高梨
高梨
冬樹
冬樹
高梨
高梨
高梨
高梨
冬樹
高梨
冬樹
高梨は昔から「オカルト」という分野が好きな男である
やれ幽霊だ、やれ宇宙人だと騒ぎ立てる奴だ
怪談話の類の知識はとても豊富で
夏になると
まるで自分の実体験の様に怖い話を学校で語り
女子から嫌がられてる
高梨
冬樹
冬樹
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
冬樹
冬樹
高梨
高梨
高梨
高梨
冬樹
高梨
高梨
冬樹
高梨
冬樹
そんな話、信じた訳ではない
そんな馬鹿げた話などあるはずない
高梨
高梨
冬樹
高梨
高梨
冬樹
冬樹
高梨
冬樹
冬樹
高梨
冬樹
冬樹
冬樹
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
冬樹
冬樹
高梨
高梨
高梨
高梨
冬樹
高梨
高梨
高梨
冬樹
冬樹
高梨は人の話を聞かず
玄関に巻きついている
浅黒い鎖を
一本、一本切っていく
何本、切ったのかは分からないが
グルグル巻きにされていた
扉の鎖は完全に消えた
高梨
高梨
高梨
冬樹
冬樹
高梨
高梨
高梨
冬樹
高梨
高梨
高梨
高梨は扉の奥へと
消えてしまった。
俺は高梨を置いて帰る気にはなれなかった。
アイツは俺の恩人でもある。
学校でイジメられてた
俺に声をかけてくれた
クラスでムードメーカーだった高梨と行動する内に
俺へのイジメもなくなった。
アイツと出会ってから
一人ではなくなったのだ。
それでも足がすくんで
屋敷の中に入る事を拒んでいる
あれから1時間経った
時計は午前2時を指している・・いくらなんでも遅いのではないか?
冬樹
不在着信
電波が届かない様だ
電話からは
頼りなくプープーという
音が響いている。
今から森を抜けて人を呼びに行った方がいいか?
もし呼びに行ってる間に何かあったら
そんな事が頭を巡る。
冬樹
俺は唇を噛み締め
高梨を探しに行くことにした。
ガチャ・・・
冬樹
気味が悪い
真っ暗で辺りが見えにくいが
大きな窓から入る
月明かりで
薄っすらみえる
明かりを頼りに
俺は進んだ。
長い
長い
階段を上がり
部屋を一つずつ開けてみる。
部屋にはピアノが置いてある部屋や
物置部屋など
沢山の部屋があった。本棚がズラッと並んだ部屋
当時はとても美しかったであろう
骨董品も並んでいる。
その中でも
目に付いた物は
絵画だ。
女の顔に男の体
背は仰け反り
人間の手足が身体中から生えている。
冬樹
この絵がここにいた、医者の好みなのか・・・・?なんて悪趣味なんだ・・・・
背筋を寒いものが走った
その時
高梨
高梨
高梨の声が聞こえる!
俺はその声に
答えようとした。
だが変なのだ。
何が変かと言うと音だ。
何人もの人が歩いてる様に
ギシギシギコギコ・・・
と聞こえるのだ
俺は息を呑み
静かに隠れた。
高梨
高梨
高梨
高梨
高梨
月明かりで声の正体姿が露わになった時
心臓が跳ね上がった
身体が痺れた
頭が追いつかない
高梨の声を出すそいつは
歪んだ女の顔に男の体がついていて
仰け反り手足が身体中から生えている
あの絵画に描かれたいたよりも醜い百足の様な化け物なのだ。
冬樹
思わず叫びそうになる
口を押さえ
息を潜めた
心臓の音が
アイツにも聞こえてしまいそうなほど
脈をうっている。
高梨
高梨
化け物は相変わらず
高梨の声で叫び
笑っている。
その時
俺は確信した。
高梨は死んだのだと。
高梨が死ぬ間際に
叫んだ言葉をこの化け物は喋っているのだと
逃げなくては。
逃げるんだ
逃げるんだ
化け物の声が聞こえなくなったら
一気に玄関まで
走り抜けるんだ。
冬樹
高梨
徐々に遠くなって行く声を
聞きながら俺はひたすら待った。
冬樹
俺は走った
ひたすらに走った
走ってる途中で顔に何が引っ付いたけれど
何も考えずに走った
何故なら
後ろからあの足音と
高梨の声と笑い声が聞こえてきていたからだ。
冬樹
長い階段を降りて行くと
目の前には
屋敷の入り口が
みえた。
ホラー映画お決まりなら
あのドアは開かないのだろう
頼む
頼むよ
開いてくれ
開いてくれないとすぐ後ろにいる
化け物に殺されちまうんだよ
頼む
祈る様な気持ちでドアに突っ込む
冬樹
ドアは呆気なく開いた。
俺は振り向かずに
森の中を駆け抜けた。
転ぼうと息が出来なくなろうと
走った。
走って走って
走った。
冬樹
ようやく、灯の灯る道路に出たけれども
俺は走った。
交番に到着して
ようやく俺は崩れ落ちた。
警察官
警察官
警察官
警察官は俺をみて
驚いている
泣きじゃくりながら
鼻水を垂らしてるからではない
警察官
走ってる最中
顔に引っかかったものは髪の毛だったのだ・・・
警察官
俺は今まであった事を
一部始終話した。
高梨と森の奥の心霊スポットに行ったこと
高梨が中に入って返ってこなかったこと
高梨を迎えに行ったら
化け物に追いかけられたこと
当然の事ながら
そんな事を急に言っても
信じてもらえなかったが
翌日、警察がその屋敷に行ったそうだ。
警察官
冬樹
警察官
警察官
警察官
冬樹
冬樹
警察官
警察官
冬樹
冬樹
警察官
警察官
警察官
警察官
もう、きっと、高梨が見つかることはないのだ
高梨は地下へ行ったのか?もしかしたら
とんでもない化け物を
高梨は外に出してしまったのではないか?
あの化け物には
俺の顔が見えていて
殺しにくるのではないか?
今でもあの時の声が
耳から離れない
蟆丞、懷ュ
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