俊
りさー
あ!あいつだ どんなに遠くても、 周りがうるさくても あいつの声だけは絶対に聞き間違えたりしない。
里沙
ん?また教科書でも忘れたの?
俊
そう(笑)数学!かして!
里沙
次はないからね!
俊
おう!ありがと。
あいつの名前は坂本 俊。 中学校が一緒だったのもあって よく喋る仲のいい男子。 …私はあいつが好き。 だけどこの関係が壊れちゃうくらいなら勇気なんていらない。
生徒A
これでホームルームを終わりにします。気をつけ、礼。
里沙
(はぁ…やっと終わった帰るか)
加恋
りさ ごめん!今日 日直だから先帰ってて!
里沙
りょーかい。がんばって!
加恋
ありがと!またあしたね
里沙
うん。ばいばい!
加恋は同じクラスで仲良くしてくれてる友達。 いつも一緒に帰ってるんだけど そう言えば加恋(かれん)今日 日直だった。 しょうがない…一人で帰るか。
昇降口につくと毎回恒例の俊の上履きチェックをする。 あれ、上履き入ってる…もう帰っちゃったんだ… とぼとぼと通学路を歩いていると少し先に俊の姿が見えた。 急に心臓の鼓動がはやくなる。 俊は私に気づいて駆け寄ってきた。
俊
数学の教科書 返すの忘れてたから待ってた!
里沙
明日でも良かったのに……ありがと
俊
おう!今日そっちのクラスでも理科の小テストあったでしょ、どうだった?
里沙
赤点ギリギリセーフ!
俊
お前 理科嫌いだもんなー
里沙
そうなんだよね…理科と数学だけはいつまでたっても苦手(笑)
当たり前のように隣を 歩きはじめる俊にドキドキしてしまう。
俊
そう言えばそろそろ体育祭だな
里沙
え!もうそんな時期かぁ…
走るの苦手なのに……俊はまたリレーの選手?
走るの苦手なのに……俊はまたリレーの選手?
俊
そうだよー
里沙
そっか!応援してるね。
俊
おう!お前もがんばれ。転ぶなよ?
里沙
そんな鈍臭くないから!
俊
はいはい(笑)じゃあまた明日な
里沙
あ、うん!また明日!
俊
おう
俊の後ろ姿は中学の頃よりも もっと背が伸びて、 見上げるぐらい高くなっていた
里沙
体育祭かぁ…
俊の「がんばれ」の一言で本当にがんばれる気がしてくる。 この気持ちはどこにしまえばいいの…?






