桜が咲く遥か遠い明日まで

あの黄色いスカジャン、 どっかで見たような…

よし、追いかけてみよう！

あっ‼︎いた‼︎

さすがに1人で追いかけるんじゃなかったぁ〜！

1人は殴ろうとしてるし、 もう1人は蹴ろうとしてるし、 残りの3人は拘束してくるし！

1対5なんて、 やり方が汚すぎる…

耐えれば一応時間稼ぎぐらいはできるし、 耐えるしか…

ﾄﾞﾝｯ

壁に追いやられて、そのまま壁ドンされる。

次は顔を近づけてくる。

この人、キスする気⁈⁉︎!

ファーストキスまだなんだけど⁉︎⁉︎

ｸﾞｸﾞｸﾞｯ

どうにか離そうとしてみたけど、 力強すぎて離せない…

咄嗟に遥の名前を口にしようとしたけど、 ここに来てこうなったのは 自業自得だと思って、それを飲み込んだ。

このままこの人とファーストキスするのかな…?

初恋もまだなのに…好きな人としたかったな…

そう思っていたら、 視界に見覚えのある白黒頭が飛び込んできた。

ﾄﾞｺﾞｫｵｵｯ!!

目の前にいる男が、 あっという間に吹っ飛んだ。

やっぱり、来てくれたんだ…

心、配…?

遥がエナのことを…?

大事にしてくれてるのは知ってるけど、 心配してくれるなんて…

"俺の女"…?

なんだろうこれ…

心臓の鼓動が早い…

男、去っていく

いつも見てるはずなのに、顔を直視できない

さっき真っ先に思い浮かんだのは、 遥の名前と顔だった。

心配するって言われた時、ドキッとした。

"俺の女"ってなんか照れた。

ただの幼なじみのはずだったのに…

こんな気持ちになるんだ…