求められた貴女

照の部屋

煌莉が戻ってきて

少しずつだけど

この建物に活気がでた気がする

俺はトレーニングルームに行って

リハビリをすることにした。

今までなら全てを諦めて

ここにこもって寝ていたっけ。

車椅子を押して

部屋を出た

トレーニングルームに

人影があった

その人は黒いローブに紫がかっていた

腰を曲げたふっかがいた

ふっかがこうなっているなんて知らなかった

SnowMagicではメンバーの行動を

常に把握しておかないといけない決まりがあった

なのに

俺は今まで何してたんだ…

メンバーの行動はわかってなかったし

助け合いもしていなかった

もう一度鬼倒そうよ

ふっかはテキトーに言ってるように見えて

真剣だった

煌莉の部屋

久しぶりに舘様と話して

久しぶりに美味しいものを食べて

楽しい午前中だった

たまには外を見てみようと

窓を開けてみた

窓からの景色

黒いローブにピンクがかった人が歩いていた

ローブがピンクなら

さっくんだ。

でも頭に包帯をぐるぐる巻きにしている

さっくんは裏庭の奥にある川に向かって

叫びながら走っていった

川の奥の崖

もう俺はおしまいだ

SnowMagic？なんだよそれ

俺ここから身を投げて

あの8人に忘れてもらう。

だって俺がいたら邪魔なんでしょ？

あの女がどっか行ったって

何も変わんなかったじゃねぇかよ

俺は高い崖から飛び降りた

誰かが飛び降りた俺の足を掴んだ

その人は俺を遠心力で上に持ち上げ

地面ギリギリに俺の体を押し付けた

なんであいつが？

なんで今さら戻ってきた？