テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

我々怪異研究部!!

第19話 - 4人でカラオケ!!

1,618

2025年01月04日

#司類

#冬彰

#ホラー

#ほのぼの

#感動

あかまる🍓🐾໊

また忘れ物してたね。

今日はなんだっけ？美術で使う絵の具？

あ、ああ…

すまんな。貸してくれて助かった。

別にいいんだけど、君ってば本当に忘れっぽいよねぇ。

ぐ…返す言葉もない…

ねぇ、いつまでそうしてるつもり？

……え？

そうやってずっと逃げて、忘れたままでいいって、本当に思ってるの？

な…にを、

何を？分かったこと聞かないでよ。

全部、君が

司

ﾊｯ！

司

はぁっ、はぁっ、はぁ…

類

び、ビックリした…大丈夫？

司

あ……る、類？何故A組に？

類

もう放課後だよ。なかなか来ないから探しに来たんだ。

司

そ、そうか…すまん、寝てしまっていたらしい。

類

そうみたいだねぇ。けど、悪い夢でも見ていたのかい？

類

顔も真っ青だし、汗もすごいよ。大丈夫？

司

あ、あぁ……何か、夢を見ていたはずなんだが…

司

内容までは覚えてないな…

類

あぁ、あるよねぇ。

司

それより、部活だったな！早く移動しよう！

類

ふふ、まだ寝ぼけてるのかい？

類

今日は部活休みの日だから、みんなでカラオケ行こうって約束してただろう？

司

おお！！そうだったな！

司

そうか、水曜日か。すっかり忘れていた。

類

ふふ、彰人くん達も待ってるし、早く行こうか。

司

ああ！

校門

類

2人とも、お待たせ。

彰人

あっ、遅いっすよ〜

司

すまーーーん！！！！寝過ごした！！

彰人

うるさっ

司

本当にすまん！

彰人

別にいいですよ。あ、でもドリンク奢りで。

司

何っ？！いや、遅刻した身…奢ろう！

冬弥

遅刻と言っても、そこまで待ってませんよ。

彰人

いいや、30分は待ったね。

冬弥

し、東雲…

類

ふふ、そうだね。奢ってもらおうか。

司

あぁ、甘んじて受けよう…

カラオケ店

冬弥

ここが…カラオケ…✨️

類

ふふ、君は初めてだっけ？

冬弥

はい！

彰人

センパ〜イ、俺コーラで。

司

おお、そうだったな。了解だ。

司

類と冬弥は？

冬弥

あ、いえ。俺も行きます。

司

む？いや、しかし…

類

4人分を1人で運ぶのは難しいんじゃないかな？

司

むむ…たしかに…

類

あ、僕はサイダーがいいなぁ

司

分かった。冬弥、すまんが着いてきてもらっていいか？

冬弥

はい、もちろんです。

ドリンクバー前

司

えーっと、コーラとサイダーだったか。

冬弥

あ、俺東雲の持っていきますよ。

司

おお、そうか。ならよろしく頼む！

司

…

司

(むむ…何だか胸がモヤモヤというか…スッキリしないな、)

司

(何かがつっかえてるみたいだ…)

司

(…あの大鏡に言われたことも、関係あるのだろうか。)

司

(アイツはオレの頭痛を「記憶」によるものだと言っていた。…それ以上詳しいことは聞けなかったが、)

司

(もし…オレが、何か忘れてしまっているとしたら…一体、何を…)

冬弥

せ、先輩！溢れてます！！

司

ん？…うお？！？！気付かなかった！！

冬弥

大丈夫ですか…？

司

ああ。すまんな、少しボーッとしていた。

冬弥

何か悩み事…とかですか？

司

うむ…まぁ、そんなところだろうか。

司

あぁ、だが気にしないでくれ。大したことじゃない。

冬弥

そう…ならいいんですけど、

冬弥

もし何かあるなら、遠慮なく教えて下さい。俺じゃ頼りないと思いますが…

司

いいや、頼もしい言葉だ。ありがとう。

司

さて、そろそろ戻るとしよう。

冬弥

はい。

扉前

司

……ん？

司

(中に髪の長い女性が……部屋を間違えたか？)

冬弥

…？

司

(いや、オレたちの部屋番号はここのはず…)

冬弥

東雲が…友人を連れてきたんでしょうか？

司

あぁ、なるほど。彰人の隣に座ってるもんな。

司

(だが、それならきっと事前に言うはず…？)

司

まぁいいか。おーい、戻ったぞー

ガチャッ

司

2人とも待たせたな！

類

あ、おかえり〜

冬弥

遅くなってすみません。

冬弥

東雲、これ。

彰人

おー、サンキュー

司

……む？

類

どうしたんだい？

司

いや……彰人、隣にいた友人はどうした？

彰人

…はい？

冬弥

あっ、たしかに…どこにもいませんね。

司

…む、もしや彼女か？！

彰人

ん？？

司

なんだ、紹介してくれてもいいだろう！どこに隠れてるんだ？

彰人

いや……さっきから、なんの話ですか？

司

ん？何って、ここに髪の長い女性がいただろう？

彰人

は？

類

えっと…ここには、僕と彰人くん以外いなかったけれど…

類

ねぇ？

彰人

は、はい。それに、俺彼女とかいませんけど…

司

……え？

司

だ、だが……見たよな？！冬弥！

冬弥

は、はい。たしかに東雲の隣に座っていたと思いますけど……

彰人

は…？い、いやいや。やめろよ。

類

…もしかしたら、あの上着かな？

司

む？上着？

類

ほら、壁に掛けてる上着…ここのドアは型ガラスだし、髪の毛と見間違えたのかも。

冬弥

ああ、たしかに。位置的にも見間違えたのかもしれませんね。

司

むむ、そう言われてみれば…

彰人

び、ビビったー…見間違いか。

司

オレもだ…見間違えで良かった。

冬弥

流石にヒヤッとしましたね、

類

ふふ、僕もちょっと怖かったよ。

彰人

ま、解決したし歌いましょ

司

そうだな！

彰人

♪〜〜〜＿＿＿

司

おおぉ…彰人は歌も上手いのか！

類

多才だねぇ

彰人

いや、歌で言ったら青柳のが上手いと思いますよ。

司

む、そうなのか？

冬弥

えっ？！い、いえ、そんな事は…

類

ふふ、冬弥くんの歌聞きたいな。

彰人

はい、マイク。

冬弥

えっ…わ、分かりました。

冬弥

♪〜〜＿＿＿＿！

司

おぉ…！！たしかに上手いな！

類

だね。ちょっとビックリしたな。

彰人

俺も…こんな風にちゃんと聞いたのは初めてです。

類

…もしかして、カラオケに行こうって言い出したの、冬弥くんの歌が聞きたかったからだったりする？

彰人

…

司

むむ、図星か。

彰人

別にいいでしょ。次センパイ歌います？

司

おお！もちろん歌うぞ！よく聞いてろよ！

類

♪〜〜＿＿

司

(類も普通に上手いんだな…)

司

(……む？)

ふとドアに目をやると、型ガラスに黒いものが映っていた。

司

(ドアの前に誰かいる…店員さんか？)

司

(入ってくればいいものを…タイミングを計ってるのか？)

冬弥

…司先輩？どうかされましたか？

司

いや、ドアの前に誰かいてな。

冬弥

あ…本当ですね。店員さんでしょうか？

司

あぁ…だが、中々入ってくる気配が無くてな。

冬弥

あ、両手が塞がっててドアが開けられないとか？

司

おお、なるほど！その可能性は…

司

いや、しかし…オレたち、特に食べ物も何も頼んでなくないか？

冬弥

あ…たしかに、

類

2人とも？どうかしたのかい？

司

あ、あぁ。ドアの前に人がいて…

類

ん〜…？

彰人

ん？どうかしたんですか？

類

ドアの前に誰かいるみたいだよ。

彰人

…本当だ。

司

類、彰人、何か注文したか？

彰人

いや、何にも…

類

僕も頼んでないよ。

冬弥

なら、店員さんの可能性は低いですね。

司

むぅ……だが、だとしたら誰だ？

彰人

……気味悪ぃ

類

うん…たしかに、少し不気味だね。

類

不審者がドアの前にいるって、店員さんに電話してみる？

冬弥

そうですね…怖いですし、

司

分かった、少し電話してみよう。

司

…もしもし

「はい、どうされましたか？」

司

突然すみません。ドアの前に不審な人がずっといて…

「そ…ｶﾞｶﾞ、ｶﾞｶﾞｶﾞｯ

司

む？

司

(電波不良か？)

「開けて」

司

え？

「ドア開けて」

司

……え、？

ドンドンッ!!

司

ひっ？！

彰人

！？

類

ど、ドア叩かれてる…？

司

る、類！！るい、電話が……！

類

え？

「開けろ」

「ドア開けろ」

類

！！

冬弥

あ…開けろ？

ドンドンッ!!

司

ひっ！！？

類

司くん、大丈夫。おいで。

司

る、類…っ！！

類

電話は一旦切ろう。

「開け」ｶﾞﾁｬﾝｯ

冬弥

ま、まだいます…よね？

彰人

だな…開けろって、絶対開けちゃダメなやつだろ…

ドンドンッ!!

司

ひぃっ！！

類

よしよし、落ち着いて。大丈夫だよ。

類

どうやら自分で開けることは出来ないらしいね。こちらが開けなければ大丈夫だよ。

冬弥

でも…出られなくなってしまいましたね、

彰人

あぁ…あれ、流石に人間じゃないですよね？

類

ああ、流石にね。

司

な、何なんだアレは…怪異だよな？！

冬弥

はい、恐らく…

彰人

ここ、なんかいわく付きか？聞いた事ねぇけど…

『彰人くんのことなんだけど…彼、多分霊媒体質なんだと思う。』

司

(…ま、まさかな、)

類

う〜ん、でも困ったねぇ…このままじゃ帰れないよ。

彰人

…っ

冬弥

ど、どうした？！

彰人

あー、いや、目眩がしただけ。

司

！

司

(多分、ドアの前のアイツのせいだ…)

類

…

司

る、類…どうする？

類

うん…ちょっと考えてる。どうしようか…

ドンドンッ!!

司

(いなくなる気配は無いな…)

冬弥

せ、先輩！東雲の顔色がすごく悪くて…

彰人

あー、大丈夫だって…

類

たしかに、酷い顔色だ。それに、汗も…

司

と、とりあえず横になれ！汗も拭こう！

彰人

すみません…

司

(どうすればいい？！ここの電話は使えない。なら、スマホから店員さんに電話するか？)

司

(いや、電話したところで解決するのか怪しい…)

彰人

…寂しい、

冬弥

え？

彰人

あ…いや、さっきから頭にずっと響いてて…

彰人

『寂しい、寂しい、入れて、入れて』…って。

類

それは…

類

…彰人くん、微塵も同情なんかしちゃいけないよ。絶対、絶対にね。

彰人

え？

類

ハッキリ、強く言ってやるんだ。「力になることは出来ない。帰ってくれ」って。

彰人

お、俺がですか？

類

ああ。

ドンドンッ!!

彰人

…分かりました。

ドンドンッ!!

彰人

…俺は、お前の力にはなってやれない。帰ってくれ。

ピタッ

…

司

お…収まったか？

ドンドンドンッ!!

司

！？

類

彰人くん！もっと強く！

ドンドンドンッ!!

彰人

か……帰れ！！！

ピタッ

…

冬弥

……あっ、

冬弥

…いなくなりましたね、

司

あ、あぁ…帰った…らしいな。

彰人

マジで何だったんだ…？

類

さぁ…でも、いなくなったし、今日はもう帰ろうか。

司

そうだな。彰人の体調も心配だ。

彰人

あ、いえ。なんかもう治りました。

冬弥

でも、休んだ方がいいと思う。立てるか？

彰人

大袈裟だっつーの

類

あ、司くん上着忘れてるよ。

司

む？類の上着じゃなかったのか？

類

え？いいや、違うけど…彰人くんの？

彰人

え、違います。青柳じゃねーの？

冬弥

えっ…俺じゃない。てっきり東雲のものかと…

司

ぜ、全員違うなんてことあるか？

彰人

あー、前の人が忘れてったとか？

冬弥

でも、来た時は無かったような…

類

うん…来た時は無かったよね、

司

……ま、まぁ、全員違うならいいだろう。置いて帰ろう。

司

では、冬弥。彰人のこと頼んだぞ。

冬弥

はい。

類

また明日。気をつけて帰るんだよ。

彰人

はい、また明日。

我々怪異研究部!!

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

1,618

13件

面白いです！フォローしました！続き楽しみです！！

最初の司の夢、結構重要な気もしてきた。たぶん話の相手は類。だけど、途中から類じゃない相手に変わっている気がする。「夢の中」ということもあり、これは司自身の記憶かもしれないーーなんて。それか、司の中の類が言っているのかも。「早く思い出さないと君の身が危ないよ」って

初コメ失礼します‼︎あかまる様の小説いつも閲覧させていただいています🙌🏻あの上着…なんだったんでしょうか、、彰人君が霊に強く言えば霊は言うことを聞いてくれるのは彰人君にすごい霊に取り憑いてたりするのでしょうか…🤔超絶ヒヤヒヤしながらいつも作品を布団の中から応援させていただいてます👉🏻👈🏻　これからも応援してます‼︎

あかまる🍓🐾໊

プロフィール