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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

僕は登校中、ずっとあることを考えていた

岡崎絢也

僕...まさか...坂本が大切なのか...?

信じたくないし、信じられないことだけど

母さんが笑った時と同じくらい、いや、それ以上かもしれない。坂本と喋ると暖かい気持ちになるんだ

これは...初恋と言うべきなのだろうか

いや、でも好きなわけではないかもしれない

僕には分からないんだ

恋というものがなんなのか

クラスメイトC

おい。てめぇ、なんで昨日家に坂本さんを入れてたんだよ!

クラスメイトD

もう、そんなに感情的になんのやめてあげなよ

クラスメイトC

...けどっ...

僕は学校に行った瞬間、クラスメイトCに怒鳴りつけられた

クラスメイトE

岡崎ってさぁ、もしかして坂本さんと付き合ってんの?

一瞬、クラスの時が止まったみたいに静かになった

岡崎絢也

つ...つ...付き合ってるわけないだろ?!

なんでだろう。顔がどんどん暑くなっていく

坂本愛花

ねぇ。もうやめてあげてよ

クラスメイトC

...え?

坂本愛花

なんでそんなに絢也くんに色々押し付けるの?可哀想でしょう?

坂本の声は、小さかったけど教室によく通った

なんでか、声が少し震えている気がする

坂本愛花

自分の勝手な勘違いで人を傷つけるなんてサイテー!

クラスメイトC

けど...多分岡崎も傷ついてないだろ...?って。なんで泣いてんだよ?!

なんでかな。涙が止まらなくなった。

坂本愛花

傷ついてたんだよね、本当は

岡崎絢也

違っ...僕...は...

嘘だ...僕は本当はみんなに避けられるのが辛かったの...?

こんなに...涙が溢れるほど苦しかったの...?

坂本愛花

絢也くん。自分に素直になりなよ。本当は辛かったはずだよ

岡崎絢也

坂本...

クラスメイトC

なっ...呼び捨て...?!..

クラスメイトE

おい。そんなこと言ってる場合か?

クラスメイトC

...岡崎。お前が辛かったのは知らなかった。ごめん。お前が弱々しい癖に女子と素直に話せるのが羨ましかったんだ

岡崎絢也

Cくん...大丈夫。僕もごめんね。これからはかんに触らないように気をつけて行動するね

僕はびっくりした

こんなにあっさり僕の存在を許してくれるとは思わなかった

けど僕は気づいた

坂本が端っこに行ってこっそり泣いていたことを―

僕は真っ直ぐ家に帰らなかった

寄り道は初めてだけど、Cくんが僕を遊びに誘ってくれて今、Mのマークのがお店に来ている

クラスメイトC

今までほんとにごめんな

岡崎絢也

大丈夫だよ。僕もごめんね。

クラスメイトC

でもさぁ、やっぱ坂本さんとお前、仲良いじゃん。羨ましいわ、ほんと

岡崎絢也

そうかな...?

なんだろう。また顔が赤くなってきている気がする

クラスメイトC

だってさ、坂本さん、あんまり男子のこと庇わないんだぜ?なのにお前のことは庇ってばっかりだろ?坂本さん、お前のこと好きなのかもな

岡崎絢也

え...!それはないと思うよ。僕なんか誰からも好かれないよ

クラスメイトC

なんでそんなに自分に自信ないんだよォ...。お前、結構隠れファン多いの知らねぇのかよ

岡崎絢也

えぇ?!それ、本命隠しに使われてるだけだよ

こうやって話していると、Cくんはそんなに悪い人じゃないんだな

僕はこの日から人が怖くなくなった

僕は徐々に人を信じられるようになってきた

岡崎絢也

ただいま

お母さん

おかえり。今日、帰り遅かったのね

坂本愛花

...

岡崎絢也

うん。クラスの子が遊びに誘ってくれたから遊んできた

お母さん

あら!そうなの。じゃあ、今度挨拶しなきゃだわ。家に呼んでくるといいわ。うふっ♡

坂本愛花

...

坂本はさっきから俯いたまま、何も言わない。いつもなら明るく僕にただいまって言ってくれるのに

岡崎絢也

...ねぇ。坂本。なんかあったの?

坂本愛花

...あっ、私...?いや...その...別に...

いつもの坂本じゃない

何か言いたげな顔をしている気がするんだけど...

岡崎絢也

そう言えば、学校で教室の端っこに行って泣いてたけど、どうしたの?

坂本愛花

...!見てたの...?

坂本は驚いて僕の方を見た

目が涙でキラキラしている

岡崎絢也

うん。見てたよ。大丈夫?

坂本愛花

...うん。なんでもないから、平気だよ...

岡崎絢也

なんでもなかったら泣かないだろ...!

自分でもびっくりするほど感情的になってしまった

岡崎絢也

あ...いや...ごめん...

お母さんも驚いている

岡崎絢也

あのさ...僕の部屋に来て。話がしたいんだ

坂本愛花

お邪魔します...

岡崎絢也

坂本。教えて。なんで泣いてたの?

坂本愛花

それ...は...

岡崎絢也

僕、どんな理由でもバカにしないから

坂本愛花

絢也くん...あのね...あのね...

坂本愛花

もし、私が前世の記憶があるって言ったら、引く?

岡崎絢也

引かないよ。実際にそういう人もいるらしいから

坂本愛花

じゃあ...私が前世、絢也くんと付き合ってたって言ったら信じる?

岡崎絢也

...え?ごめん、信じ...られない

坂本愛花

そうだよね...でもね、ごめん...抑えられなくなっちゃったの...この気持ちを...

坂本は次の瞬間僕に抱きついて来た

岡崎絢也

...!ちょ...坂本...!

坂本愛花

好き...ごめんね...抑えられなくなっちゃった...

岡崎絢也

...坂本

坂本愛花

付き合ってくれませんか...?やっぱり、私じゃだめですか...?

岡崎絢也

坂本。聞いて欲しい

岡崎絢也

僕にはまだ、恋って言うのが分からないんだ

岡崎絢也

だから、返事は、まだ待って欲しい。

坂本愛花

それは...可能性は0じゃないってこと...?

坂本の目に、ハイライトが戻ってゆく

涙が止まった

岡崎絢也

そうだよ。0じゃない

坂本愛花

...うわぁぁぁ...私...ずっと...絢也くんを追いかけてた...嬉しいよ...ありがとう...ありがとう...

坂本はものすごく嬉しそうに部屋を出て行った

僕も嬉しかった

恋のことはよく分からないけど、嫌な気はしなかったし、むしろこんな僕を追いかけてくれてたのもすごく嬉しかった

ちゃんと答えを出さなきゃ

坂本、待っててね。

僕、恋ってなんなのか分かるように頑張るよ

今度は母さんのためじゃない

坂本のために頑張るね

僕の嘘は君の過去だった

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