テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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銃口の先のエンディング

第133話 - 勝て

380

2025年02月16日

#一次創作

#ファンタジー

#冒険

#殺し屋

#人間関係

#日常

四阿朧

アッシャー

…そうか、そんなにも醜く野蛮な人間だったのか。残念だが、なら……

アッシャーは鋭い視線でアメリアを捉え───、

アッシャー

お前にはまだ躾が必要だな。

一際低く、そう呟いた。

そして初めて剣を抜く。

アッシャーはその場一面を見回して、フッと笑った

アッシャー

いるじゃないか

アッシャー

…今この段階で、他に、既に美しい人間が。

クロエ

！

瞬間、アッシャーの視線の向きに、クロエが目を見開いた

アッシャー

今私は、イライラしている

アッシャーは一瞬目を細め、そして踏み出す

それを見てクロエは発砲し、同時に空気を押し出した

アッシャー

…ふむ、サンラシファー王国の魔法研究の成果は───

アッシャー

この程度か。

アッシャーは剣を一振りした。

その瞬間、クロエが生み出した風を殺すどころか、それと同等かそれ以上の──風が巻き起こる

アメリア

っ…！

アメリアも一歩後退った

そして場は動き出す。再びライアンやステイシーも動き出し、向こうの士気が上がるのが分かった。

それを感じたアッシャーは、満足げに…しかし鋭く言う

アッシャー

イラついてると言っただろう？邪魔をするな

アッシャー

お前らの息の根を止めることなど容易いのだから。

クロエ

っオーロラ！

オーロラ

…

オーロラは冷たく、アッシャーを見ていた

アッシャーは緩く微笑み、オーロラに言う

アッシャー

そなたは美しい。私の下に来ないか？

オーロラ

フン。貴方のしたことは忘れないわ

アッシャー

ほう？

オーロラ

私の家族を殺したのは貴方よ。まだ幼かった姉妹も…！

アッシャー

…

アッシャー

悪いが記憶にない！その程度の価値だったのだろう？

オーロラ

…ッ

オーロラは分かりやすく顔をしかめる

アッシャーは微笑み、オーロラの側に現れる

アッシャー

私は…綺麗な女性の苦しむ姿も好きだ

アッシャー

だからこそ…マドンナの死の瞬間が見られなかったことは本当に悔しかったよ

アッシャー

マドンナを正妻にし、綺麗な女らに囲まれて送る生活は…さぞ愉しかったろうな…。

そしてアッシャーは剣を振るった

アッシャー

私はただ自由に生きたくてそう振る舞うだけなのだよ、それなのに───

と、彼は視線を落とし、ため息を吐く

アッシャー

邪魔ばかりだ。つまらない

アッシャー

特にお前らサンラシファーにはどれだけ気分を害されたか…想像に容易いだろう？

アッシャー

やっと今、自由に処せる時が来たのだ。

クロエ

っ、…、…っ

クロエは決死の覚悟でアッシャーの剣を止めようとしていた

しかしアッシャーの方が上手。阻みを制し、クロエは吹き飛ばされる

オーロラ

クロエ！！！！！

ドォン！！！！

大きな破壊音がした。

同時にクロエは大量の血を吐き、倒れ込む

アメリア

（マジかよ…！）

アメリアは冷や汗をかき、クロエの方を唖然として見ていた。

クロエ

っうぐ…っ

クロエは虚な瞳で、また手を掲げる

そしてその場から風を起こし、アッシャーに向けて飛ばす

アッシャー

フン、しょうもない反撃だ───

アッシャーは嘲笑し、剣を構える

瞬間、銃の発砲音が響き、アッシャーは動く

避けた先に風は送られる。そして更に───

アメリア

っ！

クロエが発砲したのを見て、咄嗟にアメリアは引き金を引く。

クロエ

そこだよ、アメリア…っ

アメリア

あぁ…っ

アメリア

（クロエの狙った場所、を避けたアッシャー、を更に狙った攻撃…）

アメリア

（それを成すためには、クロエの撃った場所と私の撃った場所とが、同時に狙われなければならなかった）

アメリア

（…でも、それだけじゃ…！）

アメリアは強く地を蹴り、駆け出す

そしてアッシャーに銃口を向け、近づいていく

パァン！！

スレスレまで近づき、剣を跳び避けて発砲した。

しかしそれは無慈悲にも、再び振られたアッシャーの剣に阻まれる

アメリア

…っ

しかし顔を歪ませたアメリアが見た光景は、思っていたものとは違った

アッシャーは次の瞬間、ガクリと揺れ、肩を抑える

アッシャー

…っほぅ…おもしろい…っく、気配も、消せるのか

その後ろに見えるのは──当然、その男だ

クロエ

…っぐはッ！！

男はボロボロになりながらもアメリアにほとんど遅れずここまで来、同タイミングで弾を放っていたのだ。

しかしアッシャーは撃たれるときにはその存在に気がついていたのか弾を急所に喰らいはせず

更に、剣を振るう手は既にそちらに向いていた。

───つまり、クロエは避ける隙もなく、一撃を受け…。

アメリア

（アッシャーが撃たれた直後で重心が安定していなかったのが唯一の救いだったか…！）

アメリア

（しかしコイツはもう戦える体にない！）

アメリア

っオーロラ！！！！

オーロラ

！

アメリア

バリアは作れるな！？止血しろ！このままじゃ…死ぬ！

オーロラ

…っええ、ごめんなさい、クロエを優先するわ

アッシャー

チッ、しょうもないことをさせるものだ…

アッシャー

まあいい、先にアメリア、お前だ

オーロラはクロエに駆け寄る

クロエ

っアメリア！

アメリア

あ！？

クロエ

………っ、わる、い…

クロエ

勝て！！！！

アメリア

…っ！

アメリア

…っ───必ず！！！！

アメリアは銃を構え、アッシャーに向き直る

アメリア

（だが正直…あの速い剣に対して銃では防御力に欠ける…！）

アメリア

（1対1では、分がない！）

アメリアはチラリと仲間たちの方へ目をやった

彼らも皆、ライアンやステイシーや兵たちと戦っている

アメリア

（こちらに来させる余裕もない、なら───）

アメリア

（悪いがお前ら、信じるぞ！）

そしてアメリアは駆け出した。

銃口の先のエンディング

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クロエ様……っ！！まさかクロエ様がアッシャー王にやられてしまうなんて……しかも、オーロラさんにまで手を出そうとするなんて……どこまでも下劣な人だ……😖💦 正直、アメリアさん達が勝てる未来が見えない……皆苦戦しててアメリアさんの手助けが出来そうな状況じゃないし……。けど、アメリアさん達なら絶対勝てると信じてる……！！！頑張って、アメリアさん、皆っ！！！

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