。 そして――少し声が落ちる。 ローレリアンの声。
ローレリアン
低くも優しい声。
ローレリアン
客席から息を呑む声が聞こえる。
ローレリアン
ローレリアン
声が柔らかくなる。
ローレリアン
さらに低く。
ローレリアン
それは守る騎士の声だった――
一瞬の静寂。 次の瞬間。 会場が一気に沸いた。
観客
観客
観客
大きな歓声と拍手。 永井も思わず笑っている。 蒼琉は少し照れたように笑った。
画面の向こうで客席の笑いと拍手が少し落ち着く。 私は画面の前で、動けなかった。
前に永井真琴が言っていた――「守られてますね」――の言葉。 その声も、胸の奥に響く。
みんな――私の推し――の声を絶賛している。 その声は、私だけが知っていた、あの声。 でも今は、画面越しで、みんなの耳に届き、評価されている。
胸の奥が、少しざわつく。 また、この感覚……
小さく呟いた。 嫉妬? いや、違う。 でも、なんだか悔しい――
私だけのローレリアンボイスが、もう私だけのものじゃない。 みんなに届き、認められている。 それが嬉しいはずなのに、心の奥にぽっかりと穴が空いて隙間風ができたかのように吹き抜けていく――
蒼琉――いや推しのローレリアンの声は、やっぱりみんなのものなんだ。 私は、ただいつもと変わらず推すだけ……
それでも、胸はざわつく。 なんだか、変な気持ち。 恋……じゃないはずなのに、少しだけ、心が焦った――
司会者
司会者
蒼琉は少し照れたように笑い、観客を見渡して、落ち着いた低音で言った。
吉葉蒼琉
永井真琴も優しい声で微笑みながら言葉を紡いだ。
永井真琴
会場から大きな拍手と歓声。
アメリアの声を演じる彼女も、みんなに愛されている。
司会者
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