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猫又
テラ視点
私が仲間になってから四十年もの時が過ぎた
その四十年は、楽しく皆と遊んだり、話したり
グルッペンと、結婚式を挙げたりもした
平穏と、自由を形にしたような日々だった
だけどその平穏なときは長く続かなくて
人間に見つかのだ
たくさんの人間が攻めてきて
ここを中心に、世界は戦争の災禍に見舞われた
私は無力だった
せいぜい、皆のサポートしかできない
そらそうだ、軍人とは訳が違う
だけど、それは言い訳に過ぎない
せめて、あの約束は守りたい
その一心で戦っていた
前に言ったのだから
グルッペンに役に立って死ぬって
このままならみんな死ぬ
…せめて、みんなには生きてもらいたい
そんな思いが渦巻き、私は行動に出た
私一人の犠牲ですむなら
そう思って敵の中に突っ込んでいく
グルッペン
グルッペン
近くのグルッペンは私が何をするか気づいたみたい
テラ
テラ
出来るだけグルッペンを遠ざける
彼を巻き込むわけにはいかない
…あと、二十分
増援が来るまでの時間だ
中心辺りで敵を切りまくる
得意だった鎌で命を刈り取る
そして、
そして、私は
敵のど真ん中で
自爆した
ドゴンッ
そんな大きな音と共に吹き飛ばされた
四肢に激痛が走り、体が悲鳴をあげた
だが、体がつぶれることはなかった
吸血鬼の体はすごい
間違いなく爆散すると思ったのに
グルッペンが走り寄ってくる
もう、耳も聞こえない
グルッペン
テラ
テラ
私を支えて
顔に雫が落ちてくる
グルッペンは泣いていた
テラ
テラ
テラ
テラ
グルッペン
テラ
グルッペン
約束は守れただろうか
増援は来ただろうか
戦争には、勝てるだろうか
最後にその言葉を残して私は意識を手放した
最後に
薄れ行く意識のなかで思ったことは
また、皆といたい
遊びたい
思い出したことも、
みんなの顔だった
また、皆といたい
それだけを思って
私の命は
神の手から零れ落ちたのだった
猫又
猫又
luna
luna
猫又
猫又
猫又
luna
バイルナ❗️