10分後
お化けに驚かされつつ(竜一郎はノーリアクション)、ふたりは次の通路へ進んだ
竜一郎
(ハートマークが見つかんない……)
竜一郎
(簡単に見つかんないのは)
竜一郎
(最初から、わかってたけどさ…………)
ぽんぽん
竜一郎
……!
佳澄は手を竜一郎の頭の上に乗せていた
竜一郎
佳澄ちゃん……?
佳澄
……あ、いや、その…………
佳澄
佳澄
(泣きそうな顔をしてたから、つい──)
思わずそっぽを向く
佳澄
……ん?
向いた先に
佳澄
あ──
小さな赤いハートマークがあった
佳澄
……竜一郎
竜一郎
なに?
佳澄
ハートマークって、これのことか?
竜一郎
竜一郎
……す
佳澄
?
竜一郎
すっげ〜♪
竜一郎
佳澄ちゃんが見つけたの?
目が輝いていた
佳澄
……偶然な
佳澄
(さっきまで、泣きそうだった顔がウソみたいだ……)
ぎゅっ
佳澄
りゅ、竜一郎……?
竜一郎
オレ、ちょー嬉しいの
佳澄
……
竜一郎
これでオレと佳澄ちゃんは
竜一郎
恋人同士に確定だね♡
佳澄
……恋人同士?
佳澄
(そういえば、ハートマークを見つけたら)
佳澄
(恋人同士になれるって、言ってたな……)
佳澄
佳澄
ちょっと待て
佳澄
あくまで、それは噂だろ?
竜一郎
テレなくだっていいのに〜♪
佳澄
テレてない!
竜一郎
早く出口へ行こ♪
佳澄
あ、おい……!
竜一郎
〜〜♪ 〜〜♪
佳澄
機嫌いいな、お前──
どん
佳澄
……?!
佳澄は男とぶつかった
男
チッ
男
ちんたら歩いてるんじゃねーよ!
男は悪態をつくと、そのまま行ってしまった
竜一郎
(ぶつかってきたのは、あの男の方なのに……!)
鋭い目つきで睨む
竜一郎
佳澄ちゃん、大丈夫?
竜一郎
ケガしてない?
佳澄
──ぶつかったくらいで、ケガするわけないだろう
竜一郎
よかった〜
佳澄
オーバーだな
竜一郎
竜一郎
佳澄ちゃん
竜一郎
なんか飲み物を買ってくるからさ
竜一郎
あそこの木陰のベンチで座って待ってて♪
佳澄
──ああ、わかった
竜一郎
すぐ戻るから☆
30分後
竜一郎
ただいま〜♪
竜一郎
はい、桃ジュースだよ♪
佳澄
ん、ありがと
一口飲むと、桃の味が口の中で広がった
佳澄
遅かったな。混んでたのか?
竜一郎
ちょっとね
にこ









