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ハナコ

あたしはチワワのハナコ、10歳よ

ハナコ

この部屋でご主人家族と一緒に住んでるんだけど…

ハルカ

ママ、遅いなぁ…

ハルカ

お腹、すいたよぅ…

ハナコ

しっかりなさい、ハルカ

ハナコ

あなた、もう4歳でしょ?

ハナコ

あたしが4歳の頃なんて、もうすっかり成犬だったわよ

ハルカ

ねぇ、ハナコ

ハナコ

なぁに?

ハルカ

ママ、どうして帰ってこないのかな?

ハルカ

昨日も、その昨日も帰ってこなかったよ…

ハナコ

そうねぇ…

ハナコ

きっと、お仕事が長引いてるんじゃないかしら?

ハナコ

ママはね、一人であなたを育ててるから…

ハナコ

きっとお仕事、大変なのよ

ハナコ

大丈夫よ

ハナコ

きっと、もうすぐ帰ってきてくれるはず

ハルカ

ハナコ…

ハルカ

ママがね、少し前に言ってたの

ハルカ

『カレシができた』って

ハルカ

『カレシ』って…なんなのかな?

ハルカ

おいしい物かな?

ハナコ

………

ハルカ

『カレシ』、食べたいなぁ…

ハナコ

…そうだ!

ハナコ

ほら、これならハルカも気に入るんじゃないかしら?

ハルカ

…ビーフジャーキー?

ハナコ

ふふ、あたしが食べずに、置いといたのよ

ハナコ

あたしの大好物なんだから、感謝しなさいよね!(笑)

ハルカ

………

ハルカ

ありがと、ハナコ…

ママが帰ってこなくなって、10日がたった

ハルカ

ママ…

ハルカ

遅いよ…

ハルカ

お腹…すいた…

ハナコ

ハルカ…

ハナコ

大丈夫よ…

ハナコ

今日帰ってくるわよ、きっと

ハナコ

だからほら…元気出してよ!

ハナコ

ハルカには、笑顔が一番似合うんだから!

ハルカ

ママ…どうして

ハルカ

どうして帰ってこないの…

ハルカ

お部屋のドア…

ハルカ

いくら押しても開かないの…

ハルカ

窓も、ベランダも…

ハルカ

テープがいっぱいで、開かない

ハナコ

…………

ハルカ

もう冷蔵庫、カラッポ…

ハナコ

…………

ハルカ

ハナコが食べられる物ももう、ないね…

ハルカ

ママァ…

ハルカ

早く帰ってきてよぉ…!

ハルカ

うぅ…ぐす

ハナコ

…………

ハナコ

ハルカ…

ハナコ

あたしがそばに居るわ

ハナコ

何があっても…

ハナコ

あたし、ハルカのそばを離れないからね

ハナコ

だから、安心なさい

翌朝

ハナコ

ハルカ!ハルカ!

ハナコ

ハルカ!ほら、早く起きて!

ハルカ

う、うぅん…

ハナコ

おはよう、ハルカ

ハルカ

おはよ、ハナコ…

ハナコ

あなたってば、本当にいつも寝坊助さんなんだから

ハルカ

だって…

ハルカ

まだ眠いんだもん…

ハナコ

そうやって、いつも保育園に遅れちゃうのよね

ハルカ

…………

ハルカ

……ハナコが

ハルカ

しゃべった?!

ハナコ

そうよ、あたし、話せるようになったみたいなの!

ハルカ

すごいすごい!

ハルカ

ハナコが何言ってるのかハルカ、わかるよ!!

ハルカ

わーーい!!

ハルカ

ハナコとお話できるなんて、夢みたーい!!

ハナコ

あたしも、ハルカと話せるなんて嬉しいわ!

ハルカ

…でも、どうしてぇ?

ハルカ

普通は、人間と犬はお話なんて、できないよね?

ハナコ

そうねぇ

ハナコ

きっと、神様が魔法をかけてくれたのよ!

ハナコ

ハルカが寂しくないように…

ハナコ

ハルカがもう泣かないように…

ハルカ

そっかぁ…!

ハルカ

ありがとう!神様!

ハルカ

ほんとだね

ハルカ

ハルカ、もうちっとも寂しくなんかないよ!

ハナコ

ふふ

ハナコ

ハルカは本当に、強い子ね

次の日

ハルカ

お腹すいたよぉ…

ハルカ

ママァ…

ハルカ

ママ…今日こそ、帰ってきてくれるよね…?

ハナコ

…きっと、帰ってくるわよ

ハルカ

…………

ハルカ

昨日もそんなこと言って…

ハルカ

結局ママは帰ってこなかった!

ハルカ

ハナコの嘘つき!!

ハルカ

うわぁーん!!

ハルカ

ママァ〜ッ!

ハナコ

ハルカ……

ハルカ

うぅ〜ッ

ハルカ

ぐすっ…ひっく

ハナコ

ハルカ…泣かないで…

ハナコ

…こんな時こそ、楽しいこと考えましょ!

ハルカ

楽しい…こと…?

ハナコ

そうよ!

ハナコ

ほら、例えば、保育園でお友達と一緒に遊んだこととかね!

ハルカ

お友達…

ハナコ

そうそう!

ハルカ

………

ハルカ

あのね、こないだね、アオイちゃんと一緒にお砂場遊びしたんだよ!

ハナコ

うんうん

ハルカ

アオイちゃんはお城を作って…

ハルカ

ハルカは、遊園地を作ったの!

ハナコ

へぇー…

ハナコ

…どっちもものすごく難しそうね(笑)

ハルカ

うん、すごく難しかったよ

ハルカ

でもね、ハルカが小さい時にママと行った遊園地だからね、一生懸命作ったんだよ!

ハナコ

…そう

ハルカ

それでね、ユウコ先生に『上手だね』ってほめられたの!

ハナコ

ふふ

ハナコ

よかったわねぇ

ハルカ

あ…そういえば……

ハナコ

…どうしたの?

ハルカ

あのね、お砂場遊びしてる時にね、アオイちゃんが言ってたの

ハルカ

アオイちゃん、つくし組のカイトくんのことが好きなんだって

ハルカ

『カレシ』になって欲しいなーって

ハルカ

『カレシ』って…好きな人のことなんだね

ハナコ

………

ハルカ

きっとママも…

ハルカ

好きな人ができたんだ

ハルカ

だから…帰ってこないの?

ハナコ

ハルカ…

ハルカ

ママ、ハルカなんかよりもカレシの方が好きになっちゃったのかな?

ハルカ

きっと…そうなんだ…

ハルカ

ママは、ハルカよりもカレシの方が大事なんだ!

ハルカ

だから、ハルカを置いてカレシのところに行っちゃったんだ!!

ハナコ

それは違うわよ、ハルカ

ハルカ

え…?

ハナコ

ママはね、あなたのことが世界で一番大好きなのよ

ハルカ

本当に…?

ハナコ

ええ、もちろん

ハナコ

ママはね、パパがここを出て行ってしまった後は…

ハナコ

しばらく、ずっと泣いてばかりいたわ

ハナコ

でもね、あなたが生まれてからは

ハナコ

少しずつ元気を取り戻して、毎日笑うようになったの

ハナコ

お仕事だってたくさん頑張って、ヘトヘトになって帰ってきても…

ハナコ

いつでも笑顔を絶やさなかったわ

ハナコ

あたしはね、ここで…そんな2人をずっと見てきたのよ

ハナコ

ママがどんなにハルカのことが大好きで大事なのかは、あたしが一番よく知ってるの

ハナコ

だから、安心なさい

ハナコ

きっと、ママなら大丈夫

ハナコ

ハルカのことを置いて行ったりなんて、絶対にしないわ!

ハルカ

ハナコ…

ハルカ

…そうだよね、ハナコ

ハルカ

ママは…絶対帰ってくるよね

ハルカ

でもね…

ハルカ

ハルカ、お腹がすいてもう力が出ないの…

ハルカ

ハナコも、お腹すいてるよね…?

ハナコ

……そうね

ハルカ

ハナコのジャーキー、ハルカが全部食べちゃったから…

ハナコ

…いいのよ、そんなの

ハルカ

ハナコの体…あったかいね

ハルカ

フワフワで、あったかくて、柔らかくって…優しくて…

ハルカ

大好き、ハナコ…

ハナコ

…………

ハナコ

…ハルカ

ハナコ

これからあたしが言うことを…よく聞いてほしいの

ハルカ

……?

ハナコ

心配しなくても大丈夫よ

ハナコ

ハルカは、強くてとても賢い子だから…

ハルカ

うん、わかった

ハナコ

いい?よく聞くのよ

3日後

ガチャン!

ドタバタドタバタ…

ハルカ

………?

刑事A

…おい!ドアがテープで目張りされてるぞ!

警官

あ!お待ち下さい、お母さん!!

バリッ!ベリベリベリベリーッ!

ハルカ

………ママ?

バターン!!

ママ

ハルカ!!

ハルカ

……ママ!

ママ

ハルカッ…!

ママ

あぁ…!!無事だったのね?!

ママ

よかった…よかった!!

ママ

ごめんね…!

ママ

ごめんねハルカァッ……!!

刑事A

うっ…なんて匂いだっ…!

刑事A

…おい!子供がいたぞ!!

刑事A

無事に保護した!!

刑事A

至急、救急車を頼む!!

警官

はい!

ハルカ

ママァ…遅いよぉぉぉ

ママ

ごめんね…ママのせいで…!

ママ

ママのせいで、ハルカにこんなに辛い思いさせて…!

ママ

辛かったよね、苦しかったよね、怖かったよね?!

ママ

もう、大丈夫だからね!!

ハルカ

ハルカなら大丈夫だよ!

ハルカ

ハナコがずっと一緒にいてくれたから!

ママ

ハナコが…?

ハルカ

うん!

ハルカ

…あれ?ハナコは?

ハルカ

ついさっきまで、そこにいたのに…

ママ

……あなた、それ、何?

ママ

その、お皿…

ハルカ

これ?

ハルカ

ハナコがね、教えてくれたの!

「こうするとね、おいしいお肉が食べられるよ…って」

ママ

………

警官

うわっ?!

刑事A

どうした?

警官

なんだ、この鍋の中身?!

警官

猫の頭…?!……いや、犬か?!

ハルカ

それね、ハルカが頑張って作ったんだよ!

ハルカ

すごいでしょ!

ハルカ

ハナコがね、ずっと横で作り方を教えてくれてたんだ

ハルカ

火の使い方とか、味付けの仕方も!

ハルカ

だからね、すごく柔らかくておいしかったよ!

ママ

………

ママが台所に駆け込み、鍋を掴んで中身を見た

ママ

……う

ママ

ハ、ハナ…コ

刑事A

まさか…ペットの犬を…調理したのか…?!

刑事A

それを食べながら、今日まで持ち堪えた…っていうのか…?!

ママ

うっ……うおぇっ…!

ハルカ

どうしたの…?ママ

ハルカ

ハルカが勝手に火を使ったから…怒ってるの?

刑事A

……極度の飢餓によるストレスで、行動の分別がつかなくなった…と、いうところか

刑事A

あるいは、ペットの幻を見ていた…か

ハルカ

マボロシなんかじゃないもん!

ハルカ

ハナコはずっと、ここにいたもん!!

ハルカ

神様がね、ハナコがお話できる魔法をかけてくれたの!!

ハルカ

ハナコは、大好物のジャーキーをハルカに食べさせてくれたり…

ハルカ

眠る時も一緒に布団にくるまって…

ハルカ

ママがカレシの所に行っちゃったってハルカが泣いてたら、

ハルカ

『ママは必ず戻ってくるよ』って…

ハルカ

ずっと、ハルカのこと元気付けてくれたんだから!

ママ

………

ハルカ

ハナコの言う通り、ママが帰ってきてくれた!

ハルカ

ハナコにお礼言わなきゃ!

ハルカ

ねぇママ…ハナコ、どこ?

刑事A

ハ、ハルカちゃん…ハナコはね、

ママ

待って下さい!

ママ

ハルカ…

ママ

ハナコはね、魔法がもう切れちゃったの…

ハルカ

…えぇ?

ママ

ハナコは…ハルカを守るためにね、力を全部使い果たしちゃったのよ

ママ

だからね、もう…神様の所に行かなきゃいけないの

ハルカ

そんなぁ…

ハルカ

じゃあ、もうハナコに会えないの…?

ハルカ

そんなの、やだよぉ…

ハルカ

ハナコと…もっと、お話したかったのにぃ…!

ママ

大丈夫よ、ハルカ

ママ

ハナコはね、優しい神様の元で暮らせてきっと幸せだから…

ママ

それにね、ハルカのことずーっと、見守ってくれるはず

ハルカ

……本当?

ママ

えぇ…本当よ…

ハルカ

……わかった!

ハルカ

ハルカ、ハナコが幸せなら…寂しくないよ!

刑事A

それでは、ハルカちゃんを自宅に遺棄したことを認めるんですね?

ママ

……はい

ママ

私は…二週間ほど前の日の夜、眠っているハルカと…飼い犬のハナコを部屋に残して

ママ

ガムテープで…すべての出入り口を塞いで、家を出ました

刑事A

…なぜ、そんなことを?

ママ

好きな人が…いたんです…

ママ

付き合い始めてしばらくして、ある日…彼に言われたんです

ママ

『子供がいなきゃ、もっと自由に会えるのに』って…

ママ

一度、私の方から別れようとしました…

ママ

私には娘がいるし、彼のことは好きだけど…彼を苦しめたくはなかったから

ママ

でも、彼は私と別れるつもりはないようで…今までズルズル付き合ってきたんです

ママ

そして、あの日の夜、彼に呼び出されました

ママ

『もう限界だ、子供を捨てて俺の所に来て欲しい』…と

ママ

私…

ママ

彼と別れたくなかったんです……!

刑事A

……で、彼を選んだんですね?

ママ

違うんです!!

ママ

無我夢中でテープを切っては貼りつけて!出入り口を塞いでっ…

ママ

スマホだけ手に取って逃げるように家を飛び出してっ…

ママ

必死で階段を駆け降りて、マンションの下に停まってる車の窓から、彼の顔を見た瞬間に…

ママ

……やっぱりこんなこと、できるはずなんてないって…!

ママ

私は…

ママ

私は、なんてことをしようとしてるんだって…!!

ママ

…そう思いとどまったんです!

刑事A

……そこで、家に戻らなかったんですか?

ママ

もちろん、そうするつもりでした!

ママ

だから、私が何をして家を出てきたのか…すべて彼に話して、別れを告げたんです

ママ

娘にこんなむごい仕打ちはできない、と…

ママ

一刻も早く家に戻って、テープを剥がして、娘に謝りたい…と!

ママ

娘が大切だから、もう終わりにしたい…そう告げました

ママ

すると彼は、『そんなのは許さない、俺がどれだけお前を愛してるのかを教えてやる!』、と激昂して…!

ママ

何か…薬のような物を嗅がされたような気がします…

ママ

そして…気がつくと、彼の自宅の地下室に監禁されていました

ママ

その間、私が何度も娘の元に帰してとお願いしても彼は聞く耳すら持っていなくて…

ママ

その代わりに……何度も何度も、私の…身体をっ…!!

刑事A

…もう充分です

刑事A

山田くん、どう?

刑事B

…被疑者の男の供述通りです

刑事A

うむ…

ママ

一瞬の気の迷いで…

ママ

あの子の命を危険にさらしてしまったんです…私…!!

ママ

母親…失格です……!!

ママ

然るべき罰は受ける覚悟です

刑事A

………

刑事A

一瞬でも、罪は罪ですからね…

刑事A

実際、ハルカちゃんは大事なペットの犬を食べてしまうところまで、追い詰められてしまったわけですから…

ママ

………

ママ

私…

ママ

ハナコは…本当にハルカのそばにいたんだと思います

ママ

私が出ていこうとした夜、ハナコはもちろん生きていて、そばで私の犯行を見ていました

ママ

不安そうな目で…

ママ

おそらく、数日間は何かを口にしながら生きながらえていて…

ママ

やがて食べる物がなくなって力尽きて、死んでしまった

ママ

そしてハナコは、死んだ後もハルカを支え続けて…

ママ

ハルカを助けたい一心で、自分の亡骸を食べるように仕向けた

刑事A

うーん…

刑事A

にわかには、信じ難い話ですねぇ

ママ

私にはわかるんです

ママ

結婚したものの、私が妊娠中に夫と離婚して、夫がここを出て行って…

ママ

泣いてばかりの私のことをハナコはずっと、慰めてくれたんです

ママ

そして、ハルカが生まれてからは…

ママ

いつも、お姉ちゃんか母親みたいにハルカの成長を見守ってくれてた

ママ

ハナコは優しい子だから…

ママ

ハナコは…

ママ

最期まで…きっと、私のことを信じてハルカを守ってくれたに違いありません…!

ママ

こんな…こんな最低最悪な飼い主を、あの子は…!!

ボロボロと涙が溢れ出した

ママ

ごめんなさい…!

ママ

ごめんなさい、ハナコ…!!許して……!!

ママ

そして…ありがとう……っ!!

刑事A

………

ママ

刑事さん…

ママ

私…

ママ

いつかまた…ハルカと一緒に生きていきたい…!

ママ

罪を償って、もう一度あの子の母親として生きたいんです!

刑事A

………

刑事A

犯人から解放されたあなたは、我々の制止も聞かずに一番にここを目指しました

刑事A

ただ単に監禁されていた被害者として振る舞い、隙を見て逃亡することも可能だったはずなのに…です

刑事A

それが、何よりの証拠ですよ

刑事A

しっかりと罪を償い、今度はその手でハルカちゃんを守って下さい

刑事A

……あなたなら、できますよ

刑事A

…きっと

刑事A

きっと、ハナコもそう言って笑っていますよ

3年後

ハルカ

ママ、遅いよー!

ハルカ

早く早くー!

ママ

もうハルカったら、ちょっとぐらい待ってよぉ

ママ

そんなに急がなくても、遊園地は逃げないわよ(笑)

ハルカ

だってぇー

ハルカ

小さい頃の思い出の遊園地が私を呼んでるんだもん!

ママ

はいはい…もう

ママ

あ、ハルカ!

ママ

出掛ける前に…ほら、忘れちゃダメよ?

ハルカ

あ、そうだった!

ハルカ

ごめんごめん…

 ペット用の小さな仏壇の前に正座すると、ハルカは手を合わせた

ママ

あれからもう3年たつのね…

ママ

早いものね

ハルカ

私、今でも時々ハナコが近くにいるような気がするんだ

ママ

ママもよ…

ハルカ

……ねぇママ

ママ

ん?

ハルカ

私ね、未だにわからないことがあるの

ハルカ

刑事さんたちは『2週間、何も食べなかったんだよ』って言ってたけど…

ハルカ

……2週間も食べずに生き延びることなんて本当にあり得るのかな…?

ママ

………

ハルカ

私が保護された時のことはあんまり覚えてないんだけどね、

ハルカ

寂しくて泣いてたら…ずっと、ハナコがそばで慰めてくれてたのは覚えてる

ハルカ

それで…

ハルカ

ハナコが、言ったの

ハルカ

『ここにある、抜け殻を食べなさい』って

ハルカ

なんだか私、あまり自分が何してるのかハッキリしなくて…

ハルカ

でもね、私が「それ」を食べてる間も、そばでハナコが座ってたんだ

ハルカ

私…

一体、何を食べたのかな…?

ママ

ハルカ…

ママ

心配しないで

ママ

ハナコがあなたを助けてくれたんだから

ママ

ハナコが助けてくれなかったら、今のあなたはここにいないんだから…

ハルカ

……そうだね

ママ

ほら、早くしないと遊園地、混んじゃうよ

ハルカ

うん!

靴を履き、玄関のドアを開けた

ハルカ

………?

『トタトタトタトタトタ……』

小さくて、弾むような足音が玄関に向かってきた

出掛ける前に、いつも聞いていたあの足音

ハルカ

ハナコ…?

ハナコ

…キャン!

玄関で、お座りして見送るハナコの姿が見えた気がした

ハルカ

……行ってくるね、ハナコ!

キミに会いに行きます

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ワンチャン大好き(話が違う!)

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