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〜翔太 side〜

そらるさんに家を追い出されて、 仕方無く帰路に着く

翔太

(あの人……)

そらるさんが拾って、今は家に 同居していると言う真冬さん

白い髪に、何故か赤い目をしていて、 見た目だけなら少し怖い印象だった

そらるさんも、あの人について 詳しく教えてくれ無かったし……

翔太

(ちょっと怖いから、歌い手として表に立たせて、変な事は出来ない様にしたけど……)

何故か分からない、分からないけど、 あの人とそらるさんは、何となく 関わってはいけない様な気がする

翔太

(僕の名前を見て倒れたっていうのも変だし……)

……きっと僕は、今後彼と 表で関わる事もあるだろう

その時に、少しずつ探っていけば良い

翔太

(せめて、死ぬ事はしないでくださいよ、そらるさん……)

1週間後

〜真冬 side〜

彼方さんに助けて貰いながら、 比較的良心的な値段の機材を集めて、 活動開始の準備をしていた

ネットの文化や“ボカロ”って言う物も 教えて貰いつつ、まだ不慣れな パソコンで、色んな曲を聴いて……

彼方

……よし、歌録りはこれで終わり。後はMIXだな

彼方さんに手伝って貰いながら、 “歌ってみた”の準備を進めていた

真冬

みっくす……?

彼方

曲と歌声を混ぜる作業だよ

どうやらMIXと言う物を、彼方さんは 自分で全てやっているらしい

隣で作業を見てたけど、かなり 手慣れていて、でもすごく丁寧だった

彼方

……ずっと見てて退屈じゃない?

真冬

いえ。ボクもいずれは自分で出来る様になりたいので。

真冬

それに、見てるだけでも楽しいですよ

彼方

なら良いけど

そう言って、彼方さんが作業に戻……

ぐぎゅるるる……

真冬

あ……

……ろうとした所で、 ボクのお腹が鳴る

彼方

あぁ、そういやもう2週間経つか

真冬

は、はい……

彼方

……ふっ、ちょっとだけ待ってろ。後少しで作業終わるから

真冬

はい……って、何で今笑ったんですか?

彼方

別に? なんか餌貰えなかった犬みたいだなって思っただけ

真冬

なっ……!? やっぱり彼方さん、ボクの事捨て犬感覚で拾ってますよね!?

彼方

やっぱりって何だよ……ほら、俺作業してるから、勝手に噛み付いてくんなよ?

再び笑いながらそう言って、 パソコンに向き直った彼方さん

真冬

うぐ……

別にそんな事しないのに、 と思ったけど……少し癪に触って、 こっそり後ろから近づいた

そして、彼の首元を……

がぶっ

彼方

うわっちょっ、おい真冬、勝手に噛むなってさっき……!

彼方

……って……

噛み付いたけど、牙を立ててはいない

本当はこのまま噛み千切って しまいたい位だけど、今は我慢だ

真冬

(だって、“待て”って言われてるし……)

真冬

っ……犬は犬らしく、甘噛みしてますよー……なんて……

……自分でやっておきながら、 恥ずかしさと顔に集まる熱を感じて、 段々と声がすぼんでしまう

真冬

……っ、ご、ごめんなさぃ……

とうとう空腹よりも羞恥心が勝って、 ぱっと彼方さんから離れてしまった

彼方

謝るなら最初からすんなよ……

背を向けたままの彼方さんに、 こんなことを言われてしまう始末

真冬

(なんでボク、こんな恥ずかしい事したんだっ……!)

〜彼方 side〜

いつもの画面を見ながら、 MIX作業を進めて行く

彼方

…………

彼方

(っ……ダメだ、意識したら集中切れる……)

真冬がこんな事をしてきたのは、 初めての事だった

だから少し驚いてるだけ、 それで動揺してるだけなんだ

顔と耳に集まる熱は無視して、 無心になって作業を進める

彼方

……終わった

真冬

あ、おっ、終わりました?

ふぅ、と一息付いて、 椅子の背にもたれる

そのままくるりと回して後ろを 振り返ると、そこには待ってましたと 言わんばかりの目をした真冬がいた

……ほんのり顔が赤い気がするのは、 多分俺の気のせいだろう

彼方

ほら、約束

そう言って、いつも通り首元を出す

真冬

は、はい。じゃあ、頂きますっ……

ガリッ

3回目でも、未だに血を吸われる 感覚には慣れない

真冬

……ご馳走様でした

彼方

相変わらず血を飲んだ後の真冬は、 心無しか様子がおかしく見える

彼方

(そういや前に、血飲んだら記憶を思い出すとか言ってたっけ……)

今回も、何か思い出したんだろうか

真冬

…………

彼方

……? 真冬?

何故か、俺の側を離れようとせず、 じっと顔を見つめて来る真冬

けど次の瞬間、突然 顔の距離が縮まって──

チュッ

彼方

っ……!?

……気付いた時には、 唇が重なり合っていた

真冬

……っ!?

真冬

ごっ、ごめんなさっ……!!

ふと我に返ったのか、 真冬が慌てて離れる

真冬

ボク、何してっ……。

真冬

……っあ、ご、ご飯! ご飯作って来ますっ!

ガチャッ、バタンッ

彼方

…………

慌ただしく部屋を出て行ったまふまふ

……口元にはまだ、柔らかい感触と、 仄かに感じる鉄の味が残っていた

遠く離れた世界の君へ --

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コメント

6

ユーザー

あまちゃんはやっぱりまふくんの事を怪しむよね〜 まぁそりゃそうですよね、 お!まふくんがそらるさんの言葉に乗っかって甘噛をした!! そしてその後すぐ恥ずかしくなるの可愛いかよ。 そして血を飲んだまふくんが急にそらるさんにキス!? 一体どんな記憶を思い出したんだ!? 続き楽しみに待ってます!

ユーザー

あまちゃんはまふくんのことを少し 警戒してるね…まぁ、そうだよな… まふくんそらるさんの首筋を軽く甘噛み… 可愛いかよ……そらるさんもいきなり あんな事されたら集中できなくなるよなw そして、血を吸ったあとのまふくん… なんで、いきなりそらるさんにキスを…? まふくんも自分のした事にびっくりしてたけど 何かまた思い出したのかな? 続き楽しみにしています!

ユーザー

おぉ!ついにまふくんも歌を録った…!MIXが終われば、投稿でしょうか… 甘噛みして恥ずかしがってるまふくんが可愛くて、思わず少し笑ってしまいました😊 そして血を飲んだ後のまふくんが…!? 一体どんな記憶を思い出したのか…気になります 続き楽しみに待っております♪

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