テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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我々怪異研究部!!

第18話 - 怪異レポート5《踊り場の大鏡》

902

2024年12月31日

#司類

#冬彰

#ホラー

#ほのぼの

#感動

あかまる🍓🐾໊

類

なるほど、補習の日にそんなことが…

冬弥

ぶ、無事で良かったです。本当に…

司

正直めちゃくちゃ怖かったがな。

彰人

流石に焦りましたね。

類

そりゃそうだよ…本当に、無事で良かった。

彰人

あ、そういえば…あの怪異って、5つ目なんですよね？

司

ああ、そうだ。

彰人

4つ目は何なんですか？

司

うむ、想定外のことで順番が逆になってしまったが、今日は４つ目の話をしよう。

司

４つ目の怪異は、鏡だ。

類

おお、如何にもだねぇ

司

東館3階の階段の踊り場に、普段は無いはずの大鏡が現れる時間があるらしい。

司

その時間は何故か、『4時32分』と『4時49分』。

彰人

うわっ、微妙……

冬弥

4時44分…とかじゃないんですね。

司

ああ。何故かこの2つの時間らしい。

司

大鏡はこの時間に現れ、そして、その鏡に映っている自分に質問すれば、なんでも答えてくれるそうだ。

司

ただし、大鏡が現れるのは1分間だけ。それに、1人の時にしか現れないという、何とも条件の多い怪異だ。

司

オレは怖くて試したこと無いが、カイトさんは実際に試したらしい。

司

あの人が何を質問したのかは分からないが、本当に大鏡が現れて、鏡の自分が喋ったそうだ。

彰人

え、もう検証済なんですか？

類

なんか初めてじゃない？ちゃんと怪異研究してたんだ。

司

プールの人魚や体育館の怪異も、当時は会えなかったからな。

司

ただ、大鏡に関してはちゃんと検証できたらしい。

冬弥

『4時』って、午前ですよね？

司

いや、カイトさんは放課後の『16時』に検証してた。だから16時でも大丈夫なんだと思う。

類

現在時刻は16時40分…ふふ、丁度間に合う時間だね。

彰人

1人しか行けませんけど、誰が行きます？やっぱ司センパイ？

司

行きたいところだが…特に質問したいことも思い浮かばんしな…

類

あ〜、たしかに。

類

誰か質問したいことある人いる？

彰人

パッとは思いつかね〜な

冬弥

俺も…すぐには…

司

なら、明日までに各自で考えて来よう。今日の課題とする。

類

は〜い。

彰人

んー、思い付くかなぁ

彰人

あ、テストどこが出るとか教えてくれるかな

司

うお、如何にも男子高校生らしい発想だな

類

ふふ、教えてくれたらこれからのテストが随分楽になっちゃうね。

冬弥

質問回数に上限はあるんですか？

司

うむ…そこまで詳しくは知らんが…

司

流石に何かしらの代償はあるんじゃないか？相手は怪異だしな。

類

まぁ、そんな都合いいわけないもんねぇ

司

とにかく、一応各自で考えてきてくれ。今日はそれで以上とする！

翌日

司

よし、全員考えてきたか？

類

ああ、一応ね。

彰人

俺も。そんな大したことじゃないけど。

冬弥

俺も考えては来ました。

司

なら…ジャンケンで順番決めるか。勝った者から質問しに行く、でいいな？

司

今日は2人しか質問できないから、あとの2人は明日に回そう。

類

了解〜

司

よし、じゃあ行くぞ！ジャンケン…

質問者1人目:東雲彰人

彰人

俺からか〜…

彰人

じゃ、そろそろ行ってきます。

司

ああ！気を付けるんだぞ！

司

東館3階の踊り場だからな！

彰人

了解です

東館3階踊り場

彰人

ここだよな

彰人

ここ、いつも暗くて薄気味悪いんだよな…

彰人

…って、鏡あるじゃん。元からあんのか？

彰人

ま、いいや。あと2分待と。

彰人

(さて、16時32分になったが…)

鏡に映る自分

何を聞きに来た？

彰人

うっわ？！？！

彰人

え、マジで？マジで喋ってる…？

鏡に映る自分

見りゃ分かるだろ。

鏡に映る自分

んで？何が知りたいんだ？

彰人

ああ、えっと…

彰人

3日前、俺が買って冷蔵庫に入れておいたチーズケーキを食った犯人は？

鏡に映る自分

あぁ、お前が絵名と喧嘩したやつな。

鏡に映る自分

ちなみに犯人は親父だぞ。

彰人

はぁ？！マジかよ、アイツふざけんな！

彰人

クッソ、絶対絵名だと思ったのに…！！

鏡に映る自分

で、質問はそれだけ？

彰人

おう。ありがとな。

鏡に映る自分

へぇ…つまんねーの。好きな奴とかいねぇの？

彰人

いねーよ。つか、お前が質問してきてどうすんだよ。

鏡に映る自分

別にいいだろ。こちとら暇なんだよ。

彰人

1分間だけだもんな。

鏡に映る自分

そうそう。ここ、人も全然こねーし。

彰人

まぁ、ここ不気味だし。

鏡に映る自分

なぁ、そっちの世界って楽しい？

彰人

え？…楽しいけど、

鏡に映る自分

へぇ……

彰人

…なんだよ。代わってはやれねーぞ。

鏡に映る自分

ははっ、流石に分かってるって。

鏡に映る自分

俺がそんなバカなこと言うわけないって、知ってるし。

彰人

(…なんか、すげー気味悪ぃ、、)

鏡に映る自分

あ、そろそろだ。じゃあな

彰人

ああ…

そう言いかけた時、音もなく鏡が壁に溶け込むように消えていった。

彰人

！？

彰人

き、消えた…？

彰人

夢…じゃないもんな、多分…

彰人

…戻るか。

彰人

戻りましたー

司

おお！どうだった？！

彰人

マジでした。ちゃんと答えてくれましたよ。

司

おおぉ！！

類

へぇ、本当なんだ。

冬弥

(何を聞いたんだろう…)

彰人

あ、あと、33分になった時、鏡が壁に溶け込むみたいに消えていきました。

司

なんと！見たのか？！

彰人

はい。夢かと思ったんですけど。

類

ふふ、面白いねぇ

質問者2人目:神代類

類

じゃあ、次は僕が行ってくるね。

司

ああ！気を付けるんだぞ！

東館3階踊り場

類

(ふむ、壁には何もない…)

類

(ここから鏡が出てくるのかな？不思議だねぇ)

類

(49分まではあと3分…)

類

(もし…本当に鏡の中に僕がいて、質問に答えてくれるなら…)

類

…

類

……？

類

ふむ、49分になっても現れない…？

類

場所は…間違えてないよね？

「あははははっw」

類

！！

女子生徒

マジウケるーww

類

(ああ…なるほど。下に人が…)

類

(だから現れなかったのか。うーん、残念。運が無かったね。)

類

(仕方ないし、戻ろうかな。)

類

ただいま〜

司

おお、おかえり！どうだった？

類

残念ながら、下に人がいてね。出会えなかったよ。

彰人

あー、まだ下校時間前ですもんね。

司

むむ…なら、明日にするか？

類

いいや、僕はもういいよ。大した質問でも無かったし。

冬弥

それを言うなら、俺も大した質問では無いんですが…

司

まぁ…類が言うならそれでいいか。

翌日

司

そろそろだな。

冬弥

あ、じゃあ行ってきます。

質問者3人目:青柳冬弥

司

気を付けて行ってこいよ！

東館3階踊り場

冬弥

(あ、鏡…元からあるのか。)

冬弥

(下に人はいなかったし…)

冬弥

(…あと、2分、)

冬弥

(…16時32分、)

鏡に映る自分

用件はなんだ？

冬弥

！？

冬弥

し、喋っ…

鏡に映る自分

ああ、喋る。

鏡に映る自分

お前は何が知りたい？

冬弥

…

冬弥

俺の父は…俺が怪異研究部に所属したこと、知っているのか？

鏡に映る自分

いいや、知らない。

冬弥

そうか…良かった、

鏡に映る自分

まだ。

冬弥

！

冬弥

それはいずれ、知られるという事か？

鏡に映る自分

ずっと隠し通せる事でも無いだろう。

冬弥

ならばもし…父が知ったら、どうなる？

鏡に映る自分

まぁ、多少揉めるだろうな

冬弥

そうか…

鏡に映る自分

他には？

冬弥

あ…じゃあ、最後。

冬弥

東雲は…俺の事、どう思ってる？

鏡に映る自分

…

鏡に映る自分

友人。

冬弥

！！

鏡に映る自分

時間だ。

冬弥

あぁ、ありが…

そう言いかけた時、鏡が壁の中に溶け込むように消えていった。

冬弥

！

冬弥

東雲の言っていた事は本当だったのか…

冬弥

…友人、

冬弥

友人…✨️

冬弥

戻りました。

司

おお！どうだった？！

冬弥

本当に会えました。質問にも、答えてくれました。

彰人

お、嬉しそうじゃん。

冬弥

ああ。ずっと知りたかった事が知れた。

類

ふふ、良かったねぇ。

質問者4人目:天馬司

司

よし。ではオレも行ってくる。

類

気をつけてね〜

東館3階踊り場

司

おお…これは、なんと雰囲気のある…

司

鏡…は、

司

む？普通にあるじゃないか。

司

49分まではあと3分…

司

…本当に、喋るのだろうか。

司

……49分、

鏡に映る自分

最近やたら訪問者が多いな。

司

！！！？

鏡に映る自分

まぁ、こちらとしては面白いからいいんだが。

司

お、お前は……オレか？

鏡に映る自分

ああ！何でも聞いてくれ！

司

おぉぉ！！

司

(まさか本当に……)

鏡に映る自分

質問は？

司

ああ、そうだったな。

司

鏡、お前は何者だ？

鏡に映る自分

む

鏡に映る自分

ふむ…なんと答えれば良いか、

鏡に映る自分

オレは大昔にここに飾られていた大鏡だ。時が経ち、やがて撤去されてしまったが…長いこと存在したせいで、怪異へと成り果ててしまった。

鏡に映る自分

これでいいか？

司

…あぁ、ありがとう。

司

少し、私的な質問をいいか？

鏡に映る自分

もちろんだとも！

司

時々、頭が酷く痛くなるんだ。その原因を教えて欲しい。

鏡に映る自分

ふむ…原因か。

鏡に映る自分

簡単に言ってしまえば、記憶だな。

司

記憶…？

鏡に映る自分

そうだ。それは、お前が…

鏡に映る自分

と、そろそろ1分か。残念だがお別れだ。

司

何？！ま、待ってくれ！

鏡は無情にも、壁の中へ溶け込むようにして消えてしまった。

司

クソ、気になるところで…

司

……記憶、か。

司

オレは…何か、忘れてしまっているのか？

我々怪異研究部!!

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いつも素晴らしいストーリーありがとうございます😊

あかまる🍓🐾໊

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