月曜日
いつになくそわそわした様子の夫
夫は私が妊娠していると思い込んでいて
いつか私から報告があると期待している
でも実際に妊娠はしておらず
おまけに今は月経中
夫の耳を疑う言葉に吐き気がして
トイレに駆け込んだのを夫が勝手に悪阻だと勘違いしただけ
だがその日を境にほぼ毎日あった夜の行為を要求されなくなり
ストレスなく眠れるようになった
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
突然の問いかけに戸惑った
まさか直接、聞いてくるとは思っていなかった
しばらく夫のことを騙そうと思ってはいたが
早い段階で嘘だとバレてしまうかもしれない
嘘だとわかれば激怒するだろうし
夫はかなり根に持つタイプ
きっと何ヶ月もかけてねちねちと責めてくる
そうやって言葉で私のことを責めながら
夜には強引に私の身体を責めてくる
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
思わずしてしまった嫌な妄想に吐き気がして
私は再びトイレに駆け込んだ
如月拓篤
如月真優奈
如月真優奈
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月真優奈
如月拓篤
如月真優奈
微かに聞こえる二人の声
如月優子
真優奈にも心配をかけてしまったことに罪悪感を覚える
真優奈のことは騙したくない
如月優子
ここで気づいた
私は夫を騙しているわけじゃない
ただタイミング良く吐き気がしてトイレに駆け込んだだけ
妊娠したと偽ってもいないし
この吐き気だって月経中に起きる現象ってことにすれば
今の段階で嘘をついたことにはならないはずだ
しかし
この吐き気が悪阻ではないとわかれば
夫は何事もなかったかのように夜の行為を要求してくる
これはきっと夫の言葉によるストレス
それを素直に伝えたところで理解して貰えるだろうか
如月拓篤
逆上する夫の姿が浮かぶ
どうすればいいのか
何をするのが正解なのか
襲い来る吐き気と戦いながら思う
如月優子
少し落ち着いたところで何とか居間に戻り
必死に真優奈の相手をしてやり過ごした
その間に夫が何か言っていたけど
殆ど耳に入って来なかった
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
専業主婦だからって暇なわけではない
それに私は夫に頼まれて仕事を辞め家庭に入ることになった
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
今までこの生活に不満はなかった
でもいつからか夜の行為を要求されるようになって
モヤモヤした気持ちが心の中に溜まっていった
夜の行為はいつも一方的で
自分勝手な夫の言動に身体が拒否するようになった
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
そう言って無理矢理、押し込まれる
そのローションの冷たい感触に身体が硬直して
ますます感じにくくなってしまった
このまま本格的に嘘をつくか
勘違いとして正してしまうか
迷っているうちに時間が来て
夫と真優奈は慌ただしく出掛けていった
如月優子
そう思った直後
如月優子
直ぐに追いかければ間に合う
でも一緒に出た夫の顔を見たくなくて
如月優子
途中になっていた洗い物をしてしまおうとキッチンへ
洗い物を終え洗濯物を干し掃除機をかける
一通り終えたところで支度をして家を出た
今日の体育の授業は四時間目
まだ大分、時間に余裕があった
学校までの距離もそんなに長くない
如月優子
車や自転車に注意しつつ
学校までの道のりをゆっくり歩く
この時間に出掛けるのは久々だった
最近はずっとスーパーか病院にしか行っていない
美容院にも行けていなかった
如月優子
だが夫は私が美容院に行こうとすると嫌な顔をする
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
大きく漏れるため息
如月優子
こんなことでくよくよしても始まらない
今は私のやるべきことをやるだけ
そう言い聞かせて学校に向かった
如月優子
学校に到着して職員室の扉を開ける
授業中で殆どの先生が席を外していたのだが
近くにいた事務員の女性がこちらに気づき声をかけてくれた
事務員
如月優子
如月優子
事務員
事務員
如月優子
事務員さんに体操着袋を手渡そうとした時
佐藤奈穂美
一人の女性が勢いよく職員室に現れた
如月優子
佐藤奈穂美
如月優子
事務員
佐藤さんのテンションに戸惑いながらも
事務員さんが声をかける
佐藤奈穂美
佐藤奈穂美
佐藤奈穂美
佐藤奈穂美
如月優子
佐藤奈穂美
如月優子
佐藤奈穂美
夫はあまり関わるなと言っていたけど
家が隣で息子さんが真優奈と同じクラス
保護者会などで顔を合わせることもあるだろうし
私から避けることだけはしたくないと思った
それにせっかく仲良くなれそうなこの雰囲気も壊したくなかった
如月優子
佐藤奈穂美
佐藤奈穂美
少し風変わりだけど真っ直ぐで優しそうな人
私は佐藤さんのことをそんな風に思った
家が隣だから帰る方向も同じ
必然的に佐藤さんと一緒に帰ることになって
でも何を話せばいいのか迷っていると
佐藤奈穂美
如月優子
佐藤奈穂美
如月優子
帰ってからやることはいくつかあった
やろうと思えばいつでもできることではあったけど
今日中にやっておけば夫に文句を言われずに済む
如月優子
如月優子
佐藤奈穂美
まだ佐藤さんがどんな人かわからないけど
きっと仲良くなれる
そんな気がしたから
その誘いを受けることに決めた
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