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エリ

んん…もう朝…?

タカシ

起きた?おはよう

エリ

おはよ…

タカシ

エリはほんと寝起き悪いよなぁ

エリ

うーん…

タカシ

そんなエリを起こすためにもここは一発

エリ

えっ

タカシ

怖い話でもしてやろう

エリ

あ、うん…

タカシ

…お前今なんか別のこと想像しただろ

エリ

はぁ!?し、してないわよ…

エリ

で、なによ怖い話って

タカシ

ツトムから聞いた都市伝説なんだけどさ

エリ

ツトムくんが?

エリ

都市伝説とか話すタイプには見えないけど…

タカシ

そうなんだよ

タカシ

ま、その話ってのが…

タカシ

この近くにリトルエンジェルホテルってあるだろ?

エリ

そんな名前のホテルあったっけ?

タカシ

あるよ、あそこだよほら

タカシ

高速道路の入口付近にある

エリ

…それってラブホ?

タカシ

当たり☆

タカシ

でさ、ラブホって電話あるだろ?

タカシ

それで、ある番号にかけたら…

エリ

かけたら…?

タカシ

タカシ

オチはナイショって言われたんだよ

エリ

はぁ??

タカシ

気にならないか?

タカシ

俺、ツトムにそこまで言われてオチがわかんねーのがめっちゃ気になっててさ

エリ

…それ、ツトムくんに彼女とラブホに行けって冷やかされてんじゃないの?

タカシ

それ、俺も似たようなこと言ったんだ

タカシ

「彼女と行けって冷やかしか?ただそのホテルの感想が知りたいだけなら、そんな回りくどいことしなくてもいいだろ笑」って

タカシ

そしたら、

タカシ

「…とりあえず5号室に行って73番にかけてみてくれ」

タカシ

って本気トーンで言われちゃってさ

エリ

ふーん

タカシ

てことで、一緒に行ってくれないか?

エリ

ラブホに誘うにしては随分ムードのない誘い方ね

タカシ

悪い悪い、でもしたいのはそういうことじゃないから

エリ

わかってるって

エリ

まぁそこまで聞いたら私も気になるし行くわ

エリ

いつがいいの?

タカシ

さっそく今日で!

エリ

えっ

エリ

昼間からはなんかアレだし、夜でいいわよね…?

タカシ

いや、もう目も覚めただろ?

タカシ

気持ちが乗ってるうちに行こうぜ!

エリ

えぇ…

11:00 リトルエンジェルホテル 到着

タカシ

着いたな

エリ

こいつら昼から…って思われると思うと辛いわ

タカシ

元気だなぁこいつらって思われるくらいだろ

エリ

それが嫌なのよ…

エリ

これで電話が普通にフロントとかに繋がったら許さないからね?

タカシ

まぁそれもまた乙なもんだし、それならそれで、ツトムのお膳立てってことで

エリ

何が乙なのよ…

5号室 入室

タカシ

ラブホって部屋は割と普通だよな

エリ

こういうとこ2人で来たの久しぶりよね

タカシ

なんだかんだ5年ぐらいは付き合ってるもんな

エリ

え、そんな経つ?

エリ

最近時間経つの早すぎるわよ…

タカシ

そろそろ結婚でもするか?

エリ

はっ…はぁ!?

エリ

なんてシチュエーションでプロポーズしてきてんのよ!!

タカシ

冗談だよ笑

エリ

…そんなことより早くかけましょ、73番よね?

タカシ

あぁ

プルルルルルル…

エリ

…かからないわよ?

タカシ

やっぱあいつの冗談だったのかねぇ

エリ

内容は冗談っぽいけど、言ってるのがツトムくんだからちょっと気になるってのはあるわよね

タカシ

それなんだよ

エリ

ツトムくん、グループトークに誘ってみる?

タカシ

そうだな

【ツトムがトークに参加しました】

ツトム

急にどうした?

ツトム

もしかして、例の都市伝説の件か?

タカシ

それそれ

エリ

私たちちゃんとそのホテルに来たのよ

タカシ

今もそこにいる

ツトム

73番にかけたのか?

タカシ

あぁ、ちゃんと5号室だしな

エリ

でも何も起こらなかった

エリ

どこかに繋がるわけでもないし

タカシ

なぁツトム、結局あれはどうなるってオチだったんだ?

タカシ

別に冗談だったなら俺らはそのままお膳立てされとくぞ?

エリ

何言ってんのよバカ

ツトム

繋がらなかったのか…

エリ

何か事情があるなら教えて?

エリ

私たち、ツトムくんの話なら嘘じゃないかもと思ってここまで来たくらいなんだから

ツトム

信じてくれるとは…思えないんだけど…

タカシ

それは聞いてから決めるさ

エリ

あんたそれ正直すぎるわよ…

ツトム

いや、俺も都市伝説はタカシだから話したんだ

ツトム

全部話すよ

ツトム

1ヵ月前…彼女とそこに行ったんだ

ツトム

そのとき、彼女がその部屋の電話見ながら

ツトム

「どこにかかるか書いてない番号押したら、どこに繋がるんだろ」

ツトム

とか言いながら、73番にかけたんだ

タカシ

なんで73番?

エリ

彼女の名前、確か…ナミちゃんだっけ…

ツトム

あぁ、ナミは

ツトム

「1番好きな数字押してみる」

ツトム

って言ってたから、多分73番だと思う

ツトム

それで、ナミはその番号をかけてから…

ツトム

ツトム

おかしく…なっちゃって…

エリ

おかしく…?

タカシ

そういや最近大学でナミちゃん見てないな

ツトム

あぁ…来てないからな

エリ

私は違う大学だから気づかなかった

エリ

それで?ナミちゃんはどうなっちゃったの?

ツトム

ツトム

俺のことを

ツトム

忘れちまったんだ…

エリ

そんな…

エリ

どういうこと?

タカシ

お前との記憶だけがないってことか?

ツトム

あぁ、他の人は誰のことも忘れてない

ツトム

俺のことも、完全に忘れた訳じゃなくて

ツトム

俺と付き合ってたことだけ忘れてるって感じなんだ…

エリ

ちょ、ちょっと待って

エリ

ナミちゃんは、電話をかけてすぐにそうなったの?

ツトム

ナミは、その番号に電話をかけたあと

ツトム

どこかに繋がったみたいで、しばらく何かを聞いてたんだ

ツトム

そしたらだんだん青ざめ始めて

ツトム

そのまま…倒れた…

エリ

そ、そんな…

ツトム

意識が戻った時にはもう、俺との関係を忘れてしまってて

ツトム

もうどうしたらいいか…

タカシ

お前

タカシ

それを俺らに調べさせたかったのか?

タカシ

俺らのどっちかがお互いの記憶を失ってもいいと思ったのか?

エリ

やめてタカシ

ツトム

そうだよな…ごめん…

タカシ

俺もエリもお前とは高校からの友達だし、俺らがその頃から付き合ってたのも知ってるよな?

タカシ

なんでそんなことできるんだよ

エリ

ラブホテルにこんなこと確かめに行くなんて、そんなの他のカップルに頼むしかできないじゃない

エリ

ツトムくんだって冷静な判断ができなかったんだろうし…仕方ないわよ…

ツトム

ごめんなタカシ、エリちゃん…

タカシ

…しょーがねーな

エリ

それより、その電話の番号よ

エリ

ほんとに73番だったの?

ツトム

ナミが1番好きな数字は73だと思うんだけど…

エリ

ほんとにそうなのかしら

タカシ

ナミちゃんがかけたときはどっかに繋がったのに、俺らがかけて繋がらなかったんだから

タカシ

違う番号の可能性の方が高くないか?

ツトム

そう、かも…

エリ

私はナミちゃんのことは名前しか知らないけど、2人はそうじゃないでしょ?

エリ

他にナミちゃんの好きな数字知らないの?

タカシ

俺もそこまで関わってないしなぁ…

タカシ

これはやっぱツトムにしかわかんねぇよ

ツトム

わかんねーよ…

ツトム

俺、ナミのこと何もわかってなかったんだな…

タカシ

んなことねーよ、俺だってエリの好きな数字なんか知らねーし

エリ

そうよ、私もタカシの好きな数字なんか知らないわ

エリ

自分を責めないで

ツトム

お前らほんと…仲良いんだか悪いんだか…

エリ

ツトムくんだから2106…とか?安直すぎるかしら?

タカシ

安直だな

エリ

うるさいわね、かけてみなきゃわかんないでしょ?

タカシ

ならかけるか

ツトム

おい

ツトム

もしあってたら、お前らも何を聞くことになるか…

エリ

何を今更

タカシ

2人で聞けば大丈夫だろ

エリ

どっちかの記憶が無くなるのは悲しいけど、2人で無くなるならまぁ

タカシ

もう1回出会いからやり直せばいい話だよな

タカシ

もし2人して忘れたら

タカシ

「お前ら恋人だったんだぞ」

タカシ

ってちゃんと言ってくれよ?

ツトム

あぁ…わかってる…

エリ

かけるわよ

ツトム

…頼んだ

プルルルルルル…

エリ

…!!!

エリ

かかった

ツトム

なんて言ってる?

エリ

「こちらはカップル相性診断サービスです」

エリ

「この部屋に入室されたお二人の相性を診断致します」

エリ

「橋本エリさんと本城タカシさんの相性は」

エリ

「96%です」

エリ

「高校時代より仲の良いお二人は、このまま幸せな結婚を迎えるでしょう」

エリ

だって…

タカシ

な、なんか恥ずかしいなこれ

ツトム

ナミはこれを聞いたのか?

エリ

わかんない…

エリ

それよりこれ、どうやって個人情報がリークされてるの?

エリ

明らかにおかしいわ、怖い…

タカシ

もしかしたらナミちゃんは、この相性診断で個人的な何かを聞いて

タカシ

ショックで倒れた、とか…

ツトム

そんな…

エリ

とにかく、この個人情報が含まれた謎の相性診断が何なのか確かめなきゃ

タカシ

あぁ

ツトム

わかった…調べてみる

ツトム

タカシもエリちゃんも、お互いの記憶はあるんだよな

エリ

えぇ、もちろんよ

タカシ

忘れたくても忘れられそうにないな

ツトム

よかった

ツトム

ほんとにありがとな…

エリ

いいのよ

エリ

それよりこの怪しい相性診断について、早くみんなで調べましょう

ツトム

あぁ

タカシ

おう!

こうして、謎の相性診断について調べる日々が始まった

ラブホテルの電話

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