磨央
おい
磨央
まだやってんのかよ
龍
なに
磨央
磨央
虐待だよ
龍
は?あんなの虐待なんて言わねーだろ
磨央
自分の愛犬をストレス解消のために投げる。叩く。痛めつける。
磨央
立派な動物虐待だと思わないのか?
龍
龍
お前には関係ない
磨央
仕事でのパワハラが激しいのかしらんが
磨央
俺がお前のこと通報するのも
磨央
時間の問題だな。
龍
っち
龍
あいつも人の事愚痴愚痴突っかかってきあがって
龍
通報する勇気もねえ癖に
龍
調子乗ってんじゃねぇよ!!
犬に物を投げつける龍
キャイーーーン!!ガハッ
龍
ふふ
龍
ぁあースッキリした
龍の犬(レオ)の頭部からは大量の血が流れてきた
龍
うーーっわ、床を汚しあがって
レオは悲しそうな目で龍のことを見つめる
龍
んだよ
龍
俺に挑発する気か?
龍
俺にもっと苦しめて欲しいのか??あ!?
もがきながら逃げるレオの毛を引っ張って金属のフックに引っ掛ける
キャイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
龍
お前は一生俺のストレス解消グッズなんだよ
龍
龍
ん?
龍
あれ?
龍
ここはどこだ?
龍が目覚めたそこは、 犬用のケージの中だった。
龍
なんでおれケージの中にいるんだよ
龍
龍
なんで
龍
なんで!
龍
ここ、レオのケージの中じゃねーか!
龍
鍵閉まってて開かねぇし!
その時龍は、とんでもないことに気づいてしまったのだ。
龍の手は人間の指ではなく、肉球の詰まった犬の触手であった。
龍
なんで俺!どういうことだよ!体まで!上手く歩けねぇし、体が思うように動かねぇ!痛っ!
見上げた先には人間がいた
その本人がレオだということを龍はすぐ見分けた
なぜならその目の前にいる人間の頭の耳には、深い切り傷がついていたから
レオ
よぉー龍君
龍
...。
レオ
俺が人間の姿になれてお前が犬の姿。
なんとも夢見る光景だよね。
なんとも夢見る光景だよね。
龍
うるせぇ
!!早く元の姿に戻せ!
!!早く元の姿に戻せ!
レオ
おや?なんで俺が操ったと思ってんだよ。
龍
は?だって絶対お前が...。
レオ
俺はなにもしてないよ?きっと天の神様が俺に報いをくれたのさ。
レオ
毎日毎日、ご飯もろくにくれず、帰ってきたご主人様に蹴り飛ばされ殴られ切り刻まれ。
レオ
挙句の果てお前は偽善者ぶって、動物愛護施設から引き取ったと嘘を言い張り、傷まみれの俺の姿をネット上にアップ。
レオ
しかし知った上で通報もしてくれない臆病な親友までいるという。
レオ
お前は本当にクズな人間だ
龍
うるせぇ。俺は日常のストレスをお前にぶつけただけだ!
レオ
レオ
そうそう
レオ
俺もストレスが溜まっててさ
レオ
お前に傷つけられる毎日。
龍
まさか...!
レオ
ハハッハハッハハッハハッ!!
龍
!!
レオ
龍という俺の愛犬をストレス解消グッズにしようも思ってさ!
龍
待って
!!やめて!やめろぉおおおおお!!!
!!やめて!やめろぉおおおおお!!!
レオは動かないように毛を引っ張って固定し、尖った釘を背中に打ち付けていった。
レオ
ハハハハハハハハ!!
ガチンガチンガチンガチンガチンガチンガチンガチンガチンガチンガチンガチンガチン!
龍
痛い!痛い!背中の骨が!砕ける!
毛が!
毛が!
レオ
俺もお前と同じような痛みを味わってたんだよ。
背中の肉はちぎれ、辺り一面に真っ赤な血が流れた。 骨は砕け、龍は白目をむいて痙攣し、やがて動かなくなった。
レオ
レオ
俺にはストレスが溜まってんだよ。