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(あぁ…ぁぁぁ…あ…)

(聞き間違い…だよね…?)

声を漏らさないよう、口を手で覆いながら再度会話を盗み聞きする

主様は苦手な部位はあります?

そうだね…まあ基本的にはゲテモノもいけるから骨以外ならいける

えぇ!?臓物もいけるのですか!? 私はあれ、ちょっと食感が無理なのですが…

……

やはり聞き間違いなどではなかった

確実に「食べようとしている」という事実が頭にこびりついただけだった

(あゎ…わ…)

鳩は震えながらもできるだけ音を立てないよう、一旦自室へ向かった

(大変…このままでは私、死んでしまうわ)

(お父様にもお母様にも迷惑かけてしまう)

(私が働かないと、私がもっとお役に立たないといけないのに)

(またお仕置きされる…失望されちゃう…)

少しばかり冷たい隙間風が吹きつける

今にも凍えそうな手足を温める暇など無い

(部屋に入ったら鍵を閉めなきゃ!)

(そしたら誰も入って来れまい!)

くすんだ赤の自室のドアが視界に入る

(気を抜いちゃダメ、最後まで──)

どうしましたか?

ヒェッ

声をかけられ振り向くと、そこにはいつもの穏やかな笑顔で鳩を見る一期一振がいた

あっ、あっ…ぁ…

一期一振

どうしたのですか?えらく顔色が悪いですけど…

はゎゎ…

一期一振

一旦落ち着いてください、私は貴方の味方ですから

み…かた、…

…、

鳩はパニックになりながらも先程のことを全て伝えた

そ、れで…私…一旦自室にもd戻って鍵を閉めて一晩す、過ごそうかと…

一期一振

…なるほど

満月のように光り輝く眼が、鳩には獲物を見つけた野生動物のような眼に見えたようで、まだ手足の震えがおさまらない

そんな鳩の心情に気付いたのか、一期一振は中腰になり、鳩に目線を合わせて話した

一期一振

ならば、急いで外へ出ましょう!

一期一振

すぐに街までお送りします

予想外の展開だったせいか、鳩は口をポカンと開けたまま震えている

一期一振

急がねば夜が明けてしまいますので!

一期一振

さあ行きますよ、手は離さないでくださいね

えっ、あっ!?

一期一振は鳩の手を引き、エントランスへと急いだ

一期一振

足元気をつけ…

一期一振

あっ、失礼しますね

鳩を抱え華麗な足取りで階段を駆けおりた

一期一振

下ろしますね

一期一振

ここからはまた手を離さないでください

わ、分かりました!

宵闇の中、2つの靴音が開けた土地に響く

道端に少しだけある街灯が足元を照らしている

一期一振

この辺は大丈夫ですが、ここから先は小石が多いので足元は十分にお気をつけください

一期一振

ここで足を挫いたり捻ったり、転んだりして動けなくなってしまうといけないので!

は、はい!

僅かに明るい地面を見つつ、前も気にしながら走った

髪や服の乱れなどはもう気にも留めなかった

しばらく2人が走っていると、フェンスの向こう側に人影が見えた

一期さん、人影が…!

一期一振

すぐに駆け抜ければ大丈夫です

一期一振

スピード上げますね

えっ、はい!

さらに強く手を引かれ、草と小石が散らばる地面の上を駆け抜けた

(足元気をつけなきゃ!)

足元に気をつけながら走っていると、館と外を隔てる門が見えてきた

(ああ、ここまで来たらあとは急いで駆け抜けるだけだよね)

(良かった…一期さんが味方で)

走りやすそうな革靴が地面を蹴る音を聞いているうちに、ようやく少し震えがおさまってきたようだ

ついに門の近くまで来ることができ、いよいよ人影の前を横切る時がきた

一期一振

急いで横切りますよ

はい

一期一振が足を踏み出した

その瞬間

jp.

あれ?もう送るのデスか?

!?

大きな鋏を持った日本がこちらに気付いた

日本の声で側にいた2人も鳩達に気付いたようで、こちらを見た

あぁあああ…ごめんなさい…お父様…お母様…

sov.

aust.

鳩さん、落ち着いてください
…というか、こんな時間に送るのは危険ではないのですか?一期一振さん

一期一振

あの、これには訳があって…

一期一振が3人に理由を話すと、3人は鳩を心配そうに見た

sov.

なるほど、そういうことでしたか

jp.

あ、そうだ、それならワタシ達も護衛しマス!

aust.

そうですね、そうしましょう

!?

一期一振

ありがとうございます、御三方とも

護衛が増え無事に門を抜けることができたお陰か、鳩は少しずついつもの顔を取り戻しつつあった

やっぱり寒いですね…

aust.

ですね…

秋の終わりの寒い空気の中、まともに防寒もせずに抜け出してきたせいか、手先や耳は既に赤くなっていた

そんな中悴んで動きづらい足を頑張って動かし、ひたすら街へと向かった

(館内、すっごい暖かかったんだな…)

鳩は楽しかった思い出に浸っていると、一期一振に声をかけられた

一期一振

あの、鳩さん

!?
は、はい

一期一振

……後ろから僅かですが足音がします

!?

耳を澄ますと、確かに護衛の3人でも一期一振のものでも鳩のものでもない足音が後ろからしている

同時に、後ろに気配を感じた

(ま、まさか─────)
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