ユウト
今日はテスト返しだな…
ミナト
ユウトー、どの教科が1番自信ある?
ユウト
全部同じくらいかな
ミナト
へぇ〜笑
先生
はいでは今からテスト返しを始めまーす
ユウト
(今日の予言通りなら、俺のテストの平均点数は75.8…)
ユウト
(まぁ、今まで平均65点前後だったからカンニングを疑われないちょうどいい具合だな)
ミナト
何点だった?
ユウト
…そっちは?
ユウト
(…たまにはマウント取り返してやるかw)
ミナト
89だけど?
ユウト
あー、
ユウト
(意外と危なかった…)
ユウト
こっち91だわw
ミナト
は!?
ユウト
勝ったわw
顔の向きをを少し上に上げて、見下すように言う
ミナト
いやお前、絶対カンニングしただろ!
ユウト
ちゃんと勉強したんだよw
ユウト
(ま、暗記も勉強だよな…?)
先生
ユウトー!お前今回頑張ったな!
先生
他のテストも結構良いって評判だぞー?
ユウト
いやー、自分に合う勉強法をついに見つけたんすよ!笑
先生
そうか!これからも頑張れよ!
先生
ミナトもな!
ミナト
ぐ……
ついでのように扱われ、悔しいのだろう
ハルカ
今聞こえたけど、ユウト君今回91点取ったの!?
ユウト
あ、うん!
ハルカ
すごーい、私90点だよぉ…
ユウト
え!
ハルカは、いつもミナトと五分五分くらいの点数で、いつも競っている人だ
ミナト
え…
ハルカが手に持っているテスト用紙の表面が、ミナトの方に向いている
ミナト
(95点…?)
ミナト
(ハルカなりの優しさ…なのか?)
ユウト
(次の授業は…英語か)
ユウト
(英語は暗記も難しかったしテスト直しがあるからめんどいんだよな……)
ミナト
ミナト
何点?(食い気味)
ユウト
6…9…
ミナト
おー
ミナト
まぁ頑張れよ
ユウト
(どうせ内心笑ってんだろうなぁ…)
ハルカ
ユウト君!
ハルカ
69点も取ったの!?
ハルカ
いつもより高いじゃん!
ユウト
そうなんだよ!
ユウト
(やっぱりハルカは分かってくれるなぁ!)
ユウト
(好きになりそう…)
クズなあいつのせいで、感覚が麻痺したのか知らないが、本気でハルカに惚れてしまいそうだ
その後も、ミナトには負けたりたまに勝ったりして、でもハルカはいつも褒めてくれた
ユウト
ユウト
(今日は帰ったらすぐテストをお母さんに見せよっと♪)
母
おかえり
ユウト
ただいま〜
母
さ、テストはどうだったの?
母
もうそろそろ帰ってきてるでしょ
ユウト
テストね、こんな感じ!
母
え!合計682点…!?
母
すっご!頑張ったのねぇ!
母
え、カンニングしてないわよね?
ユウト
違うよ…笑
ユウト
自分に合う勉強法を見つけたんだ…
母
へぇー…まぁ、これからも頑張りなさいね
ユウト
うん!
母
ちょっとこれ預かってていい?
ユウト
え?いいよ
母
ありがとう
母
サナー!ちょっと来なさーい!
その言葉を耳に入れて、俺は2階に上がり自分の部屋に戻った
そして部屋に戻って、聞こえたのは
母の怒鳴り声だった
母
サナ!お兄ちゃんはこんなに頑張ってるのよ!?あんたはなんでこんな点数しか取れないの!!
ユウト
……!
思わず、部屋のドアを開けた
ドアを開けたにも関わらず、サナの声はほんの少ししか聞こえない
妹
ごめん…なさい……
ユウト
………
俺は…悪いことをした…………と
初めてそこで、自覚した
ぼーっとしているうちに、サナの説教が終わる
急いでドアを閉めるが、またすぐ開いた
妹
お兄ちゃん…
ユウト
…!
妹
お兄ちゃんはいいよね、ちゃんと勉強できて
妹
お姉ちゃんも…
半泣きだった
ユウト
…お前にだって、絶対に合う勉強があるよ…
ユウト
何度も試して、合う物を見つけるんだ
そう答えるしかできなかった
もしかしたら間違ったことを教えてしまったかもしれない
そこで、俺の中の罪悪感が、爆発した
ユウト
(…決めた)
もう超予言アプリは使わない
妹がドアを閉めて、すぐスマホに手を伸ばし、
その右上の✕マークを………
…………
………………………………
…押した。
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ユウト
…は?