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コメント
4件
番外編ありがとうございます😭 なんとも言えない程、この作品が大好きすぎる…(? けど、クールな2人がイチャイチャしてて最高すぎることは分かります…😇
わぁぁぁぁっっ!! スランプなのに書いてくれてありがとうございますっ!! 最高すぎましたっっ!! 勝手ながら僕が見たいと思っていた場所がドンピシャに来て、幸せで頭がほわほわします♡ 本当に素晴らしすぎる作品ありがとうございます!! やっぱり葛藤したat君も最高、寝ぼけでふにゃふにゃなmzも最高!! 本当に感謝ですし、このお話の2人めっちゃ好きです! 相変わらず長文失礼しました! (でもまだ書き足りないとか←)
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
At
国王陛下に国外追放という名のご厚情をいただいてから3、4年ほど経ち、 俺はMzと2人で建てた辺境の小さな家の自室でぐーっと伸びをしていた
俺とMzが一生懸命開拓作業をしたことで少しずつ発展してきた この土地の収支報告書をまとめ、 国王陛下に提出する準備をする作業をちょうど終えたところなのだ
At
そんなことをぶつぶつつぶやきながら俺が電卓に数値を打ち込んで 確認作業を進めていると、部屋の扉がコンコンとノックされた
Mzと2人で暮らしているこの家で俺の部屋のドアをノックする者など 1人しか思い浮かばないので、俺は椅子から立ち上がって扉を開け、 その向こうに立つ人に声をかける
At
Mz
At
Mz
At
Mz
Mz
At
Mz
At
Mz
そう言って俺のことを大事そうに見つめるMzの表情に 胸がくすぐったくなって、心の奥の奥のところから この人を大事にしたいという気持ちがあふれて俺を満たしていく
これは昔Mzが俺に教えてくれた愛というやつだと改めて認識していると、 Mzがそういえばと俺にこんな提案をしてきた
Mz
At
Mz
At
Mz
At
Mz
At
At
Mz
Mzのツッコミに俺が笑っていると、 とりあえず、と言葉を続けたMzがこう言ってきた
Mz
At
Mz
At
Mz
At
At
Mz
At
Mz
At
俺の返事に優しい笑顔を浮かべたMzが部屋から出ていくのを見送った後、 俺は手元の書類と電卓に視線を戻して確認作業を続行した
背景真っ昼間ですが夜だと思ってください(By主)
At
Mz
そう言って楽しそうに笑う Mzの何百年経っても変わらない笑顔に笑みを返し、 俺は自分の目線を今まで俺とMzが一生懸命育ててきた土地に向ける
At
Mz
At
Mz
2人でそんな他愛もない話をしながら一緒に育てた土地を見て 言葉で言い表せないような満足感と幸福感に満たされていると、 俺の頭にふっと浮かんだ言葉が口をついて出てくる
ずーっと、Mzと一緒にいられたらいいのに。
俺の言葉を聞いたMzが目を見開いて、笑った
Mz
At
なんとなくMzと目があって、ちょっとだけ甘い空気が流れて、2人で笑う
俺は間違いなくMzを愛しているし、Mzが俺を愛しているのも知ってる
きっと向こうだって、それはわかってる
それでも俺たちが最後の一歩を踏み出さない理由なんて至って単純で、
At
人間では、ないから。
Mzは人間だから、これから少しずつ歳を重ねていつかはこの世を去る
俺は人形だから、ずっと20代の姿のまま変わらないで、Mzのそばに居続ける
At
Mzがこの世を去るときは俺を壊してくれると約束したし、 俺だってMzがいなくなったら 例の禁断の呪文を唱えてこの世から消え去りたい
そうは言っても、寿命が同じとはいえ生命体としての本質が違うし、 Mzが「美味しい」と感じるものを口に入れたところで 俺は人形だから味がわからない
Mzと同じ幸せを、共有できない
At
そんな感情が心の中をぐるぐると回り続けていて、 『正真正銘、愛し合おう』と言えない
俺もMzもお互いを愛する気持ちがあふれて止まらないのに、 いつかと同じように“友達”、あるいは“仕事上のパートナー”として ただそばにいることだけを選んでる
Mzを誰かに取られたくない、ずっと俺だけを見ていてほしい
そんな独占欲や深い愛情があるのは事実だけど、 Mzに誰よりも幸せな最高の人生を送ってほしいのも本当で
At
添い遂げる人が俺みたいな人形なんかより同じ人間の方が、 成立する確率が、高いんじゃないか。
そんなこと、わかっているから「愛してる、ずっと俺を見ていて」なんて 何百年もあたためてきた彼への気持ちが詰まった一言は、結局言葉にならない
At
心の中でずっとずっと育ち続けてきたMzを愛する気持ちを見つめながら 俺がMzと2人で作り上げてきたこの土地を見ていると、 Mzの中で何かが切れる音がして、ぎゅっと体温のない俺の手が握られた
At
Mz
俺の冷たい手をぎゅっと握るMzのあたたかい手から体温が移ってきて、 まるで俺の体が生きているかのように俺の手がぬくもりを持ち始める
彼はしばらく口ごもっていたが意を決したように唇を引き結び、 俺たち2人の間にある暗黙の了解をぶち壊す魔法の言葉を言ってくれた
愛してる、お前と永遠の愛を誓いたい。
At
ある意味“禁断の呪文“とも言えるその言葉は、 たちまち俺の心を甘く苦しく締めつけて愛が生み出す苦しみで 俺の心を染め上げた
At
At
At
それなのに、と呟きながら俺は声を振るわせ、 泣きそうになりながら目の前の最愛の人の蜂蜜色の瞳を射抜く
At
At
俺の叫びに対して、Mzが俺の手は離さないで言い返してくる
Mz
Mz
Mz
Mz
At
Mz
Mz
Mz
Mzは俺の手を持ち上げてそれを自分の顔に近づけ、ぐすぐすと泣き始める
しばらくそうした後Mzは、直接輝けない月に光を与える太陽のように、 生物として生きる証である体温を持たない俺にあたたかい体温を分けながら、 俺の手をぎゅっと強く握りしめた
本気でオレの幸せを願うなら、オレにお前を選ぶ権利をくれよ。
At
Mz
Mz
Mz
Mz
そう言って彼は、俺の愛を縛り付けていた 『人形だから』という言葉の鎖を、優しく解いてきた
愛してるって、言えよ。
その言葉で俺の心を縛っていた鎖は完全に解けて、 俺はあふれ出してパンクしそうな多すぎる愛を彼に注いだ
At
At
At
At
俺は泣きそうになるのをグッと堪えながら、 大好きな彼の体を抱きしめて言った
俺と、結婚してくれませんか?
閉じ込めてきた愛情が全部あふれて止まらない俺の求婚の言葉を聞いて、 Mzは嬉しそうに笑って数百年前に見たものよりも ずっと愛らしくて幸せそうな甘い笑顔を浮かべ、俺の耳元で返事をしてくれた
お前からのプロポーズ、返事なんか『YES』しかねーよ。
ある朝俺がパチリと目を覚ますと、 目の前に無防備に爆睡しているMzがいて、 彼は俺の手を握って気持ちよさそうに眠っている
体温なんてない俺の手を握ったところで別に暖などとれるわけがないと 思うが、彼としては俺の存在が感じられて安心するらしい
俺が起き上がって準備でもするかと布団から出ようとすると、 今度は俺の手をつかんでいなかったMzの左手が伸びてきて 俺は彼にガッチリと体をホールドされてしまった
At
Mz
At
そう言いながら俺がMzに目を向けると、視界の端がきらりと光って Mzの左手の薬指にはまっている俺の色をした宝石の結婚指輪が 窓から差し込む朝日を反射したと認識する
At
Mz
現在Mzの左手の薬指にはまっているガーネットの指輪は 2人で結婚指輪を買おうと出かけた時に買ったもので、 俺はその指輪とペアリングのアメジストの指輪を持っている
At
とはいえ指輪ははめるものであるので日中はいつも身につけているのだが、 結構独占欲が強めな数百年前の魔王様は、寝ている間に俺の左手の薬指に 自分の色の宝石が光っていないことがご不満らしい
Mz
At
Mz
At
Mz
そう言って彼は自分の左手の薬指からガーネットの指輪を抜き取り、 俺に手渡してきた
At
彼はワクワクした様子で俺に向かって左手を差し出しており、 早く薬指にその指輪をはめてくれと目線で要求してくる
そこで彼がわざと寝ぼけたフリをしていることを察した俺は、 ふっと笑って彼の左手を持ち上げ、 ペアリングの指輪を丁寧にその薬指に通して指先に口付けを落とす
狂愛と忠誠を込めたあの時とは異なり、 深い愛情と信頼を込めた口付けに、Mzは満足げに笑う
At
Mz
すっかり寝ぼけた演技をやめたらしい彼は幸せそうに微笑み、 今度は俺の左手の薬指にアメジストの指輪を通す
Mz
At
しばらく2人でくすくすと笑った後、俺は大好きな配偶者に言った
At
Mz
俺たちが笑いながら目を向けたカレンダーの今日の日付には、 Tgの筆跡でぐるぐると大きな丸が描かれていた
At
Mz
そう、今日は。
KtyとTgの、結婚式当日だ。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。