〇〇side
社会人になってから初めてこんなに長い休みをもらった。
今までの休日などは、勇太と一緒に過ごしたり、勇太の帰りを待っていた私… それが当たり前じゃなくなって、どう過ごせばいいのかなんて全く分からなかった。
ただ、ボーッとしている時間だけが過ぎていく。
部屋には、勇太との思い出がたくさん詰まっていて....... それだけは、なかなか捨てることが出来なかった。
少し気を紛らわせようと、商店街に出かける。
〇〇
この商店街に最近来てなかったせいか、あまりの人の多さに驚いていた。
〇〇
いつもお世話になっていたお店の店主に声をかけた。
店主
〇〇
おばさんと話していたら気も紛れるだろうと思ったんだけど…
店主
店主
逆に思い出してしまう始末に.......
〇〇
そう答えることしか出来なかった.......
"別れたんです"
なんて言えるはずもなく.......
思い出したくない思い出が次々と蘇ってくる。
勇太の仕事柄で、2人でなかなか出かけられなかった私たちにとってこの商店街がいつものデートスポットだった。
〇〇
もうそれが叶わないなんて______
これ以上ここで話をしていたら目から涙が出てきそうだった私は、
一歩一歩
勇太との思い出を封印するように歩み始めた。
〇〇
やっぱり家出るべきじゃなかったかな......
外に出たってどこにいたって、
私の目には勇太との日々が焼き付けられていて、
気を張っていないと、すぐに涙が溢れ出てしまいそうだった。
そんな日々をもう一度…なんて願っている自分も嫌いで.......
〇〇
私は家に帰ろうとした.......
"神宮寺勇太くんだぁ"
勇太.......
勇太の名前.......
ほんと勇太人気だな.......
なんてったって、King&Princeの一員だもんね.......
あれ?でも、この商店街に勇太のポスターなんて貼ってあったっけな?
え..............
今の声..............
勇太?
それなりに、遠く離れたところから聞こえてきた女性の声の方へと振り返った。
〇〇
すごい人だかり..............
もしかして…本当に?
〇〇
サングラスにマスクまでしていても、私には勇太だということがわかった。
1人の女の子にバレたが最後、あっという間に囲まれてしまった。
〇〇
見なかったことにして去ることも.......できる。でも.......
私は勇太を助けたいと思ってしまった.......
ただ、どんな表情して顔を合わせたらいいのかが分からなくって.......
私はもう、勇太の彼女でもなんでもないのに.......
ただの迷惑だよね…
そんなことが頭によぎった。
でも、勇太.......
私今だけ勘違いしてもいいかな?
私と付き合うまで
縁もゆかりも無かっただろうこの商店街に今、勇太がいるのって.......
私に会いに来てくれたからだって.......
勘違いしちゃってもいいのかな?
続く
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