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愛の奴隷 -息子を殺した翌朝に…-

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愛の奴隷 -息子を殺した翌朝に…-

1 - 愛の奴隷 -息子を殺した翌朝に…- 第1話

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2021年04月17日

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私は息子を殺しました

ギッ…ガキッ…

百合美

っく…はぁっ…

ガシャーン!!

百合美

はぁっ…はぁっ…

百合美

これで全部ね…

全身真っ赤な返り血を浴びて

周りを見渡す百合美

百合美の周りには

バラバラになった遺体が散らばっている

百合美

こうなってしまうと

百合美

なんだかあっけないのね…

百合美

あんなに大きくて怖い存在だったのに…

切られた腕を持ち上げ

黒いゴミ袋へと詰めていく

バレないよう、タオルや衣類なども一緒に詰めた

百合美

足もこんなに大きくなって…

百合美

初めて買ったファーストシューズ…

百合美

手のひらにちょこんと乗ってたのに

百合美

面影もないくらい、大きくなったのね

再び黒い袋の中へ入れ

中が見えないようほかのもので覆い

しっかりと封を閉じた

百合美

体を解体するのは、かなりの重労働だったわ

百合美

電動のこぎりじゃないと

百合美

とてもじゃないけど切れなかった

百合美

昔は軽々と抱っこできるくらい

百合美

小さかったのにね

ぼたぼたと滴り落ちる血

シャワーをかけながら

全身に力を入れて血を搾り取った

百合美

これで少しは軽くなった?

もはや、それが自分の息子だったなんて

誰も想像ができない

百合美

ふぅ…体はこれで全部ね

百合美

あとは…

振り返ると、自分を見つめるふたつの目

大きく見開いた目は、ぎょろっとこっちを睨んでいる

百合美

そんな顔で見ないで

百合美

昔みたいに甘えた顔で見てよ

百合美はそっと首を持ち上げると

自分の胸にそっと抱いた

百合美

リク…

百合美

私の大事な息子…

百合美

大丈夫よ

百合美

お顔だけは捨てたりなんかしないから

百合美は微笑むと

顔を大きな瓶の中へ入れた

百合美

イイコになったリクは、私と永遠に一緒

百合美

どこにも行かない

百合美

私とずっと一緒にこの家で暮らそうね

とぽとぽと瓶の中に入れられていく液体

リクの顔はホルマリンに漬けられた

百合美

ふふ…可愛い

百合美

こんなふうにお顔をじっと見るなんて

百合美

ここ数年ずっとしていなかったもんね

百合美

髭も生えるようになって

百合美

すっかり男の人になってたのね

百合美

小さい頃は、大きなくりくりお目目で

百合美

肌も透き通るくらいプルプルだったのに…

百合美

息子の成長を

百合美

やっと感じることができたわ

愛おしそうに、瓶を抱きしめる百合美

頭の中では、小さい頃の息子が

百合美にぎゅっと抱きついていた

百合美

いらない部分はお母さんが処分するからね

百合美

私に手を上げる腕も

百合美

悪いことをしたら逃げる足も

百合美

吸ってはいけない煙草を含んだ体も

百合美

あなたにとって全部有害よ

百合美

こんなものは、全部ゴミ捨て場行き

百合美は一心不乱になって

お風呂場を綺麗に片付けていく

その目はどこか幸福に満ちていた

百合美

ふぅ。これで全部終わった

百合美

リク、すっきりしたわね

ホルマリン漬けになったリクの頭部に向かって

百合美は当たり前のように話した

百合美

本当はずっと椅子に座らせておきたいけど

百合美

さすがにそれはマズイから…

百合美

狭いけど、我慢してね

しゃがみこんで

キッチンの下の棚を開ける百合美は

スペースをあけると

頭部の入った瓶を奥へしまった

百合美

大丈夫よ、リク

百合美

お母さんはずっとそばにいるから

百合美

だからゆっくりおやすみ

パタン…

百合美

んー!いい朝ね!

百合美

すっきりしていい感じだわ

百合美

(これからは自分のことだけを考えて生きられる)

百合美

(高木さんとのこれからも…)

ガタン

百合美

え?

百合美

(誰もいないはずの廊下から物音がした…)

百合美

(まさか泥棒…!?)

ガチャ…

百合美

…!!

百合美

嘘、でしょ…そんなはず…

リク

おはよう。母さん

殺したはずの息子が

朝の挨拶をしてきました

愛の奴隷 -息子を殺した翌朝に…-

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