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来世では、きっと君と。

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来世では、きっと君と。

1 - 来世では、きっと君と。

♥

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2020年01月17日

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Attention

こちらは腐向け、nmmn作品になっております。

苦手な方は自衛、意味がわからない方は回れ右をお願いします💦

そしてこちらはskur、忘愛症候群、死ネタ、長編です₍ ᐢ..ᐢ ₎♡

それでもいいよ!という方はどうぞ✨

今日は浦島坂田船春ツアーのリハ。

浦島坂田船でのリハはハロパぶりだから結構楽しみ。

urt

よしっ、行くか!

久々だったからなのか、

足取りはかなり軽かった。

urt

おーっす

snr

あ、うらたんやっほー!

urt

ぐぇっ、さかたいんじゃん…

urt

明日は嵐だなwww

snr

俺と一緒に来たもんな!

skt

…はい……?

urt

…さかた?

skt

…センラ

snr

ん?

skt

この方…誰…?

…嘘だろ?

urt

は…?

snr

いやいやいやいや、うらたんやで?うらたん…

snr

さかたの彼女やんか、

きっと、何かのドッキリだ。

志麻くんがネタばらしに来るんじゃないのか…?

skt

いや、僕ほんまにこの方知らんし…

skt

それになんか…嫌や、。

嫌…?こいつが、俺を?

自分で言うのも少しおかしいが

浦島坂田船メンバーからしたら言ってもうんうんと感じるほど

こいつは俺のことがかなり好きだ。 俺を嫌うなんて、ありえるわけがない…。

urt

…嘘だろ?

urt

何言ってんだよさかた…笑

すっと近付いてさかたの肩を持とうとした。

skt

やめっ…

と、はじかれてしまった。

本当に嫌そうな声で、 本当に嫌そうな顔で。

snr

…坂田、なんかのドッキリやろ?な…?

skt

は?

段々と、イラつきを表に出し始めた。

skt

僕、この人知らんってさっきから言うとるやんか

skt

知ってる知らないの問題以前に、なんか苦手やし…。

urt

………

snr

はぁ!?

snr

どうかしてるでさかた、だって、

センラが何かを言いかけた時。

sm

やっほーーーいっ!!

snr

志っっっっ麻くんきいてやっ!

sm

なに?!

snr

さかたがうらたんのこと忘れて…急に嫌ってて…!

sm

はぁ!?

skt

だ、だって僕こんな人知らへんもん!

sm

………せや。

まーしぃは少し考え込んだあと、

sm

…さかた、病院行こか。

skt

は!?

なぜか俺、志麻くん、さかた、センラは病院へ向かった。

俺からなるべく離れるさかたをみると、ひどく胸が傷んだ。

これまでさかたに拒絶されるなんて絶対にありえなかったから。

俺も拒否はするけど、ただ単に恥ずかしいだけであって…。

本当はあいつ以外に愛せる人なんて居ないほど、

あいつしか目に入らないのだ。

医者

坂田さんを病室に。

ナース

はい

skt

な、なんでっ

訳がわからない、というままさかたは病室へ。

医者

えーと…

医者

浦田さんが合鍵持ってるって言いましたよね?

urt

あ、はい。

urt

仲良…かった、んで…

医者

大丈夫ですよ、隠さなくて

urt

………。

だめだ、俺。照れるんじゃない…()

医者

で、坂田さんですが…

医者

月崎さんが気付いたということは

医者

月崎さんはお知りで?

sm

…まぁ、一応。

sm

でも違いますよね?さすがにただの記憶障害とか…

医者

残念ですが…

sm

…そんな…

医者

坂田さんは、「 忘愛症候群 」です。

urt

ぼうあい…?

医師は紙とペンを取り出し、

「 忘愛 」と書いた。

医者

「 忘 」れる「 愛 」…

医者

「 愛 」を「 忘 」れる、で忘愛。

urt

……

医者

名の通り、一番愛する人を忘れてしまうんです。

医者

忘れるだけじゃなく、拒絶までしてしまいます。

snr

そんな…。

今にも溢れ出しそうな涙を抑えて恐る恐る聞いた。

urt

治療法は…ありますか…?

するとしませんは「 たしかに 」という表情をして、医師を見た。

医者

今のところは見つかっていません…

urt

…そう、ですか

俺にはどうしょうもないことなんだ。

思い出してもらうことすら不可能で、

その上拒絶までされていて、

しかも治療法がないだなんて…

医者

浦田さん、坂田さんの必要なもの持ってきてもらうことできますか?

urt

…はい。

urt

…はい。

さかたの部屋に行くのも辛いだろうに、

その場で合鍵を持ち合わせていたのはうらたんしか居なかった。、

普段でさえ小さい背中が、

なんだか更に小さく見えた。

医者

…志麻さんとセンラさんに、お話したいことがあります

snr

…はい

sm

何ですか?

医者

実は…治療法、あるんです。

sm

はぁ!?ならもっと早く、

医者

ですが、それは…

医者

浦田さんも、月崎さんも折原さんも…

医者

なんなら、坂田さんも悲しむことです

snr

それは…?

医者

忘愛症候群になった方の愛する方…

医者

つまり、浦田さんが死を迎えることで

医者

坂田さんは思い出します…

smsn

嘘ですよね…?

医者

残念ですが…本当です

snr

そんな………

あまりにも残酷すぎる。

…でも、そうするしかない。

___この日から

うらたんとさかたの、冷めた生活が始まった。

今日はセンラと二人で病室に行く。

少し怖いけど、思い出してもらわなくちゃ。

snr

失礼しまーす

skt

せんらっ!

skt

僕、よう分からんけど病室突っ込まれてさ…って、

skt

なんでおんの?

俺を見た瞬間、見慣れた整った顔が歪んでいく。

urt

…俺のこと、思い出してもらいたくて

skt

思い出すも何も、無関係や。僕は知らん。

snr

さかたっ、リーダーにんなこと言ったらあかん

skt

はぁ?

skt

俺らのリーダーはセンラ、お前やろ?

skt

こんなやつグループに入れた記憶無いわ

urt

ねぇセンラ、もういいってば

snr

…うらたんが言ってるからやめますけど

snr

さかた、お前はうらたんに救われて

snr

「 うらさんが居なきゃ浦島坂田船は成り立たない 」

snr

「 僕の兄さん 」

snr

「 うらさんしか見えへん 」

snr

とか言ってたさかたはどこ行ったん…?

大きな蜂蜜色の瞳から涙を流してさかたを睨んだ。

skt

は…?

skt

浦島坂田船って、なに?

skt

「 島坂田船 」やろ、僕ら?

snr

おま…ッ

urt

いいって言ったでしょ、センラ

だんだんと自分の視界も歪んできた。

泣いて、余計鬱陶しいと思われるのは嫌だ。

だからもう、一秒でも早くここから出たかった。

snr

…さかたの、ばかっ、

urt

………

ドアを閉める前、さかたに向かってその言葉を吐き捨てたセンラは

まるで自分が忘れられたかの様に切なげな表情をしていた。

何、俺より悲しんでんだよ。

そこから家に帰るまで、俺達は一言も発さなかった。

…いや、互いに発せなかった。

無理に発言して、傷付けるのが怖くて。

snr

…ごめんな、うらたん

urt

…ううん。

urt

こっちこそごめん…あと、ありがと。

snr

…じゃ

urt

気を付けてな。

snr

…うん。

この日だった。 俺に終わりのない悪夢が襲いかかったのは。

あれから毎日、病室に通うことにした。

ただ、思い出してほしい一心で。

また、あの優しい笑顔でふんわりとだきしめてほしくて。

嫌悪に満ちた、光のない目で罵倒されるんじゃなくて。

大好きな、大好きなあの笑顔が見たいんだ。

urt

失礼しま、

ドアノブに手をかけた瞬間。

sm

は!?坂田、お前それ本気で言ってるんか!!

防音部屋の為うっすらとしか聞こえないが

初めて聞くような志麻くんの怒鳴り声と、

snr

志麻くん!一回落ち着いて!

と止めに入るセンラの声。

urt

ちょ、

ドアを少し開けかけたとき。

skt

…いや

という大好きな声に反応して手を止めた。

skt

だからまず僕は知らんねん。

skt

顔も見たくないくらいには

やめて、やめてよ。

skt

俺、あいつのこと

その先だけは、お願いだから。

skt

嫌いや

その瞬間、俺は飛び出した。 今までのさかたとの記憶を消したくて。

病岩から出ると外は真っ暗で、

雨がザーザーと降りしきっていた。

urt

……

ただ、たまたま目の前を通ったバスに乗ってぼーっとしていた。

すると、後ろに座っていた女子高生の声が耳に入って来た。

女子高生

ねえまねぇ、忘愛症候群って知ってる?

「 忘愛症候群 」という言葉に思わず反応してしまった。

女子高生2

何それー?

女子高生

一番愛する人の事を忘れる上に、

女子高生

拒絶までしちゃうらしいよ

女子高生2

えーっ、可哀想~

女子高生

ね!確か治療法は…

「 ないらしいよ 」「 え!うそ~~ 」

って、どうせ終わるんだろ?

なんて冷たい想いを脳内で吐き出すと

女子高生

その忘れられた人が死ぬこと、だとか

urt

…は?

思わず声が出たが、それも仕方ないだろう。

俺が、死ぬこと?

死ねば思い出す、簡単だ。。

でもきっと、俺に消えて欲しくないから言わなかったんだろう。

___とんだ綺麗事だなぁ。

なんて思いながら、適当な場所でバスを降りた。

それからの記憶は、まったくない。

さかたがうらたんを忘れて、

1週間が経とうとしていた。

snr

…うらたん、ちゃんと通ってるんかな

sm

さぁ…電話かけてみれば?

snr

せやな。

プルルルルルルル…

snr

…んる

かまちょなうらたんなら、すぐ出ると思ったんに…

お仕事かな。

snr

でぇへんで?

sm

大丈夫、なんかな

snr

さぁ…?

諦めて電話を切ろうとしたとき、

プチっ、と電話が繋がった。

ナース

もしもし?浦田渉さんのお友達ですか?

snr

え、あ、はい…?

ナース

〇〇医院の者ですけど

snr

え!?

〇〇医院というと、さかたが入院している病院だ。

うらたんに何が…?

ナース

あっ、はい!

誰かと話しているのが分かると、すぐに低い声の男性に変わった。

医者

もしもし、僕です。院長です

snr

あぁ!うらたんに何が…!?

医者

道端に倒れていたらしくて…。

医者

運ばれてきたのですが、かなり栄養が足りていなくて…

snr

そうですか…とりあえず向かいます!

医者

はい。125号室でお待ちしております

snr

うらたんっ

urt

せんぁ…

sm

うらたさん!!

urt

しぁくん…?

snr

平気なん!?

走って近付くと、優しく笑った。

urt

いちおう、は

見る限り顔色は悪いし、滑舌も少し悪い。

urt

………あのね

何があったか聞き出そうとすると、聞く前に話し始めた。

urt

さかたが、俺のこときらいっていったのきいて…

sm

え"

urt

なんも考えずにバス乗ってたら、じぇーけーが

snr

JK…

頭に残るワードだがスルー。

urt

忘愛症候群は愛する人がしんだらなおるって…

snr

な……っ

urt

そっからは、あんまり…。

sm

知っちゃったか…

snr

…うらたん、絶対に死なんでや?

urt

………うん

少し戸惑っていたように見えたが、

小さく頷いたうらたんに安堵して

僕と志麻くんは各自、家に帰った。

urt

…午前4時

少し小さめのアラームをつけて目覚めた。

4時ならナースも見廻っていない。

慣れない布団、見慣れない天井。

栄養失調だかなんだかで入院している

俺の部屋は125号室、死ぬ為にはかなり低い。。

だから、さかたの部屋。

809号室で___俺は

飛 び 降 り る 。

なるべく小さな音でドアを開けて、

urt

…誰も居ない、よな?

かいだんをすこしずつのぼっていく。

urt

8、階

くるりと向きを変えて

urt

801…803…

少しずつ少しずつ、小さく歩く。

urt

809…。

ドアノブに手をかけて、目覚めないように音を建てず開ける。

urt

さかた、久しぶりだね?

ゆっくりと近づいて、頬を撫でる

urt

…ほんと、目覚め悪すぎ

“ あの頃 ” を思い出して、少し涙ぐむ。

urt

隣、失礼するね

さかたのベッド横にあるテーブルの前の椅子に座る。

ポケットから、小さく折りたたんだ紙とペンを取り出して、

〈 俺のことが大好きなさかたへ 〉

なんて、ふざけてみる。 …でも事実だから、別にいいだろ。

skt

……んぅ

さかたは寝言を話したり、よく寝返りを打ったりする。

それが少し怖くて、少し面白くて、すこし

愛おしい。大好きだった。

urt

おわった~~~!

小さく背伸びをして、さかたに近付き、

urt

さかた、すき

艶のある綺麗な赤髪に触れた。

urt

…じゃあね、さかた。

窓際からさかたを見て、外に1歩足を出した。

urt

だいすき

ふわり、俺の髪が舞って

頭が地についた頃には

もう俺の意識はなかった。

skt

んんー…。

激しい頭痛と吐き気で目が覚めた。

skt

い"っってぇ…

眠れば治るかな、なんて目を閉じる。

skt

…え?

突然、ある人の名前が思い浮かぶ。

skt

…うらさん?

うらさん。何かがその名前を引き止めた。 

よく分からないけど、なんだか懐かしくて心地が良かった。

カララララ…

snr

お、さかたにしては早起きやん

skt

頭痛が痛くて

snr

…それ同じ意味やで…?

skt

あー……。

skt

ところでセンラ、うらさんって誰か分かる?

skt

なんか大切な人だった気がして…

snr

…さかた、いまなんて言うた……?

ありえないという表情で僕の顔を覗いた。

skt

う、うん。うらさ…

ナース

折原さんっ!!大変です!!浦田さんが…っ

skt

……え?

snr

うらたんがどうしました!?

ナース

自殺しました…!

ナース

ま、まだ生と死の狭間って感じですけど…!

snr

…っそうですか、いきますっ!さかたはここにいて!

skt

え、あぁ…うん?

よくわからないが、とりあえずセンラを見送った。

skt

…よいしょ

ゆっくりと立ち上がり、視線を下に落とした。

skt

〔 俺のことが大好きなさかたへ 〕……?

その字はどこか見覚えがあった。

skt

〔 さかたがこの手紙を読んでる頃には、もう俺はいないのかなぁ…。

skt

一応、書くね。 〕

urt

俺とさかたは、恋人でした。

urt

互いに本当に大好きだったって、胸を張って言えるくらい…

urt

本当に、仲が良かった。

urt

…俺はちょっとうまく伝えられなかったけど。

urt

それで___

それから後も何十行も書いていたのを読み終わった。

urt

〔 さかたのことが大好きな うらたより 〕

skt

……か。

その最後の文は、涙で濡れたのか滲んでいた。

泣きながら書いたのかな。

僕はどうして、自分がこんなに大切にしていた人の命を

自分の病のせいで奪ってしまったのだろう。

skt

…今、行くからね

うらさんが飛び降りたはずの窓から落ちて風を切った。

僕の体はアスファルトに打ち付けられた。

今、会いに行くからね。うらさん…

snr

…ッグス、うらたん…っ起きてやぁ…!

sm

ゔらたさんッ!!

ぱちり、目を開いた。

urt

んん……

そこは何度目かの病室の天井。

snr

う……らたん……?

urt

せんら、?

snr

うらたん……!

urt

お、おれ死んだんじゃ…

snr

うん…

snr

さかた、半分くらいやけどうらたんのこと思い出したんやで!

urt

…え!?

嘘だろ、なんて思ってしまうほど嬉しかった。

夢みたいだ……!

snr

でも、うらたん怪我酷いやろ?

snr

やから、良くなってから行こなぁ

urt

そっか…分かった!

もう一度、あの笑顔が見たい。

あくまで 「 半分 」 だから、

はっきりは覚えてなくても。 それでもいいから。

__そんな俺の淡い期待はすぐに壊された。

ナース

折原さん!!!

snr

なっ、、なんですか!?こんな連続で!!

ナース

こ、今度は坂田さんが!

snr

さかたが何を…!

ナース

実は…っ

snr

うらたんを追って自殺…!?

ナース

はい、まだ亡くなるかは分かりませんが…!

sm

そんな…

俺を追って、自殺……?

そんなの、俺が殺したも同然じゃないか。

もう、この事全部忘れたい。

心からそう願った。

ナース

かなり重症でして…

ナース

手術が今晩…いや、明日の朝までかかりそうです…

snr

…そう、ですか……

助かったとしても、

半分しか覚えていない人のことを追いかけて自殺までさせてしまったのに

どうやって顔を合わせればいい?

どうやって、あの人を優しく抱きしめたらいいのか?

俺には分からなかった。

うらたんに続きさかたも自殺…。

うらたんは助かったけども

とりあえず、明日は面会時間開始ぴったりに行こう。

心配電波位で仕方がない。

snr

…大丈夫、かな

それはもちろんさかたに向けて。

…そして、うらたんにも向けて。

snr

うらたん!

urt

あ、センラ!

urt

早かったな、おはよう。

snr

うらたんが心配でな…

snr

あ、さかたはまだ手術中?もう終わったんかな

urt

ふとうらたんを見やると、

首を傾げて不思議そうな表情を浮かべていた。

snr

…さかた。昨日、自殺したやろ

snr

まだ死んだか分からへんけど…

urt

…さかた、って?

snr

……は?嘘やろ?

嘘だ、そんなわけない。

ありえないんだ。絶対にありえない。

そんなこと……。

urt

だぁれ、そのひと?知り合いか?

純粋な翡翠色の瞳が俺を映す。

snr

さ、さかたやで…?

snr

昨日まで一緒に話してたやん、さかたのこと

urt

…わかんない、俺

…そう。きっと、ただの記憶障害なんだ。

医者

…すみません浦田さん折原さん。診査室へ

snr

…はい

さかたは無事か?うらたんは平気なのか?

悩んで脳内が混乱したまま、審査室へ向かった。

医者

坂田さんですが…

ごくり、息を呑んだ。

snr

はい……っ

医者

お亡くなりに、なられました…。

snr

そんな……!

なんで、なんでだ……?

どうしてうらたんもさかたもこんな目に遭わなきゃいけない?

もっと他の人がいるはずだ。それなのに、なんで、ふたりが…?

医者

我々も最善を尽くしましたが…。

ドラマで聞いたようなセリフ。

聞きたくなんてない、何も。

snr

……あ、そうだ先生。

snr

うらたんが、さかたのこと忘れたみたいで……!

医者

……一応、検査してみましょうか。

医者

……折原さん。落ち着いて聞いてください。

あぁ、もうだめだ。

何でなんだろう。

どうしてこの世界は、こんなにも残酷なのか?

どうしてこの世界は、こんなにもこんなにも、

幸せな人達から

幸福を、奪っていくのだろうか。

医者

忘愛症候群でした…

snr

…っ、なんで!!

医者

既に死亡済みの方を忘れるケースは初めてです…

医者

……分かりますよね、折原さん……

snr

……っ

既に死んでいる人を忘れた、ということは

思い出すことなんてない、ってことだ。

さかたを死ぬまで忘れたままうらたんは生きていくのか?

snr

な"ん"で……っ!

どうして他の誰かじゃない?なんで?どうして?

医者

…ごめんなさい。

医者

浦田さんは125号室に戻りました…

snr

……はい

感情も何もないまま、125号室に足を動かした。

snr

うらたーん…

ドアを開けて、名前を呼ぶも返事はない。

寝たのだろうか。

snr

…うらたーん?

いや、うらたんならそんな短時間じゃ眠れないはず。

さかたじゃあるまいし…な。

ささ、とベッドのカーテンを開けると、

snr

…え

そこに彼の姿はなかった

snr

…まさか、ね。

窓のすぐ下を覗くと、

茶色のふわりとした髪は、血の紅で染まって

手足は普通曲がらない方向に曲がっていた。

snr

うらたん!!!

すぐベッド横のナースコールを鳴らすと、

数十秒後くらいにナースが来た。

ナース

どうしました!?

snr

うらたんが…っ、うらたんが飛び降りたみたいで……ッ

ナース

えっ!?

でも…おかしい。何かが、おかしいのだ。

snr

……1階で、死ねます?

ナース

…ちょっと来てください

医師にうらたんの事を伝えて頼んだあと、

何度か訪れた805号室に着いた。

ナース

…やっぱり

誰の名前も書かれていないネームプレートの横のドアは、

何故か開いていた。

snr

…なんで、開いて……?

ナース

…浦田さん、きっとここから飛び降りました

snr

……!

よく考えたら、そうだ。

125号室も809号室も、階段を登ってすぐの部屋で

院内を上から見た時の位置は同じ場所なのだ。

809から落ちれば、125から落ちたようにも見える。

snr

…でも、

snr

なんでわざわざ809で……?

809号室はさかたの部屋だったはずだ。 覚えていないはずなのに___。

___あれから、もう10年が経過した。

俺は38歳、志麻くんなんて40歳だ。

未だに、うらたんが809から飛び降りた理由はわからない。

もちろん、浦島坂田船なんてもう存在しない。

しませんだけが残ったまま…。

「 うらたぬき 」「 となりの坂田。 」

は、YouTubeとニコニコにだけ

今もみんなの中で、残り続けている。

urt

…なんだよ、忘愛症候群って。

忘愛も何も、一番会いしている人なんていない。

志麻くんもセンラももちろん大切だが、

それは決して恋愛感情ではないから。

skt

〈 …うらさん 〉

urt

うわっ!?だ、誰ですかっ

skt

〈 僕だよ、さかた。 〉

urt

……?

誰なんだ?誰かはわからないが、

綺麗な赤髪と大きく揺れるルビーのような瞳が俺を捉えている事に

嫌悪感が押し寄せる。

urt

…ごめんなさい、分かりませんし…

urt

勝手に入ってこないでください

skt

〈 ……おいで 〉

細いが少し筋肉質な腕に掴まれて階段を登らされる。

urt

ちょ、やめっ!!

止まれないまま、8階の809号室に入った。

skt

〈 …ねぇ、うらさん 〉

urt

…はい

知らない人といえど、呼ばれると反射的に反応してしまう。

skt

〈 …僕ね、ここから飛び降りてね、死んだんだぁ…。 〉

urt

……っじゃ、なんでここに…!

skt

〈 うらさんに降りてもらいたくてさ 〉

urt

はぁ!?

何を言ってるんだ、この赤髪…

見ず知らずの人に死ねって言われてるこの状況誰かちゃんと説明して?

skt

〈 ほら、いこう? 〉

urt

えっ、ちょ!

制御しようと手を伸ばした頃にはもう宙に居た。

skt

〈 ね、うらさん。気持ちいいね、風 〉

urt

さか、?

8階だから下に落ちるまで数秒かかる。

激しい頭痛が一瞬俺を襲い、手を繋いでいる赤髪の記憶が戻りだす。

urt

まって、さかた、ごめん、おれ…っ

skt

〈 平気だよ。怖くない。 〉

urt

すきっ、ねぇさかた、ごめん、っ

skt

〈 大丈夫。僕も好きだよ 〉

skt

〈 向こうではきっと、幸せになれるから 〉

その後、俺はひどい音を立ててこの世から消えた。

どうか来世では、幸せに過ごせますように。

どうか来世でも、君達と笑いあえますように。

___どうか来世でも、またあいつと

幸せになれますように。

蓮愛

ハァアアアチャアアアア!!!!

蓮愛

投稿遅れちゃってごめんなさい!わいわい!

蓮愛

久々の長編忘愛症候群(さかうら)……!

蓮愛

やっぱ忘愛症候群楽しいなあ、って思いました。

蓮愛

まさかのタップ数555。驚きましたよ見たとき

蓮愛

さかうらちゃんには幸せになってほしいです🤦

蓮愛

次の作品は多分、smsnk(sksnあり)だと思います!

蓮愛

最後まで見てくださってありがとうございました✨

この作品はいかがでしたか?

150

コメント

14

ユーザー

うん、好きだわ。(目からめっちゃ雨降ってくる…何でだろ…?) あと、ブクマ失礼します!!!!

ユーザー

もう少し…名前に工夫があった方がいいんじゃないでしょうか…? 作品は神ですけど( '-' )

ユーザー

好き、、、(´;ω;`)

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