私はぶりっ子

どんどん顔を青ざめていく悪美

そう、私がばら撒いたのは悪美が今までいじめてきた子達などの写真だ

どうつもこいつもおかしな顔をしている

もっと、

もっと！！

苦しめよ

こいつらの顔がとてもとても滑稽で笑いが止まらない

苦しめて？

違うだろ

お前のせいで春は

自殺までしたんだよ

なのになんでお前が被害者ズラをする？

全部全部お前のせいだよ

うるさいうるさい

は？何言ってんだよ

お前らのせいで...

ずっとずっと

春が大好きだった

絶望に満ち溢れた顔になった佐野達

そう鋭く睨みポケットに入れて置いたナイフを取り出した

ドサッ

悪美をグイッと引っ張り押し倒した

私は悪美に馬乗りになりナイフの刃を悪美にむける

今更泣き叫んで許しを乞う悪美

お前はこの世にいちゃダメ

お前がいるから春が不幸になる

ｽｯ

私はナイフを一直線に振りかざした

その瞬間

懐かしく昔と変わらない優しい声が響いた

ｶｼｬﾝ

私の手からナイフが滑り落ちた

そして私の目線には

少し痩せた大好きな春がいた

すると春は優しく微笑んでそう私に言った

もういい？

なんで

私はフラフラと立ち上がり春に駆け寄る

ﾋﾟｸｯ

春は私の目をしっかりと見てこう言った

そう、優しい瞳で言った

ちがう

春は春は...

弱くなんかないよ...

そうあの頃のような美しい笑顔で微笑む春

春は少しグッと眉を寄せ

そういった

そっか、

私、本当に馬鹿だよ

私はただ春が幸せになるなら何でもしようと思ってた

でも、春の気持ちを確かめようともしなかった

春はこんなこと望んでなかったんだ

やっと、気づいた

あーもう、優しいのは、春だよ。

春に近づき抱きつこうとした瞬間

私が落としたナイフを持ってこっちに走ってくる悪美

ほんとに懲りない女だな

それに多分これはもう避けきれない

でも

最後に春に会えたから

もういいかな

そう思い目を瞑った

ｸﾞｻｯ

ナイフを刺した音がした

だけど...あれ、なんでだろうな

痛みが...しないんだ、よ

私はまさかと思い目を開ける

私の目の前には

口から血を流して、世界で1番綺麗な笑顔で微笑む春がいた

その瞬間、昔の事がフラッシュバックした

ｷﾞｭｯ

“春が守ってあげる！”

なんで...？

春、

やだよ

やだよ、

嘘だって...言ってよ、