加藤兵吾
誰に愛される資格がねえだと?
石神一樹
(ついに来たか…)
榊理央
か、加藤教官!
加藤兵吾
全部聞いてたぞ
加藤兵吾
俺が好きなんだってな?
榊理央
くっ…
榊理央
(どうしよう、バレた…!)
石神一樹
入ってくるのが遅いぞ
石神一樹
怖気付いていたのか?
加藤兵吾
クソ眼鏡に言われる筋合いはねえ
加藤兵吾
お前、マフィアの娘なんだってな?
榊理央
…はい
榊理央
そうです
加藤兵吾
…そうか
加藤兵吾
それだけで十分だ
加藤兵吾
来い
榊理央
えっ…!
藤澤透
兵吾さん!
加藤兵吾
すぐ戻る
藤澤透
行っちゃいましたね
石神一樹
ああ
藤澤透
追いかけなくていいんですか?
石神一樹
俺は振られたも同然だ
石神一樹
行っても邪魔扱いされるだけだろう
石神一樹
藤澤
石神一樹
仕事手伝え
藤澤透
了解です!
榊理央
教官…
榊理央
どこまで行くんですか…!
加藤兵吾
…
加藤兵吾
いいから黙ってついて来い
榊理央
はい…
連れてこられたのは、渋谷駅前だった。
榊理央
ここは…!
加藤兵吾
ここで、俺の親父が殺された
榊理央
!
加藤兵吾
でも、いいんだ
榊理央
…何故ですか?
加藤兵吾
…俺の親父が、犯人だったからだ
榊理央
…!
榊理央
(まさか、捕まった加藤靖彦って…教官のお父さん!?)
加藤兵吾
お前の親父さんに、お礼、言ってやってくれ
加藤兵吾
もしあの場で銃を取ってくれなかったら
加藤兵吾
もっと犠牲者が出たかも知れねえんだ
加藤兵吾
そして、警察も、公安も、親父さんを逮捕しようとしなかった
榊理央
…なぜ?
加藤兵吾
犠牲者の遺族が
加藤兵吾
逮捕しないでくれって何回も抗議して来たからな
加藤兵吾
だから親父さんの起訴は見送った
榊理央
…そうだったんですか
加藤兵吾
…帰るか
加藤兵吾
(本当はもう1つ話したいところだったが…)
〜♪
榊理央
あっ
加藤兵吾
室長からだ
榊理央
私もです
今日は帰ってこなくても大丈夫だ
2人で、ゆっくり話して来い
加藤兵吾
今日は帰ってこなくてもいいそうだ
榊理央
私の方にも同じメールが来てます
加藤兵吾
場所を変えるぞ
榊理央
はい
榊理央
(今度はどこに行くの?)