街から離れた小さくそして、少し古い民家の庭から子供の泣き叫ぶ声が聞こえてた。それも耳の鼓膜が破けそうなくらいの大音量で、泣きながら外廊下に座っている親の元へ駆け込んだ。
陸(子供)
江戸
江戸
陸(子供)
江戸
海(子供)
江戸
江戸
海(子供)
陸(子供)
江戸
海(子供)
父からの説教を受け、不満を持ちながら海はその鬱憤晴らしに、剣術の鍛錬をしに行った……
江戸
陸(子供)
江戸
江戸
陸(子供)
江戸
言われるがまま、手を引かれさっきまで泣いていた庭へ連れて行った。 庭に零れた涙は気づけばもう乾いていたり、雑草の上で雫のようにその場にとどまっていたりしていた……
少し広い庭の端に、鹿威しがコトン……コトン……と音を一つずつ一つずつ刻んでいるのをよそに、江戸は民家の隣にある小さな物置から、2本の竹刀を取り出し、その1本を2本に投げ渡した……
江戸
陸(子供)
江戸
陸(子供)
江戸
江戸
陸(子供)
深く息を吸って、吐くと同時に……体が徐々に熱くなり、それと同時に体が前に突進して江戸に向かって竹刀を振ろうとした
陸(子供)
江戸
だが、経験の差で陸は江戸の一振で体ごと吹き飛ばされ、転がっていた。
陸(子供)
江戸
陸(子供)
それから気がつけば、当たりが橙色に染まり、陸はボロボロになっていた。
陸(子供)
陸(子供)
江戸
江戸
綺麗な手でボロボロになった陸の頭をそっと撫でて、この鍛錬に逃げなかった陸を褒めた。
陸(子供)
江戸
江戸
陸(子供)
江戸
陸(子供)
それから毎日のように、江戸との鍛錬を繰り返して陸は次第に強くなっていった……ただ、彼の中にある「弱虫な心」は完全には消えていないままだった。
そんなある日、3人が学び舎から帰って来た頃……家には江戸がいなかった。3人はきっと買い出しにでも行ったのだろうと思っているのも束の間……
空(子供)
空(子供)
陸(子供)
空(子供)
海(子供)
海(子供)
陸(子供)
海(子供)
運動面では誰にも負けていなかった海だったが、学力では陸の方が上だった……だが、陸が自分の苦手な学力で一番を取った時、海の中にある何かが爆ぜそれが暴力となって陸に降りかかった。
陸(子供)
海(子供)
空(子供)
海(子供)
陸(子供)
陸(子供)
グッと涙を堪えようとしたが、痛みと弱虫な心が反応して耐えきれず、その場から逃げるように涙を流しながら走っていった……
2人は凍りついたように、その場から動かず何も言わず……ただただこの「無の空気」が過ぎ去るのを待っていた。 陸の跡を追いたかったのに……足は動いてくれないまま、ちょうど江戸が帰ってきた。
江戸
海(子供)
空(子供)
江戸
江戸
空(子供)
江戸
江戸
海(子供)
江戸
空(子供)
江戸
江戸
空(子供)
江戸
江戸
江戸
咄嗟に出てしまったのもあって、次第に草履の底に穴が空いてしまい、足袋のかかと部分にも小さな穴が現れた。 だが江戸はそんな事も気にとめず、必死に息子を探し続けた。
ふと、空を見上げた瞬間……日がだんだん、橙色となって沈みかけようとしていた……
このままでは……陸の身が危ないと察した江戸は、急いで陸を探した。 枝の先ですねが切られても、走りすぎで草履が壊れ、足袋だけが残っても……
陸は、民家の近くにある小さな山奥にある大きな大樹の麓で背を縮めながら、海に殴られた涙を流していた。
陸(子供)
陸(子供)
陸(子供)
江戸
江戸
陸が居なくなった故の怒りと心配で、陸をその場で叱ろうとしたが、「今は違うんじゃないか?」と誰かが自分に告げたのを感じ、江戸はそっと陸の隣りに座った……
江戸
江戸
江戸
陸(子供)
江戸
江戸
陸(子供)
陸(子供)
江戸
江戸
突然の問いかけに、戸惑ったが少し考えてみた……だけど、走った疲れと泣いた疲れで考えるのも疲れに感じた……
陸(子供)
江戸
江戸
江戸
江戸
江戸
江戸
江戸
江戸
江戸
江戸
海(子供)
空(子供)
海(子供)
江戸
江戸
江戸
そんな短くどこか切ない言葉に、温もりを感じながら4人はあの民家へと帰って行った……
時代は流れ、幕府の時代が終わりかけたと同時に江戸はどこかへ出かけようとした……
海(子供)
江戸
江戸
空(子供)
江戸
陸(子供)
陸の視界は、水で潤んでいるせいで自身の父の顔がはっきりと見えなかった。だが、江戸は陸に心配をかけぬよう、頭を撫でてこういった。
江戸
陸(子供)
江戸
空(子供)
海(子供)
陸(子供)
兄さん……兄さん……?
陸
気がつけば、書斎で寝ていて目の前には空と海、それにパラオがいて陸を起こしに来た。
海
陸
空
陸
🇵🇼
陸
海
陸
陸
季節は夏だというのに、その日の夕方は不思議と涼しいそよ風が窓の隙間から入ってきた……
江戸はあの日以来……帰って来ていない。それでも3人は、必ず帰ってくると信じ続け、今でもその帰りを待ちながら、戦っている……
コメント
3件
めちゃいいお父さんを持ったな!
最後の言葉がなんやかんやで懐かしいですね⇠なんやかんやは過去の事です気にせずに☆⇠星付ける意味ある?