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怪盗 時雨桜

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怪盗 時雨桜

34 - きっと大丈夫

♥

27

2022年04月03日

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〜ユキ side〜

ウィズに教えてもらった通りに 外の道を進んで、競技場の入り口まで 辿り着いた

リーフ

ここから……って言っても、凪沙さん達がどこにいるかなんて、ボク知らないんだけど……

真夏

闇雲に探すのも良くないよね……?

ソラ

……こっち

何かに気づいたらしく、 ソラがボクらの先を進んでいく

リーフ

なんか目印でもあったの?

ソラ

いや、音。明らかに戦ってるような感じの

音?

ユキ

(……あ、たしかに……!)

ソラの向かっている方向に耳を 澄ませると、物音が聞こえてきた

それに、探偵2人の声も聞こえる

ユキ

(じゃあ、2人が戦ってる相手って……?)

リーフ

……!? 何、あいつ……!?

遠目に2人を見つけると、 その敵も明らかになる

ユキ

っ……!?

 常人離れした体つきの大男

そいつの纏っている殺気が、 ずっと離れたボクでも感じられた

真夏

もしかして、さっきの人と同じ“幹部”って人じゃ……!?

リーフ

あの体格差、2人じゃ絶対敵わないって分かってんの……!?

ソラ

分かった上で戦ってるんだと思う。何か策でもない限り、あいつらは無謀なことはしない

リーフ

たしかに、そこまで馬鹿じゃないとは思ってるけど……

ユキ

……あの2人の動き、相手を倒そうとしてない

真夏

え?

ユキ

それに少し手加減もしてる。多分、体力温存の為に。防戦一方に見えるけど、まずあの2人が攻撃しようとしてないんだ

2人の戦い方を見て、少し分かった

2人は相手を倒そうとしてない、 それにあんなやつ相手に手加減して、 体力を無駄に使わないようにしてる

ユキ

……!

ユキ

(近くに凪沙がいる……!)

もしかして、凪沙を守る為に 2人は戦ってる?

いや……それならまだ、 逃げた方が得策だ

ユキ

(2人が……浦田先輩なら尚更、判断ミスなんてしないだろうし……)

ソラ

……あんなの相手でも、2人は手加減をできてる

ユキ

……?

ソラ

2人だけならあいつを倒せなくても……こっちの戦力を増やせば、勝機はあるかもしれない

ユキ

っ!!

ユキ

(もしそうなら、あの2人の狙いは……!!)

ユキ

ソラ、ボクらも行こう!!

ソラ

了解

ユキ

危ないから、姉さんとリーフは凪沙のところにいて!

真夏

えっ、ま、真冬!?

リーフ

真夏姉、行くよ!

きっとあの2人は、あいつのことを 倒そうとしてるはずだ!

けど2人だけじゃなくて、 ボクらを含めた4人で

だから、ボクらが来るまでの時間を 稼ぐ為に、あえて攻撃はせず、 この後戦う為の体力を残してたんだ

ボクと、本当ならウィズも来るはず だったけど……今はいないから、 代わりにソラを含めて、4人

もう時間は残されてない。 できる限り早く倒さなきゃ!!

〜渉 side〜

はあっ、はあっ……

きっと、坂田も俺の考えは 理解してるはず

だけど……

(流石に、こんなやつに手加減は、少しキツイな……)

うらさん、大丈夫っすか……!?

俺なら平気だ。坂田は?

俺も何とか!

ファントム幹部

ふん、あんだけ出しゃばっといて、大したことねぇな

手指の骨をパキパキと鳴らしながら、 相手がこちらに近づいてくる

凪沙

2人じゃそいつには敵わない! 手遅れになる前に、早く逃げて……!

俺達の後ろで、 佐野が叫ぶように声を上げた

っ……

……?

あれは……!

ファントム幹部

あんなに威勢を張っておいて、所詮はその程度か?

……さあ、どうだかな

そう言ってから、相手に向かって ニヤリと笑みを投げた

ファントム幹部

なんだと?

ファントム幹部

……っ!?

ユキ

はあああっ!!!

ファントム幹部

ぐぅっ!?

相手の背後に向かって、 思いきり突進してきた真冬

不意を突かれた相手は、反応できずに 攻撃をモロに食らった

ユキ

2人とも、お待たせ!!

まふ……じゃなかった、ユキ!

遅ぇよ、どんだけ体張ったと思ってんだ!

……ってあれ、会長? “ブラッド”の方は?

ソラ

ウィズは今他の幹部と戦ってる。あいつの代打で俺が入った

ずっとパソコンばっかりいじってた やつが、こんなやつと戦えるとは 思えないが……

今は誰でもいい、助かる

ユキ

凪沙の方は、姉さんとリーフがいるから大丈夫。

ユキ

ボクらなら倒せるんだよね?

多分な! 戦った感じ、俺らの力が通じんわけではないと思う!

ソラ

時間もあんまりない。速攻片付けるぞ

そのつもりだ

この2人の様子だと、ちゃんと心は 決めたみたいだな

それに、一ノ瀬の方は心なしか、 少し垢抜けたような気もする

ソッコー倒して、しっかりテロを失敗させてやるっ!!

〜真夏 side〜

真夏

なぎちゃん!!

リーフ

凪沙さん!

真冬に言われた通り、みんなの少し 遠くにへたりと座り込んでいる なぎちゃんの方へ向かった

凪沙

っ!!

凪沙

まーちゃん!?

凪沙

それに、九葉ちゃんも……!

真夏

遅くなってごめんね、大丈夫だった!?

凪沙

あたしは平気。でもあの2人が……!

あっちはきっと大丈夫

何より、なぎちゃんに 怪我がなくてよかった

リーフ

それなら、“時雨”が行ってるから大丈夫。あの2人曰く、4人でなら、頑張れば倒せる相手だってさ

凪沙

……!

凪沙

……たしかに、そうかも。

凪沙

あいつが幹部になったのは結構最近。見た目に気圧されるけど、実際力はそこまでじゃない。

凪沙

2人の言う通り、勝てるよ……!

リーフ

……そうだ。ねぇ凪沙さん、ナイフを使う女の幹部って知ってる?

ナイフを使う女の幹部……って、 さっき出会した人?

凪沙

知ってるけど……。

凪沙

……っ!

凪沙

もしかして、友弥君がいないのって……!

真夏

うん……今、その幹部の人と戦ってるの

凪沙

そんなっ……。

凪沙

っ……でもまだ、真冬が相手してなくてよかった……

リーフ

凪沙さん。

九葉

っ……友弥兄、戻ってくるよね?

九葉ちゃんにしては珍しく、 不安が少し顔に出ている

真夏

(それもそのはずだよ……)

実のお兄ちゃんが、危険な相手と 戦ってる真っ最中なんだから

もし真冬が戦っていたら…… 私も、気が気でいられないと思う

凪沙

大丈夫だよ。自分が死ぬまで、戦いはしないだろうし。

凪沙

それに友弥君なら、何かあったら逃げてこれる。真冬より身体能力は高いから

九葉

……そうだよね。あいつ天才だし、そんな馬鹿みたいなことしないよね。

リーフ

それに、信じたいから……。真夏姉が言ってた通り、信じる

すると、わずかだけど、 笑顔を見せてくれた九葉ちゃん

真夏

うん、きっと大丈夫だよ!

「信じたいなら信じよう」 さっき私が言った言葉

真夏

(覚えててくれたんだ)

それが嬉しくて、私も不安を 取り払うように、笑顔になった

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