カーテンの隙間から溢れる木漏れ日で目がさめた。
ゆうと
爽やかな朝の空気に反して気分が悪い。 頭はボーッとし、こめかみ辺りが鈍く痛む。
ゆうと
鈍い痛みを我慢しながら、回りを見渡す。 ワンルームの狭い部屋にベッドが一つに小さいテーブル。 そこらには食べかけの弁当やら、ペットボトルが散乱し、とてもじゃないが衛生的ではない部屋…。
ゆうと
深いため息をつく。ここは間違いなく俺の家だ。
回らない頭を無理矢理動かし、考える。
ゆうと
昨日は久しぶりに学生時代の友人達との飲み会だった。 その後、終電で最寄りの駅まで帰ったことまでは思い出せた。
ゆうと
ゆうと
頭が働き始め、肌寒さを感じた
ゆうと
ゆうと
飲み過ぎた。完全に二日酔いだった。 しかし、まあ飲まずにはいられない。
学生時代の友人達との飲み会は、初めからあまり乗り気ではなかった。
大学卒業から10年も立てば、人生の勝ち負けの差がはっきり現れる。 結婚し子供が出来た者もいれば、出世し高給取りになってるものも…。
その点……
ゆうと
ゆうと
起こした体をもう一度布団に預ける。 金が無いため、枕代わりに段ボールの小箱を頭に敷いている。 その段ボールが普段より反発力が強く感じるのは気のせいか。 まるで今日のおれの気分のように重く硬い。
ゆうと
ゆうと
ゆうと
いつも着ているコートがない。 昨日の飲み会で忘れてきた…?
ゆうと
ゆうと
人生くそだ。 何か面白いことは起きないものか
それ に出会ったのはそう思った一週間後の日だった。
ゆうと
ゆうと
ゆうと
思い出キャンディ 発売中
ゆうと
帰り道の歩道橋の下で、妙な看板を立て老婆が座っていた。
老婆
ゆうと
老婆
ゆうと
老婆
老婆
ゆうと
老婆
老婆
老婆
ゆうと
馬鹿げている。 そう思ったのにも関わらず、キャンディを買ったのは退屈だったからだろう…。
思い出キャンディ: 人気アイドル味
ゆうと
アイドルファン
アイドルファン
女性ファン
女性ファン
………ピクッ!!
ゆうと
鮮明な臨場感。 触覚、嗅覚、聴覚。 それはまるで本物だった。
ゆうと
ゆうと
ゆうと
そこから俺はこのキャンディに、はまりまくった。
思い出キャンディ: 富豪味
執事
ゆうと
コック
……ピクッ!
思い出キャンディ: 宇宙飛行士味
ゆうと
宇宙飛行士船員
宇宙飛行士船員
……ピクッ!
俺は完全に、思い出キャンディの虜になっていた。 このキャンディは俺に、未知で刺激的な体験をもたらしてくれる。
…そして、遂に。 あの思い出を食べることになる。
ゆうと
ゆうと
ゆうと
老婆
老婆
ゆうと
老婆
老婆
ゆうと
老婆
家に帰り、早速キャンディを食べることにした。
ゆうと
思い出キャンディ: 殺人味
ゆうと
女性
女性
ドン!
女性
女性
?
?
?
?
…
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
…
?
?
?
老婆
?
?
老婆
?
……
老婆
……ピクッ!
ゆうと
ゆうと
ゆうと
…俺??
ゆうと
ゆうと
ゆうと
パニックになる頭を落ち着かせ、記憶をたどり整理する。
始まりの朝… 記憶のない朝だった。あれは二日酔いのせいではなく…
ゆうと
…それに、 無くしたと思ったコート。 そしてあの日、やけに反発すると思った枕代わりの段ボールの小箱。
ゆうと
震える手で、段ボールを開けてみる
ゆうと
そこには血のべったりついたコートが入っていた。
ゆうと
ゆうと
ゆうと
ゆうと
老婆の姿はない。 まるで初めから存在してないみたいに
ゆうと
ゆうと
ゆうと
コメント
27件
あの、全然ダメだったら良いんですけど、私もテラーでストーリーを作って出すのが好きなんですが 今度是非一緒にお話を出させてはいただけないでしょうか? 2人です作品を作ると言う感じになるのですが... 少しかんがえてみてはいただけないでしょうかm(*_ _)m
こ、怖っ…!!! 罪からは逃れられないってことですね…。
ス..ス...(゚Д゚(゚Д゚ノ(゚Д゚ノ)ノスゲー!!!