鳩
鳩
声を漏らさないよう、口を手で覆いながら再度会話を盗み聞きする
主様は苦手な部位はあります?
そうだね…まあ基本的にはゲテモノもいけるから骨以外ならいける
えぇ!?臓物もいけるのですか!? 私はあれ、ちょっと食感が無理なのですが…
鳩
やはり聞き間違いなどではなかった
確実に「食べようとしている」という事実が頭にこびりついただけだった
鳩
鳩は震えながらもできるだけ音を立てないよう、一旦自室へ向かった
鳩
鳩
鳩
鳩
少しばかり冷たい隙間風が吹きつける
今にも凍えそうな手足を温める暇など無い
鳩
鳩
くすんだ赤の自室のドアが視界に入る
鳩
どうしましたか?
鳩
声をかけられ振り向くと、そこにはいつもの穏やかな笑顔で鳩を見る一期一振がいた
鳩
一期一振
鳩
一期一振
鳩
鳩
鳩はパニックになりながらも先程のことを全て伝えた
鳩
一期一振
満月のように光り輝く眼が、鳩には獲物を見つけた野生動物のような眼に見えたようで、まだ手足の震えがおさまらない
そんな鳩の心情に気付いたのか、一期一振は中腰になり、鳩に目線を合わせて話した
一期一振
一期一振
予想外の展開だったせいか、鳩は口をポカンと開けたまま震えている
一期一振
一期一振
鳩
一期一振は鳩の手を引き、エントランスへと急いだ
一期一振
一期一振
鳩を抱え華麗な足取りで階段を駆けおりた
一期一振
一期一振
鳩
宵闇の中、2つの靴音が開けた土地に響く
道端に少しだけある街灯が足元を照らしている
一期一振
一期一振
鳩
僅かに明るい地面を見つつ、前も気にしながら走った
髪や服の乱れなどはもう気にも留めなかった
しばらく2人が走っていると、フェンスの向こう側に人影が見えた
鳩
一期一振
一期一振
鳩
さらに強く手を引かれ、草と小石が散らばる地面の上を駆け抜けた
鳩
足元に気をつけながら走っていると、館と外を隔てる門が見えてきた
鳩
鳩
走りやすそうな革靴が地面を蹴る音を聞いているうちに、ようやく少し震えがおさまってきたようだ
ついに門の近くまで来ることができ、いよいよ人影の前を横切る時がきた
一期一振
鳩
一期一振が足を踏み出した
その瞬間
jp.
鳩
大きな鋏を持った日本がこちらに気付いた
日本の声で側にいた2人も鳩達に気付いたようで、こちらを見た
鳩
sov.
aust.
一期一振
一期一振が3人に理由を話すと、3人は鳩を心配そうに見た
sov.
jp.
aust.
鳩
一期一振
護衛が増え無事に門を抜けることができたお陰か、鳩は少しずついつもの顔を取り戻しつつあった
鳩
aust.
秋の終わりの寒い空気の中、まともに防寒もせずに抜け出してきたせいか、手先や耳は既に赤くなっていた
そんな中悴んで動きづらい足を頑張って動かし、ひたすら街へと向かった
鳩
鳩は楽しかった思い出に浸っていると、一期一振に声をかけられた
一期一振
鳩
一期一振
鳩
耳を澄ますと、確かに護衛の3人でも一期一振のものでも鳩のものでもない足音が後ろからしている
同時に、後ろに気配を感じた
鳩
コメント
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ここは私が食い止める!先に行け!(死亡フラグ)