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僕ら、いや、僕達は 気づいた時から二人だったんだ。
雨は止む気配もなく、冷たい雫が肌を打ち続けていた。
濡れた服が体温を奪い、歩くたびに靴の中で水が鳴る。
背後を振り返る勇気はなかった。
振り返れば、きっと"あいつら"を思い出してしまうから。
〇〇〇
コヒキ
〇〇〇
〇〇〇
コヒキ
コヒキ
言葉にした瞬間胸の奥がざわついた。
暗闇の中で聞いたあの足音。 追いかけてくる気配。
思い出したくもない。
疲れて息が上がる中、僕達は休む間もなく歩き続けた。
やがて、雨音が少しずつ遠のいていく。
〇〇〇
陽が落ちかけ、空が灰色から黒へと沈み始める森の中。
視線の先に、ぼんやりと人影が見えた。
コヒキ
影は立っているだけなのに、輪郭が揺れているように見えた。 まるで雨の中に溶けているみたいに。
あれは本当に人間なのか。
危険な存在だったらどうしよう。
けれど、、助けてくれるかもしれない。
様々な考えが頭を巡る中、その影はふっと薄れていった。
〇〇〇
コヒキ
〇〇〇
〇〇〇
〇〇〇
コヒキ
影の消えた方へ足を向ける。
僕達を助けてほしい。そんな期待を、どこかで抱いていた。
〇〇〇
コヒキ
セイカ
鼓動が急に早くなる。
落ち着かなければならないのに、体は言うことを聞かなかった。
コヒキ
振り向く勇気が出ず、背中を向けたまま声をかける。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
優しくかけられた声だった。
それなのに、なぜか背筋が冷える。
ゆっくりと振り返る。
そこに立っていたのは
明らかに人間ではなかった。
最初に目に入ったのは、顔の横と頭の上に生えた耳だった。
獣のものに似ているのに、どこか形が整いすぎていて、生き物らしい温度を感じない。
雨に濡れた毛先からは水滴が静かに落ちている。 それなのに、不思議とそこに立つ姿だけが 周囲の景色から少し浮いて見えた。
口元には柔らかな笑みが浮かんでいた。 優しそうなのに、なぜか安心できない。 作られた表情のようで、胸の奥が静かにざわつく。
そして気づく。 雨の中に立っているはずなのに、足元からは 水を踏む音が一切しない
驚きで声が出ない中、セイカが口を開いた。
セイカ
セイカ
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
セイカ
怪しい誘いだということは分かっていた。
それでも、僕達にはお互い以外に頼れる場所も、相手もいない。
コヒキは一度、セイカの方を見る。
雨に濡れた顔は疲れきっていて、それでも強がっていた。
コヒキ
そして続ける
コヒキ
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
コヒキ
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
その瞬間。 ほんの一瞬だけ、誘う者の瞳が寂しそうに揺れた気がした。
コヒキ
セイカ
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
コヒキ
コヒキ
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
セイカ
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
突然笑い出したその姿に、僕達は戸惑う。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
家へ向かい歩き出す。 その背中を追いながら、なぜか少しだけ 安心してしまった自分がいた。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
トウライ
僕達は顔を見合せ、小さく頷いた。