「 その命の代わりに致死量の愛を。 」

唐突な質問に飲み掛けた紅茶を置く

残り数年間で就職して、大人になって、

そんな事を考えられない程には

彼を好きになり、夢中になる

本当に嬉しそうに微笑む

目が笑っていない上辺だけの笑みは 波瑠なりの巫山戯

２人して目を合わせて笑い合う

そんな日々に幸せを感じる

小洒落たカフェで待ち合わせる

嘘

君は私とどうなりたいのか

少し知りたかった

波瑠と居る時とは少し違う ２人の間に流れる空気

見つめ合っては微笑む

只、それだけで心地いい

少し恥ずかしくなって歯切れが悪くなる

顔に熱が集まってゆく

怒ったフリをすれば 愉しそうに笑う君が居て

何処か何時もと違えば すぐに気が付く君が居て

何だかんだ言って

何時も考えてる事は同じ

１人で意気込む彼は

私を１番と言っていい程には知っていて

私が思っている以上、その倍くらいに 彼は私を想っていて

本当に幸せを感じる

幸せとは何か

そう問われたなら

彼が、私を愛してくれる人が居る事

そう答えると思うの

右に２つ隣の席に座っていた 高校生らしい男女を見て

微笑ましくなる

嬉しそうに微笑む彼を見て

幸せを噛み締める様に

砂糖を足した紅茶を口に含んだ