神城組の天使のような死神

神城組に春がやってきた

そして季節的な春もやってきた。

真奈美は二年生になった。

こんな、なんてことない日々がずっと続くのだと思っていた。

しかし幸せな日々の中、暗雲が立ち込める

しかし…。

そして歯車が狂い始めたのだ。

会議後…。

ギュッ

最期まで一緒にいてね、真奈美

それはある暑い夏の日。 夏休みも終盤に差し掛かった所だった。

一生後悔することになるなんて知らなかった。 まさか、そんなことが起こるなんて、思わなかった。

信じられなかった。 私の彼氏が…死ぬなんて……殺されるなんて

真奈美が碧の頬を撫でる。

長門の兄貴の葬儀は、ひどく悲しいものだった。

神城組は日常に戻った…いや戻らざるを得なかった。 でも碧がいない世界は……

数日後…。

部屋の中…。

死んだら、楽になれないかな？（泣）

翌日…。

そして…。

そして、悲劇は数日後に起こるのだった…。

私は…ボロボロだった。 目の前には血だらけになった私のナイフ。 服を少しめくれば、傷だらけの体が露わになる。

でも、悲しみが抑えられない。 このどうしようもない虚無感が、私を…傷だらけにした。 物理的な痛さを感じているとき、精神的な痛さが吹っ飛ぶ。

そりゃ普段からこんなことしてるんだから。 それよりも大切なものを失った心のほうが、ずっと…痛い。 爆傷を受けるより、肋骨折られるより、そんな痛みよりずっと…ずっと。

私は、牡丹色に光るナイフを握った。 私の大切な人の武器。 私はそれを胸部に突き立て…

こんなに手が震えてるの…？ 怖いの…？

ｸﾞｻｯ…

腹部に深々と突き刺さったナイフ。 それを見て、私の意識は闇に沈んだ。

僕達３人の座る椅子の前の部屋には『手術中』と赤く光る文字。

真奈美が、自殺を図った。 盗聴器を仕掛けていた僕達は、音を聞きつけ、真奈美を闇医者に運んだ。

市合が崩れ落ちる

規則正しい機械音が、静寂な病室の廊下まで届く。