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ボクはキミに恋をした

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ボクはキミに恋をした

79 - 冬休みの思い出作り

♥

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2023年02月01日

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月日は過ぎて、いつの間にか 寒い冬がやってきていた

椛祭があった秋から変わったことと 言えば、真っ先に思いつくのは、 やっぱり彼方先輩のこと

あのライブの後から、学校でも 普通に素を出すようになったんだよね

みんなからの“王子”呼びは、 相変わらず変わらないけど

ただ今までの癖なのか、話しかけ られた時に王子が出てきかけることが あって……それがちょっと面白い

真冬

(僕もライブで正体がバレたわけだし、それなりに大変ではあるけどね)

それでも、時が過ぎれば 落ち着いてきて、また普通の 高校生活が戻ってきた

智弥

そういえば、もうすぐ冬休みだね〜

隣の席のとも君が、 思い出したようにそう言う

そう、もうすぐ冬休み

夏休みは何もできなかったから、 この冬にみんなで遊びたいなぁ、 なんて……

真冬

あ、ねぇとも君

智弥

ん?

真冬

冬休み、みんなで遊ばない? 誰かの家じゃなくて、ちょっと遠出したりしてさ

つい数秒前に考えたことを、 早速とも君に提案してみる

智弥

おおっ、いいねそれ!

すると、目をキラキラさせて 笑顔で乗ってくれた

智弥

どんなとこ行く? 水族館とか、冬だしスケートとかスキーとか……

やや身を乗り出しつつ、 場所の候補を出し始めたとも君

智弥

あ、彼方兄も誘うなら遊園地とかは?

彼方先輩を誘うなら、遊園地?

智弥

絶対楽しいと思うよ! 彼方兄と遊園地!

真冬

そうなの?

彼方先輩って、意外と 遊園地好きなのかな

智弥

うん! ジェットコースターとお化け屋敷……あっ、あと観覧車も!

真冬

(あれ? あの人ってお化け屋敷は苦手じゃなかったっけ……?)

智弥

うわ〜、今からでも楽しみだな〜!

相変わらず、すごく楽しそうなとも君

少し嫌な予感がするのは僕だけ……?

学校帰り、遊園地のことを姉さん達 にも話すと、3人とも乗ってくれた

彼方先輩は生徒会の仕事が あるらしいから、また後でとも君に 伝えてもらうことに

にしても、まさかそらるんが遊園地好きとはな〜

翔太

ねっ、すごい意外!

先輩って大人びてるし、遊園地好きな イメージはなかったけど、意外と 子供っぽいところもあるんだなぁ

智弥

じゃあ、彼方兄にも伝えとくね! みんなまた明日〜!

〜彼方 side〜

智弥

……ってわけで彼方兄、冬休みにみんなで遊園地行かない?

突然部屋に押しかけられたと 思ったら、智弥がそんなことを 言い出してきた

彼方

(みんなで遊園地……?)

『遊園地』と言う単語を聞いて、 まず真っ先に思い浮かぶのは、 智弥や九葉の笑い声

それも、悪意のある真っ黒な……

彼方

俺は行かない

きっぱり断って、参考書を 開いていた勉強机に向き直る

智弥

えー、なんでよ。まふ君だっているのに?

彼方

っ、行かない

一瞬“まふ君”に釣られそうになった けど、意志を強く持って負けじと断る

智弥

えっ、彼方兄、まふ君いるんだよ??

首を縦に振らずにいると、 智弥が驚いたような声で言ってきた

どうやらあいつの中では、 “まふ君”が最終手段だったらしい

彼方

俺は遊びに行ってる暇なんてないんだよ。これ見て分かるだろ

軽く後ろを振り向きながら、 行かない理由を説明する

今年は去年とは違って、俺が受験生

勉強をしないといけないから、 そう易々と遊びの誘いに 乗るわけにはいかない

智弥

彼方兄ならどっかの推薦取れるんじゃないの? 去年から会長もやってるんだし。

智弥

昔はともかく、そんなガリガリ勉強する必要ないと思うけど

たしかに高校に入ってからは、 ちゃんと勉強するようにはなった

けどなっただけで、 その全部を覚えてはいない

自分でも分かってるけど、俺は そこまで地頭が良いわけじゃないんだ

それと指定校推薦に関しては、 ただ単に俺の行きたい大学がなかった

智弥

勉強するんだとしても、息抜きは必要なんじゃない? そんなに詰めてたら疲れるだけだと思うよ

……智弥の言うことも、一理あるけど

智弥

気分転換にもなるだろうし、せっかくまふ君が企画してくれたんだから行こうよ。

智弥

まふ君だって、相方には来てほしいと思うけどなぁ〜……?

真冬が企画したなら、尚更断りにくい

俺だって、行きたくない わけではないけど……

彼方

……分かったよ、行けばいいんだろ

結局、智弥の圧と自分の欲に負けて、 了承してしまった

智弥

おっ、ほんと? じゃあ早速まふ君に連絡しとくね〜!

最後にそれだけ言ってから、 俺の部屋を出て行った智弥

俺はみんなの保護者の立場として、 仕方なくついていくだけだ

アトラクションには 絶対乗らないからな

彼方

(……けど……)

少しだけ、楽しみにしている 自分もいた

〜真冬 side〜

とうとう冬休みが始まって、 早数日が過ぎた

そして今日は、みんなで 遊園地に行く日

メンバーは、僕と姉さん、天ちゃん、 96ちゃん、とも君、彼方先輩に、 新しく蒼井さんを加えた計7人

いつもの別れ道にある公園で待ち 合わせをして、そこから最寄り駅で 電車に乗って、遊園地まで行くんだ

真夏

真冬っ、準備できた?

真冬

できた!

昨日準備していたリュックを 背負って、姉さんと玄関まで行く

真夏

ふふっ、楽しみだなぁ、遊園地!

靴を履きながら、 笑顔でそう言った姉さん

真冬

今までみんなで遠出したことなかったもんね

真夏

うん! ねぇねぇ、真冬は何乗りたい?

真冬

僕はジェットコースターかなぁ

こう見えて、実は結構 絶叫系が好きだったりする

真夏

私は観覧車! あと、記念にみんなで集合写真も撮りたいなぁ!

そんな話をしながら、家にいる 母さんに行ってきますと一声かけて、 とうとう家を出る

すると、天ちゃんと96ちゃんが 既に家を出て、僕らのことを 待ってくれていた

おっ、まふまな来た!

翔太

おはよー!

真夏

2人ともおはよっ!

4人で合流して、早速待ち合わせ 場所の公園に向かう

先輩達は……まだ来てないっぽい?

真夏

時間、ちょっと早く着いちゃったね

携帯の時計を見ながら、 姉さんがそう言う

それなら、少し待てば あっち側の3人も来るよね

智弥

あっ、みんなー!

数分すると、公園の入り口の方から、 とも君が手を振りながら走ってきた

その後ろから、 先輩と蒼井さんも歩いてくる

智弥

ごめん、待った?

翔太

ううん、僕らも今来たとこ!

天ちゃんがそう答えると、とも君が ほっとしたような表情になった

何はともあれ、全員合流できたね

よっしゃ〜! 行くぞみんなぁー!

元気いっぱいに跳ねながら、 みんなに向かって96ちゃんが言う

翔太

おーっ!

真夏

お〜っ!

それに僕ら2年生組が乗った

彼方

高校生にもなってそういうのいらないだろ……

一拍置いて、彼方先輩が眠たそうに 欠伸をしながらそう言ってきた

智弥

ちょっと、遅れそうになったの彼方兄のせいって分かってる!?

彼方

電車なら乗り遅れちゃまずいだろ

とも君のことをスルーして、 彼方先輩が言う

あっち側であった騒動については 分からないけど、たしかに電車の ことは彼方先輩が正論だ

智弥

も〜……よし、みんな行こっか!

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