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如月優子
如月優子
如月真優奈
如月真優奈
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
朝になるといつも私に文句をつける夫
私が言い返すと更に語気を強めてくるのに
娘の真優奈が言い返すと逃げるように会社へと出掛けていく
正直もうこの生活にはうんざりしているのだが
真優奈のために必死に耐えて生活している
こんな風に朝から喧嘩をしていても
夜になると行為を要求してくる
如月拓篤
如月拓篤
朝の酷い態度に対する謝罪はなく
あくまでも正しいのは自分であり
従わない私がおかしいと思っている
だから……
如月優子
そう言っても聞き入れてはもらえない
如月拓篤
如月拓篤
私の気持ちを無視して
自分の欲望をぶつけてくるこの行為は
日に日に私の心を疲弊させていった
如月優子
如月優子
生むのも育てるのも私
どうせ夫は手伝ってもくれない
金曜日
如月優子
如月優子
若い頃は煩わしくて嫌だった月経を今は心待ちにしてしまう
それ程、夫との行為を避けたいと思っていた
私だって最初から嫌だったわけではない
でも毎日のように繰り返される行為と
その際の強引で自分勝手な夫の振る舞いに
私の気持ちは次第に薄れていき
夫の計画を阻止しようと思うようになっていった
芳賀(婦人科医)
如月優子
私は婦人科で避妊薬を処方してもらっていた
元々は月経不順を改善させるのが目的だったのだが
夫の計画を阻止するため
定期的に処方してもらうことに決めた
子供を欲しがる夫は避妊具など使ってはくれない
自衛のための策として編み出した精一杯の方法
決意したのはもう何年も前のことだった
夫は私がこんなことをしているとは思いもしないだろう
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
夫の言葉に背筋が凍る
夫は私が避妊薬を常用していることを知らない
私は故意に子供を作らないようにしている
日々、繰り返される私の気持ちを無視した行為
もしそれで子供を授かったとしても
真優奈と同じように愛せるとはどうしても思えなかったからだ
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
夫の言葉に吐き気がした
私も夫ももう三十代半ば
世の中には私と同世代や上の世代でも子供を望む人は沢山いるし
高齢出産と言うリスクを抱えながら不妊治療を頑張る人もいる
そう言う人達を否定するつもりはないが
私はこの歳でまた妊娠出産をするのはキツいと思っていた
如月優子
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
それだけ?
私はまるで子供を作るためだけの道具のようだ
そこに私の感情なんて含まれてはいない……
如月優子
如月優子
慌ててトイレに逃げ込んだ
急な吐き気もありもうあの場にはいられないと思った
それを夫は勘違いしたのか
如月拓篤
あらぬ方向へと妄想を膨らませていく
土曜日
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月真優奈
如月拓篤
如月拓篤
如月真優奈
如月優子
如月優子
そう言いかけたところで
ピンポーン!
インターホンが鳴り響く
如月拓篤
如月優子
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤奈穂美
佐藤奈穂美
如月優子
如月優子
お隣はもう何年も空き家だった
私達が結婚してここに来た頃は老夫婦が住んでいたが
息子さん一家との同居が決まり引っ越していった
管理会社の人が時々、様子を見に来てはいたが
しばらく人が住む気配はなかった
そこに一家四人で越してきたと言う二人
如月優子
如月優子
如月優子
佐藤寛貴
佐藤さんご夫妻には二人のお子さんがいて
女の子と男の子の双子なのだそうだ
佐藤寛貴
そう言って手渡されたのはタオルのセットだった
佐藤寛貴
佐藤寛貴
如月優子
そう言って受け取ったタオルはとてもふわふわで柔らかく
如月優子
驚きの手触りに思わず声が出てしまった
佐藤奈穂美
ご主人はわりと普通に見えたが
奥さんからはちょっと変わった雰囲気を感じた
如月拓篤
如月優子
嫌み全開の夫
佐藤寛貴
そう言って去っていく佐藤さんご夫妻を見送り居間に戻ると
夫は大きなため息をつく
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
確かに少し風変わりな感じはしたが
そんな風に決めつけてしまっていいのだろうか?
もしかしたら真優奈と同じクラスになるかもしれない
そうなれば保護者同士の付き合いも出てくるし
お隣さんを無視し続けるわけにもいかない
如月真優奈
如月真優奈
如月拓篤
如月真優奈
そう言って真優奈が部屋に戻ると
夫の怒りの矛先はいつも私に向く
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
私はただ
夫の耳を疑う言葉に吐き気がしただけ
それを勝手に悪阻と勘違いして妙に優しくしてくる
如月優子
如月優子
でもこのまま妊娠したふりをしていれば
月経が終わっても夜の行為をしなくて済む
如月優子
真実を知れば夫は激怒するかもしれない
私が何故こんな嘘をついたのかを理解しようともせず
きっと何ヶ月もかけてねちねちと責めてくる
いつかはバレる嘘だとわかっていても
如月優子
どうしてもこの場で真実を告げることができなかった