テラーノベル
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夕暮れが過ぎ、刀鍛冶の里の宿には温かい夕食の香りが広がっていた。
炭治郎
炭治郎がうれしそうに目を輝かせる。隣では甘露寺が笑顔で手を合わせた。
甘露寺
りんねは、二人の楽しそうな様子を見つめながら、ご飯を一口食べた
でも、それきり箸は進まない。
りんね
そう言って、自分の茶碗に残ったご飯と、まだ手をつけていないおかずをそっと差し出した。
炭治郎
炭治郎
炭治郎が驚くと、りんねは少しだけ微笑んで、視線を窓の外へと向けた。
りんね
心配そうな様子で甘露寺がりんねを見つめる
甘露寺
りんね
そう言って席を立ったりんねは、静かに宿を出た。
外はもうすっかり暗く、森の奥からは虫の声が聞こえてくる。
でも、りんねの耳がとらえたのは、それとは別のもの――微かに漂う血のにおい、ざわつく空気の波。鬼の気配だった。
りんね
音を立てずに森の奥へと足を踏み入れる。五感を研ぎ澄まし、気配をたどるが――
やがて、気配はするりと消えた。気配を残して、まるで霧のように。
りんね
りんねは木の根元に立ち止まり、静かにため息をつく。
そのとき、背後から声がした。
無一郎
ふと振り返ると、月明かりの中に時透無一郎が立っていた。
その目は、静かな湖のように澄んでいて、けれどどこか、探るような色をしている。
無一郎
りんね
無一郎
りんね
無一郎はしばらく黙ったまま、りんねを見つめていた。
無一郎
りんね
りんねは苦笑して、視線を逸らした。
無一郎
そうつぶやいた無一郎に、りんねの目がわずかに揺れる
無一郎の言葉に、りんねが少し口を開こうとした、その時だった。
鋭い声と共に、夜空を切り裂くように一羽のカラスが降り立った。艶のある漆黒の羽。
目つきは鋭く、口は達者。無一郎の鎹鴉──銀子だった。
無一郎
りんね
無一郎はちらりと銀子を見ただけで、それ以上何も言わない。
銀子はくるりとりんねに向き直り、その鋭い目をじっと見据えた。
ぴょこんと肩に止まり、翼を小さく畳む銀子は、なおも鋭く言葉を続ける。
言葉のひとつひとつが、やたらと刺さる。
りんね
りんねは思わず小さく苦笑した
りんね
りんねがそう口にした瞬間、無一郎はわずかに目を見開いた。
無一郎
りんね
驚いたようにりんねを見つめる無一郎に、銀子が鋭くツッコミを入れる。
りんね
りんねが少しだけ困ったように笑うと、銀子はぷいっとそっぽを向いて、ばさばさと羽を揺らした。
無一郎
りんね
りんね
無一郎は少しだけ間を置いて、また口を開いた
無一郎
りんねはその言葉に一瞬まばたきをして、けれどすぐに首を横に振る。
りんね
無一郎
無一郎はそれ以上何も言わず、視線を空へと向けた。その肩に、再び銀子が止まる。
りんね
無一郎はりんねと銀子の会話に思わず、ほんの一瞬微笑む
りんね
銀子も言葉を失う
無一郎は、もう一度りんねに視線を戻した。
無一郎
りんね
ふたりの間に、風が吹き抜けた。静かで、でもどこか確かなものを残して――。
𝙉𝙚𝙭𝙩 .❤︎ 1500
コメント
13件
最高でした~!!!続き楽しみです!!🫶💕
最初から最後まで一気読みしました〜〜!最高です!