私はぶりっ子

私は春の元へと走り寄った

春の口から大量の血が出ている

なんで、なんで？

なんで春なの？！

なんで？

もういい、いいよ血が...止まらないよ、

やだ、やだよ

春、

私...春がいないと生きていけないよ、

返事が帰って来ない

やだよ

行かないでよ春

そう言って三ツ谷が春に触れようとした

嫌だ、春に触らないで

ﾊﾟﾝｯ

頬にじわりと痛みが走る

ダメ、死んじゃいやだ

すると三ツ谷が春の口元に耳を近づける

春、春...

何を根拠にそんな事を言ってるのか分からないが今はその言葉だけでも救われた

すると花垣がそう叫んだ

そう救急隊員が春を救急車に乗せて言った

少し落ち着いたので手を挙げた

私は救急車の方へ駆け寄った

その途中で悪美が

と、言った

本当にこの女は...

だって

そう言うと悪美は顔を真っ青にして、黙り込んだ

そう言い残し救急車へと乗り込んだ

病院へと着くとすぐに手術室へと運ばれて行った春

私は椅子に座り春の無事を願った

すると佐野達も急いで来たのか息を切らしてこちらに寄ってきた

もうぶりっ子をする必要もないので冷たく言い返す

と、それぞれ謝罪する佐野達

はは、なんだよ

今更なんだよ

最後まで騙されてたくせに

どうして

お願いだから

私から春を取らないで...

ごめんなさい

謝る相手は私じゃない

ガラッ

すると手術室から医師が出てきた

あぁ...良かった

良かった、

私はお礼をし、深々と頭を下げた

そう言い、佐野達も頭を下げた

医師が去っていったあと

そう言い残し佐野達も去っていった

春