ピーンポーン………。
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中から、僕の愛する人の低い声が聞こえてくる。
久々に会える、と笑顔でドアが開くのを待つ。
ガチャ…
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ガチャン…
待ち続けてやっと開いたドアは
数十秒の会話で、すぐ閉じてしまった。
志麻くんが僕を忘れた?
志麻くんの中から僕は消えてる?
ドッキリじゃない
本当に、本当に僕を忘れてるんだ…
prrrrrrrr
ピッ
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urt
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urt
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urt
snr
urt
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urt
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ガチャッ
勢い良く、まだ後ろにあったドアが開いた。
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そこにいたのは、スマホ片手に唖然とする志麻くん。
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どうやら、坂田との会話をスピーカーにして話しているらしい。
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泣きそうになってしまった。
忘れられて、嫌われているのに、ここで泣いたら余計悪化すると思って
泣くに泣けない。
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skt
urt
skt
skt
urt
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ブチッ、ツー…ツー…ツー…ツー…
坂田は、急いでいた。
でもふたりが電話を切ったから…
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志麻くんが僕を忘れたことで
‘‘浦島坂田 船‘‘としての記憶も消えている。
浦島坂田 船のげつようび。に、
武道館公演、Zepp公演に、両国公演も…
全部の記憶に、僕は存在しない。
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言われてしまった、また…。
もうだめだと僕が諦め、帰ろうとしたときだった。
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………………
もう、志麻くんの方を見てないし、志麻くんだってドアを閉じた。
今なら泣いたって、いいですよね、?
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ダッダッダッダッダッダッダッダッ…
前から、見慣れた顔の茶髪と赤髪の男性ふたりが走ってきた。
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医師
医師
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医師
医師
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医師
医師
医師
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うわあうらさんほんとのお母さんみたい。
一瞬それが口に出そうになって口を手で塞いだ。
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急いで口元から手を外す。
医師は、しませんが付き合ってるからこちらも付き合ってると思ってるようで、 こちらを見ながらにこにことやわらかく微笑んでいる。
残念、付き合ってはないです
僕は好きだけどね。
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医師
医師
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医師
医師
医師
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医師
医師
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skt
医師
医師
医師
urt
医師
次の日…
志麻の病室にて
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何で僕まで呼ばれたんやろ さかたいわく志麻くんは一定時間の記憶障害らしい。
志麻くんに拒否られるっていうのに…。
201号室どこやねん…とふらふら歩き回っていると、
中から聴き慣れた3つの声が聴こえてくる部屋があった。
201号室 月崎 志麻
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まずはノックをしようと、ドアに手を近づけた時だった。
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思わず、手を止めてしまった。
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やめて、やめて、志麻くんやめて…
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そこから先は聞きたくあらへん…っ
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ガタンッ!!!!!
バレないようにするつもりでいたが、ショックで思わず腰をぬかしてしまった。
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ここのドアは、足元がガラス窓になっている
僕がいつも愛用している紫色のバックを持っていたため、すぐバレてしまった。
ガララララララッ
慌てた声と共に、横流しのドアが開く。
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きっとふたりは驚いた顔をしているだろう。
でもそんな顔を見るのが怖くて、
僕はしゃがんで下を向いたままで話していた。
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ごめん、言い過ぎた。ごめん、ごめん…。
いつもなら、
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なんて笑って返せていたはずなのに。
心の中では謝っていても、
現実では あ…あ… という嗚咽しか出ない。
ごめん、ごめん、ごめん…
僕のただの八つ当たりや。
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なんで…なんでふたりが謝るん…?
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僕お得意のポーカーフェイスは、
今日は何故か仕事をお休みしていたみたいで。
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先程僕が口出ししたから、さかたは怖くて口に出せないんだろう。
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ガララララララッ!!!!!
乱暴にドアが開いた。
ふたりは目を見開いて後ろを見たけど、
僕は怖くて怖くて仕方がなくて、振り向けなかった。
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きついようで、でもどこか優しくて。
怒ってても、本当はどこかで僕の事を覚えていてくれてるように感じてしまって。
…でも、今の僕には帰るしか選択肢はなかった。
帰宅後……
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僕は、志麻くんとふたり暮らしをしている。
志麻くんがいない生活はあまりにもつまらなすぎて
志麻くんにぎゅーってされたときのぬくもりだって感じる事ができない。
志麻くん、志麻くん、志麻くん
何度名前を呼んだって、彼はここには居ないのだ。
それがわかっていても、呼びたくなる大好きなひと。
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そんな事を口ずさむと、何故か涙が溢れてきた。
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ふっと横を見ると、僕達のツーショット写真があった。
見つめ合っている僕達。大きな紫色の瞳で僕を見ながら微笑む志麻くんが、
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って言ってくれてるみたいで
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志麻くんのベッドに潜り込み、黄色の枕に顔を埋める。
大好きな志麻くんの香りでいっぱいになって、すごく幸せ。
志麻くんがいなくて寂しい時は、いつもこうしていた。
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志麻くんって、一時期の記憶障害なんよな??
なんに、なんで僕の事拒絶するん??
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急いでGoogleを起動させ、
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忘れられる と書き込もうとすると、
記憶障害 忘愛症候群
と出てきた。
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自然とぽろぽろと雫が零れ落ちる。
なんや、なんや……
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状況的には辛いかもしれないけど、
本当に、本当に本当に嬉しかってん…
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カーソルを動かし、下へ画面を下げる。
すると、【治療】という文字を見つけた。
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にこにことしながらそこを開くと、
衝撃的な事実が発覚した。
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志麻くんに思い出してもらえるのならば、
自分が死ぬ事なんて全く気にしなかった。
愛する人に思い出されず、拒否され続け
そのまま死んでいくよりかは十分マシだと思うし。
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唯一同い年の坂田には、タメで会話が出来る。
いや別にうらしまとタメで会話してもええんやけど
敬語で慣れちゃったというか、、ねw
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30分後………
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このふたりもう付き合ってええと思うけどな。
思いっきし両片想いって感じやし……w ここで話すのもあれやし、と僕の家にふたりを連れ込む。
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呟くように、さかたに返した。
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それから毎日、僕は志麻くんのもとへ通った。
それでも、
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いつもみたいな優しい志麻くんはどこにも居なかった。
本当に本当に僕ののことが嫌いみたい。
この前なんかついには……
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なんて言われてしまった。
存在自体を否定されてしまったのだ。
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ほぼ毎日泣いて、泣いて、泣いて。
それから、もう2年のときが過ぎた。
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そう決めた。
ガララララララ………
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…嗚呼、言われてしまった
もう、来ないから。会わないから、目の前に現れないから
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少し真剣な話になったのを察したのか、
志麻くんは文句も言わず真剣な顔で話を聞いてくれてる。
ふざけるときはふざけて、真剣なときは真剣に話して。
そんなとこも、大好きだった。
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いつもより話し方は軽いし、少し強気だし
普段の志麻くんなんかじゃない。
でも、こんな志麻くんも好きだなぁ、なんて思ったりして。
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シン…と静まり返った部屋に、少し音量が下がった僕の声が響く。
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申し訳なさそうな顔で下を向いている。
僕のこと、嫌いなはずのに。
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静止の言葉を上げる志麻くんを無視し、僕は続ける。
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僕は今から伝えることに
志麻くんが了承してくれないと分かりきっていた。
でも、本当に、最期に聞きたいと思ったから…
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涙を零しながら、僕は志麻くんを見上げた。
案の定驚いた顔の志麻くんは、その後妖しく微笑った。
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まるで、さっきの志麻くんとは別人のようだ。
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まさか僕がそんな言葉を話すとは思わなかったようで
ドアを閉める時にちらっと見えた大きくて綺麗な瞳は、
見開かれながら僕の眼をじっと見つめていた。
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XYZのメンバー、
お世話になった歌い手さんたち、
お世話になったスタッフさんたち、
お世話になったマネージャー、
そして、crewの皆と浦島坂田 船のメンバー。
全員への手紙を書き終え、僕は病院の屋上へと登った。
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自宅の寝室、天井にロープをぶら下げ、そこに首をかけた。
…それから数十秒後、僕は意識を手放して、
この世から消え去った。
sm side
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"アイツ"が消えてから、数十分経った頃。
突然、すごく酷い頭痛が俺を襲った。
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もう、頭がかち割れそうだった。
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俺の脳内には、突然映像が流れ出した。
紫色の瞳、髪の毛の、少し背が低い男。
これは、俺だ。
だが、横で笑ってるのは、誰だ?
映像の中の俺は、その人に
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と笑顔で微笑んだ。
すると、金髪で綺麗な黄色の瞳の男性は
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と笑顔で返した。
見つめ合って笑うふたりは、まるで恋人のようだ。
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"センラ"って、アイツの名前やない…?
確かアイツも金髪で、綺麗な切れ長な黄色の眼をしてて……
少し特徴的な声、高い身長、優しい笑顔。
そのすべてが、急に愛しく思えてきたのだ。
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数十分前の記憶が蘇った。
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…俺はなんて酷いことを言ったんだろう。
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あほだ、あほだ、あほだ。
……あれ?
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ハッ、と思い出した俺は、病院から飛び出した。
~自宅~
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リビング、風呂場、トイレ、ベランダ。
どの部屋を巡っても、愛しい人の姿は見えない。
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残る部屋は、寝室のみ。
意を決して、俺はドアを開けた。
キィイ………
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そこには…
綺麗な黄色の髪の、背の高い男性が
ロープに首をかけうなだれていた。
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俺は急いで近寄り、声をかけた。
けど………
返事は、もちろん返ってこなかった。
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sm
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ふらふらと部屋を歩いていると、小さなテーブルに何十枚かの手紙が見つかった。
机の上には、
うらたんへ
さかたへ
nqrseへ
マネージャーへ
そんな手紙が、何枚も何枚も重ねられていた。
やっと、一番下の手紙にたどり着いた。
そこには、
志麻くんへ
と書かれていた。
俺は、持っただけでわかったことあった。
みんな手紙なのに、俺だけ、DVD。映像だった。
急いでテレビの電源を入れ、DVDを付けた。
ジジ……ジジ……
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そこには、愛しき人の姿があった。
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少し頬を赤らめながらふにゃっと笑うその姿が
愛おしくて、愛おしくて…
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今更謝ったって、帰っては来ないのに。
そこからセンラさんは、今までの楽しかった思い出だとか
俺に忘れられてる時の気持ちだとかを話した。
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予想的中すぎて、笑ってしまった。
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ブチッ
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数年後……
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俺は、センラさんのお墓に向かってごめん!と謝った。
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このお墓がある場所は、崖の上だった。
俺が崖の、すぐ落ちそうな場所に立つと、
まるでセンラさんが
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と言ってくれたように、強い風が吹く。
その強い風と共に、俺は崖から落ちた。
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ガンッ!!!!!!!!
おまけ
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sm
snr
snr
ああ!!私の天使!!マイエンジェル!!!!!!
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俺は勢い良くセンラさんに抱き着く。
2人
れんあ
れんあ
れんあ
れんあ
れんあ
れんあ
れんあ
コメント
46件
凄い今更感ありますけど涙が止まらないです。
こんな、今更でごめんよ(._.)涙がとまらねぇんだ(´•̥ω•̥`)
号泣。