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幽霊からの依頼#2

第1話 - 幽霊からの依頼#2

2018年12月14日

#ホラー

#コメディ

#せつない

カルガモ４世

夕方１７時

×△公園

ヒロト

(部活疲れた……)

ヒロト

(あの男の人、まだか…？)

幽霊のサラリーマン

おまたせ

幽霊のサラリーマン

ちゃんと来てくれて嬉しい

ヒロト

ここに来なくても、家に入ってくると思いましたから

幽霊のサラリーマン

ぁあ、そうするもりだった

幽霊のサラリーマン

さて、さっそく…

サラリーマンはヒロトに覆い被さるようにして近付いてきた

ヒロト

まっ、待って下さい!!

幽霊のサラリーマン

どうした？

ヒロト

いや……俺この体質でも憑依なんて初めてで

ヒロト

憑依したら、俺はどこに行くんです？

幽霊のサラリーマン

君は一時的に浮遊霊になる

ヒロト

浮遊霊？

幽霊のサラリーマン

魂だけの状態だ

幽霊のサラリーマン

あまりに時間がたつと天に昇ってしまうが……

ヒロト

天!?それって死ぬって？

幽霊のサラリーマン

ぁあ。

幽霊のサラリーマン

でも大丈夫だ。期間をこえなければ

ヒロト

何日くらいですか？

幽霊のサラリーマン

長くて３日だろう

ヒロト

３日……

ヒロト

その間に奥さんを見つけられますか？

幽霊のサラリーマン

大丈夫。引っ越しはしていない

幽霊のサラリーマン

問題は、見た目だな……

ヒロト

どうにかするって

ヒロト

言ってたじゃないですか

幽霊のサラリーマン

あの時は流れでだ

幽霊のサラリーマン

どうにかなるだろうと
思っていた

ヒロト

てゆうか

ヒロト

触れて話して、何がしたいんですか？

ヒロト

それ以外に目的があるんでしょう

幽霊のサラリーマン

あるが

幽霊のサラリーマン

それは君には言えない

ヒロト

深くは聞かないですが

ヒロト

無理しないで下さい、俺にも影響があるので

幽霊のサラリーマン

わかっている

幽霊のサラリーマン

君には親は？心配しないか？

ヒロト

どっちもいませんよ

ヒロト

離婚して、父は事故。母はこんな体質の俺を

ヒロト

気持ち悪がって祖母の家に預けたんです

ヒロト

祖母も見える体質だから…

幽霊のサラリーマン

おばあさんもか……

幽霊のサラリーマン

なら理解してくれそうだ

夕日が低くなり、街頭がつきはじめた

ヒロト

もう暗いし、始めましょうか

幽霊のサラリーマン

あぁ……

サラリーマンはヒロトに覆い被さった

ヒロト

ヒロト(浮遊霊)

うお！？

ヒロト(浮遊霊)

宙を浮いてる……!!

ヒロト

生身の体は久しぶりだ……!!

ヒロト

ましてや若い体……軽い

ヒロト(浮遊霊)

陸上部ですからね

ヒロト(浮遊霊)

俺は、サラリーマンさんの近くに居ればいいですか？

ヒロト

あぁ。行動を共にしよう

ヒロト

えっと……名前を教えてくれるか？

ヒロト(浮遊霊)

ヒロトです。宮原裕斗

ヒロト

私は鈴木誠だ

ヒロト(浮遊霊)

マコトさんですね

ヒロト(浮遊霊)

自分を第３者の視点で見るのは新鮮ですね

ヒロト

声も君そのものだしな

ヒロト

とりあえず今日はもう遅い

ヒロト

家に帰って休もう

ヒロト(浮遊霊)

それなら明日の朝でもよかったんじゃ……

ヒロト

いや、憑依は太陽が出ていると出来ないんだ

ヒロト(浮遊霊)

初めて知った……

ヒロト(浮遊霊)

じゃあ、家教えるのでついてきてください

ヒロト

ぁあ

ヒロト(浮遊霊)

あれ……？

ヒロト

どうした？

ヒロト(浮遊霊)

空ってどうやって移動するのか分からなくて

ヒロト

空気を水に見立てて

ヒロト

泳ぐようにするんだ

ヒロト(浮遊霊)

こう……？

ヒロト(浮遊霊)

ぉお、前に進んだ

ヒロト

よかった。道案内よろしく

ヒロト(浮遊霊)

はい。

しばらく歩いて、宮原実家

ヒロト(浮遊霊)

ただいまって言わないと

ヒロト(浮遊霊)

うちの祖母怒ります

ヒロト

た、ただいま…

宮原キヨ

おかえり、ヒロト

宮原キヨ

いつもより遅かったじゃないか。

ヒロト

友達と遊んできたんだ

宮原キヨ

そうかい。……ん？

宮原キヨ

ヒロトの後ろに何か……

ヒロト(浮遊霊)

(やべ、ばあちゃん見える体質なんだった)

ヒロト(浮遊霊)

(隠れ……)

宮原キヨ

ヒロト!?ヒロトが二人……

ヒロト

えっと……その

ヒロト

おばあさん、事情を説明します

ヒロトは今まであったことを祖母に話した

宮原キヨ

なるほどねぇ……

ヒロト

おばあさんが見える方でよかったです

宮原キヨ

うちの孫に私に許可なく憑依とは……

宮原キヨ

肝が座ったサラリーマンだね……

ヒロト

そこは、すみません

ヒロト

京子とどうしても話したくて

ヒロト(浮遊霊)

京子っていうんですね、奥さん

宮原キヨ

ヒロトが許したのなら仕方ないが……

宮原キヨ

もし何かあったら私が許さないよ

ヒロト

わかってます

ヒロト

お孫さんの体は傷つけたりしませんよ

宮原キヨ

その言葉を信じるよ

宮原キヨ

明日から京子さんを探しに？

ヒロト

はい。土日の間に済まします

ヒロト(浮遊霊)

別に、平日でもよかったのに……

宮原キヨ

そうやってまた

宮原キヨ

ヒロトは学校をさぼるんじゃありません

ヒロト(浮遊霊)

はい……

ヒロト

今日は、ここで寝させていただいでよろしいですか？

宮原キヨ

いいよ

宮原キヨ

明日から、頑張るんだよ

ヒロト

はい

ヒロト

ヒロトくん、おやすみ

ヒロト(浮遊霊)

おやすみなさい

宮原キヨ

私も若い頃は

宮原キヨ

幽霊からよく頼みごとがあったもんだ……

ヒロト(浮遊霊)

おばあちゃんも？

宮原キヨ

苦労したもんだよ……

宮原キヨ

ごめんね、私が見えるせいでヒロトも見えるように

宮原キヨ

苦労するだろう

ヒロト(浮遊霊)

……いや

ヒロト(浮遊霊)

苦労はしてない

ヒロト(浮遊霊)

こんな風に頼まれるの、嫌いじゃないんだ

ヒロト(浮遊霊)

人の役に立つのが嬉しいから

宮原キヨ

そうかい。優しい子に育ったね

ヒロト(浮遊霊)

……

ヒロト(浮遊霊)

俺も寝てくる

宮原キヨ

おやすみ

ヒロト(浮遊霊)

おやすみ……

❤️５０で続きます

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カルガモ４世

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