当作品には
暴力・流血・切断等
グロテスクな表現が多く含まれますので、
自己責任でお読みください。
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こんな都市伝説がある。
『何でも相談所』
長年放置されているネット掲示板に、
殺して欲しい人の名前を書き込むと
三ヶ月以内に死ぬ、
というもの。
その殺され方は
あまりにも酷く、
その詳細はけして
テレビなどでは
伝えられることは無い。
生半可な気持ちで
書き込んではいけない。
冗談半分で書き込んではいけない。
取り返しのつかないことになるから…。
しかし、
恨む相手の
凄惨な死を望むのであれば
覚悟して書き込むこと。
かの人は
喜んで
殺してくれることだろう。
ただし、
その掲示板を見つけることができれば、
の話ではあるが───。
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調べていたわけでも
探していたわけではない。
否、
心のどこかで
見つけられたらいいなぁ、
ぐらいは思っていたかもしれない。
佐藤 愛花
スマホの画面に映し出されているのは
『何でも相談所』
の文字。
そして、
古風なデザインのネット掲示板だった。
佐藤 愛花
だが、
部屋には誰もいないので
聞いたところで誰も答えてはくれない。
下に少しスクロールしてみると、
そのネット掲示板には
名前と生年月日、
それから伏せ字は入れてあるが
学校名や会社の名前も書き込まれていた。
佐藤 愛花
ふと、指が止まる。
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
その時はそう思うだけで、
何も書き込まずに掲示板を閉じた。
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それから、一週間後。
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
佐藤 愛花
朝のニュースを見て、
顔が強張る。
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
彼女は素早くスマホを手に取り、
履歴から掲示板を開く。
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
彼女は
緊張した面持ちで
そこに
父親の名前を
書き込んだ。
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『何でも相談所』
20200703071546
投稿者:名無しさん
佐藤紀明(さとう のりあき) ”株式会社エルヴァ〇ス”
1981/08/01
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佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
そこは
カビ臭い空気漂う
家の中だったが、
見覚えは無かった。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
記憶は紗がかかったように曖昧だった。
佐藤 紀明
立ち上がろうとして
自分の手足が
椅子に固定されていることに気付く。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
いくら身を捩っても
きつく結んでいる紐が
ほどけることはなかった。
───ギィ…
軋む音を立てて目の前の扉が開いた。
現れたのは
肌が異様に白いという点を除けば
至って普通の青年。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
青年はおっとりとした口調で言う。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
そこで男性は
青年が持っているモノに気がつく。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
青年は男性の背後にまわり
ナイフを振り下ろした。
───ズパッ!
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
青年はやんわりと笑みを浮かべて
そっと手に持っているモノを見せてきた。
それは
紛れもなく
男性の
指だった。
親指以外の
四本の指が
第二関節から綺麗に切り落とされていた。
佐藤 紀明
青年は指を投げ捨て、
佐藤 紀明
再びナイフを振り下ろした。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
青年は首を傾げる。
佐藤 紀明
───ざりっ
佐藤 紀明
耳元で聞いたことが無い音がした。
遅れて右耳に焼けるような痛みが走り、
そこで
耳を削ぎ落されたのだと気付いた。
佐藤 紀明
青年はため息混じり呟き、
持っていた右耳を床に投げ捨てる。
佐藤 紀明
───ざりっ
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
そう言って
顔を上げた男性が見たのは、
青年の
真っ黒な瞳。
そこに渦巻くのは
得体の知れない狂気。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
青年はにこやかに答える。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
男性の右目に深々と
マイナスドライバーが突き刺さる。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
佐藤 紀明
青年は眼球に突き刺したマイナスドライバーを
円を描くようにグリグリと動かす。
佐藤 紀明
ぐじゅぐじゅ
と気味の悪い音が
脳内に響く。
佐藤 紀明
佐藤 紀明
ぐぶっ
とマイナスドライバーが眼窩を貫き
根本まで突き刺さると
佐藤は2回大きく痙攣を起こして
動かなくなった。
青年はどこまでも軽やかに
爽やかに呟き、
踵を返した。
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父親である
佐藤紀明(さとう のりあき)が亡くなった。
それも、
殺されたようだ。
警察からそう報告を受けた母娘は
おそろしく無反応だった。
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佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
佐藤 愛花
その日、
母娘は初めて二人きりで
楽しい夕食の時間を過ごしたのだった。
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