暗殺ゲーム

今回の暗殺者が日野出結だという文字が出てからテレビが一気に切り替わる。

皆さんにはこれからある映像を見てもらいます。

映し出されたのは秋風樹玖代の部屋で彼女はタブレットを見ている。

コンコンッ そして、誰かが扉をノックする。

秋風さんがドアを開けて言葉を発するがそれを途中で遮るようにはち切れた様な声になる。

彼女の左肋骨の所にはアイスピックが貫通していた。

そう言ってアイスピックを刺された左肋骨の所を抑えて日野出さんの隙を見計らい押し逃げた。

場面は切り替わって廊下になる。

秋風さんは流れる血を押さえながら逃げている。

タッタッタッ！ 秋風さんの足音と後ろからは日野出さんの足を音が聞こえる。

そして、彼女はランドリースペースで足を挫いた。

彼女は諦めたように静かに泣きながら呟く。

秋風さんはジップロックに本を入れていたのを取り出し本の白い部分を切り、何か書き始めた。

恐らくこれは夏雨さんへのダイイングメッセージだろう。

ダイイングメッセージを書き終えると同時に足を音が近くなる。

段々秋風さんの声が薄れていく。 恐らく血が足りなくなって来たのだろう。

目が段々虚ろになっていくのが目に見えて分かるくらい弱っている。

日野出さんは足を挫いて動けなくなっている秋風さんを見つける。

手にはしっかりと固く編まれたロープ。

日野出さんは足を縛り終えると秋風さんを軽々と持ち上げて一番端の洗濯機に入れた。

バンバンバンッ!!

何度も何度も秋風さんは洗濯機のドアを叩くが聞こえない振りをしているか日野出さんは虚ろな目で洗濯機のスイッチを押した。

狂ったように笑う彼には彼女の声など聞こえない。

日野出さんは洗濯機を回している間に証拠隠滅に取り掛かる。

彼女の血痕の付いた床を拭いていく。

そしてキッチンにアイスピックの指紋を拭き取り血の付いたまま戻した。

ピーッピッピッピーッ！

洗濯機が終わる音がする。 つまりそれは彼女の暗殺が終わった事を意味していた。

彼の顔からは壊れた笑いが漏れている。 そして、秋風さんを洗濯機から出してロープを取りそれをボイラー室に燃やした。

皆さんこれが事件の真相です。 いかがでしょうか？

僕らはその映像を絶望した表情で見ていた。