俺は高校生の秋斗(あきと) 今日はじいちゃんの家に遊びに来た
秋斗
じいちゃん
元気だったか、秋斗?
じいちゃん
秋斗
じいちゃん
秋斗
秋斗
じいちゃん!
じいちゃん
高校生になっても じいちゃんには甘えてしまうほど とても優しい人なのだ
都会暮らしは疲れるから たまにこうして 遊びに行くようにしている
一人で電車を乗り継いで バスも使う
そして徒歩で30分かけて ようやくじいちゃんの家に着く
合計で4時間はかかったか
大丈夫とは言ったものの 移動を経てかなり疲れていた
秋斗
じいちゃん
しかし 今日は羽休めをしに来たのだ
気ままに過ごそうと思う
じいちゃん
秋斗
乾いた喉を潤すには この麦茶は打って付けだった
体に染み渡り 疲れが浄化されるようだった
じいちゃん
じいちゃん
秋斗
俺はしばらく じいちゃんに高校での話や家族の話 じいちゃんの近況についても聞いた
そうして談笑しながら窓の外を見ると ふと、目に留まったものがあった
秋斗
じいちゃん
秋斗
じいちゃんの家の向かいには 大きな山がある
標高は600メートルくらいで 雄々しくそこに佇んでいる
その山の開けた所に ちょうど小さな墓石が見えた
不思議と その部分だけ切り開かれているため じいちゃんの家からはよく望める
じいちゃんは「はて?」と言って 同じように見た
じいちゃん
秋斗
じいちゃん
秋斗
じいちゃん
秋斗
もう一度 遠目に墓を望む
よくは見えないが、確かにそこにある
しかし その日はあまり気にすることもなく 夕食の時間が来た
時間は早く流れ
夕食を食べた後は 疲れもあって、すぐに眠ってしまった
…………
秋斗
俺は夜中に目が覚めた
古い掛け時計を見ると 3時を指していた
秋斗
秋斗
秋斗
そんなことを言いながら 開けっ放しの窓を見る
田舎の山に近い場所なんかでは 物盗りもいないのだという
それもあってか 新鮮な心持ちで窓に近付いた
さわさわと風によって 俺の髪がなびいた
肌に少し冷たい風が触れて 肺に美味い空気を取り込む
それが とても心地よかった
そうやって ぼんやりと景色を眺めていると
あることに気が付いた
秋斗
秋斗
街灯もなく 暗くてよく見えないが
確かにあの墓石は 山の開けた部分にあった
それが 山の麓に近い草藪に隠れるところにある
見間違えではなかった
秋斗
秋斗
秋斗
目を擦った
すると
秋斗
秋斗
墓石は山を降りてきている
気付かぬうちに
近付いてきている
秋斗
まばたきをした
ほんの一瞬のことだった
秋斗
墓石は麓にいて もう山を降りていた
貴方の選択で結末は変わります 運命を切り開きましょう
A.じいちゃんを起こす
B.窓を閉める
C.墓石を壊す
さあ 貴方の運命や如何に……