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今日はカウンセラーのところに行くつもりだ。

と言うか、行かなければならない。

もうそろそろで担当の先生が僕を呼びに来る。

今日は担当医の方と初の顔合わせ。

会ったことない人だといえど

大人であるということだけで

自分の中が憎悪の気持ちでいっぱいになる。

先生

才賀君。時間だよ。

才賀 夏来

はい。

担当医

おはよう、夏来君。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

担当医の城沢 肇と言います。

担当医

よろしく。

才賀 夏来

よろしくお願いします…。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

先日の取り調べ、見させてもらったよ。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

後、裁判も拝見させてもらった。

才賀 夏来

それで…何ですか…?

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

妹さんのこと、なんて言ったらいいか…

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

私たちが見て見ぬふりをしなければこんなことにはならなかったのに

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

済まない。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

謝っても命は戻っては来ない。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

自己満足になってしまうが、謝らせてくれ。

城沢は深深と頭を下げた。

彼が頭を下げたことは

価値のないものだった。

だが

頭を下げた人間が航だったならば。

考えても過去は変わらない。

あの時、それが叶わないと確信した瞬間には

もう手を下してしまっていたのだから。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

君は、航くんを殺す事で

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

苦しみから解放されようとしたんだね?

才賀 夏来

はい。

才賀 夏来

あいつの抵抗がなくなった瞬間

才賀 夏来

僕の心が和らぐような感じがしました。

才賀 夏来

あの仇を取ったような達成感。

才賀 夏来

全て奪い返した優越感。

才賀 夏来

あの瞬間は幸せでした。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

そう。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

君はこれから、

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

その行為を悔やむと思うかい?

才賀 夏来

いいえ。

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

どうして?

才賀 夏来

最愛の妹を殺めた人間を自分の手で堕とす事は

才賀 夏来

間違ってなんかいません。

才賀 夏来

あんなことを知ったら

才賀 夏来

誰だって殺したくなる。

才賀 夏来

先生もそうでしょ?

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

……

才賀 夏来

人間は誰しも大切なものを取られたら

才賀 夏来

鬼になる。

才賀 夏来

いつだって平常心でいられる人間なんていませんよ。

才賀 夏来

僕が正常なんです。

才賀 夏来

『何でこんなことをしたんだ!』

才賀 夏来

なんて言う馬鹿みたいな大人は

才賀 夏来

なんも分かっちゃいないんです。

才賀 夏来

僕は僕の人間らしさを此処に刻み込むために

才賀 夏来

自首したんです。

才賀 夏来

綺麗事を叩き込まれて人間を捨てるために来てなんかいません

才賀 夏来

だから、ここで罪を償うつもりも無いんです。

才賀 夏来

それでも僕を非行人間だと思いますか?

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

そうだな…

城沢 肇(シロサワ ハジメ)担当医

僕も分からなくなってきた…

才賀 夏来

白い薔薇の命日に。

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