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銃口の先のエンディング

第98話 - 暴かれた存在と

373

2024年11月29日

#一次創作

#ファンタジー

#冒険

#殺し屋

#人間関係

#日常

四阿朧

長くなるからと言って、オーロラはアメリアたちを城に招いた。

オーロラ

まず言っておくわ

オーロラ

私たちも、貴方たちを観ていた。戦っている間ね

アメリア

どういう意味だ？

オーロラ

貴方たちはうちの市民たちを、できるだけ殺さず倒してくれた。

オーロラ

感謝するわ。魔法治療でまた、動けるようになる。

アメリア

…そうか

アメリア

それは指示ではなく、各自の意思だ

オーロラ

…ふふ、そうでしょうね

オーロラ

貴方たちからは敵意を感じなかった。あくまで戦いは手段で、目的ではないのね

オーロラ

…そう、だから…viperを知りたいという貴方たちの意志は、信ずるに値するわ。

オーロラ

クロエもきっとそう思って…協力を持ちかけたはずよ

クロエ

別にそんなんじゃないしぃ

オーロラ

はいはい

クロエ

………ねえ、キミはviperに攫われたんだよね？

クロエは身内や嫌いな相手以外にはあくまで理性的なようで、テヘルに優しく話しかける

テヘル

ああ。つっても…そいつらは消せるだけ消したぞ？

クロエ

なるほどね。確かに最近viperの話を聞かない

テヘル

聞かないって…なんかつてでもあるのか？

クロエ

そこだよ。問題でーす！

クロエ

viperの隊長は僕たちと繋がっています。誰でしょう！

クロエはニコニコと笑った

アメリアはこっそり、心の中で前言を撤回する

アメリア

（コイツはまともに見せかけているだけで関われば関わるほど変なんだ）

アメリア

（きっと誰にとっても。でも…）

アメリア

（癪だが…悪いやつじゃない。だから、みんなついて行くんだ。）

クロエ

分かんない？分かんない？

サミュエル

…俺たちの中で、王族関係者なんじゃないかってことはなんとなく目星がついてる

サミュエル

違う？

クロエ

まあそりゃあ前提としてそうではあるんだけど…

アメリア

！

クロエ

…キミたちには言わなきゃ分からないようだから言っておくと

クロエ

僕たちだって、シャーズドウム王家と繋がっているよ。

クロエのその一言に、息が止まる

アメリア

（───…そりゃ、そうか、こんなデカい国無視なんてできない──）

メラ

…えっと、どゆこと？

メラ

あなたたちの敵なんじゃないの？王家

クロエ

そうだよ。だけど提携をしてる

クロエ

サンラシファーの存在は知れ渡っていて、無視できない。国民の反感を買うしね

クロエ

でも…あっちも僕たちのことは脅威だとは思ってるんだろう

クロエ

潰しには来ず、ギリギリ妥協して、お互い成り立ってる

オーロラ

といっても内容はこれだけよ。『お互いに"踏み入れない"』。

アメリア

お前ら、守るつもりあるのか？

オーロラ

あるわよ。だからあなたたちを殺すのにも"許可を取った"わ。

オーロラ

そしてこちら側も協定を結ぶにあたって利益を与えてる。だから成り立つ

サミュエル

！あのとき…許可が"下りた"って、そういうことだったのか

サミュエル

でもなんで？アメリア

アメリア

…分からない

アメリア

ただ…ライアンは私が死んでも代わりはいると思っているのかもな

アメリア

私たち自身も結局、殺しを職にする"ならずもの"なんだよ。

アメリア

だから…それより国の安寧、王族の平和のため協定を組んでいるコイツらを優先した、とか

アメリア

（だとしても少し、ショックだ）

アメリア

（ライアンは私を少しくらい認め信頼してくれているのかと思ってた）

サミュエル

俺は王子がどんな人間か知らない。

サミュエル

だけど…

クロエ

王子はそういう人だよ

クロエ

人をなんとも思ってない

クロエ

だからviperなんて作るんだ

アメリア

！作る…？待て、まさか───

クロエ

ああ。この国では有名なことだよ。

クロエ

viperはあの国の闇の処理を任された者たち───つまり…

クロエ

ライアンの意思を担ぐ者たちだ。吐き気がする

アイザック

じゃ協定なんか組まなきゃいいじゃん。きみ強いし。

クロエ

当然守り続ける気はない。あちらもそれは分かっているだろう

クロエ

それでも国規模の戦いには準備が必要だ。それはどちらにとってもだし

クロエ

特にあちらは準備の間も僕らに何らかの"対処をしている"という格好も大事だろう

クロエ

ライアンが即位前から国民の反感を買ってしまったらあちらは不都合だろう？

クロエ

…お互い猶予が欲しかった。それだけ

オーロラ

で。私たちの話を聞いて改めて、あなたたちはどちらを"信じられるのか"考えてほしいの。

アメリア

…ふぅむ、まあ、考えてはいる

アメリア

（…つまり……ヴァイパーはライアンの名誉を守りつつ静粛をする手段）

アメリア

（だとしたらなぜ、"殺された者たちは選ばれた"？）

アメリア

（ネラもテヘルも、悪いやつじゃないのに、なのに、なんで）

クロエ

そして、アンサーだ

アメリアたちはごくりと息を呑んだ。するとクロエはフッと笑う

クロエ

ははは！当然、言わないよ

クロエ

答えは自分で探せ。そんなに僕は優しくない

クロエ

なんてったってアメリアに嫌がらせをできるなら願ったり叶ったりだし！

アメリア

…ん……まあ、そうか

クロエ

…でも、"すべては繋がっている"。これだけは教えておくよ

クロエ

きみたちの仲間を攫ったviper────…その隊長は誰だ？

クロエ

探して、知れ。そのときキミたちの答えを聞く

アメリア

…──────

アメリア

いや、待て、私たちはもうここには戻ってこないぞ

クロエ

だろうね

クロエ

大丈夫だよ。それでもまた、会っちゃうだろうから

クロエ

僕も二度と会いたくないけどね！

オーロラ

クロエ。本当、ダサいわよ

クロエ

なっ！

オーロラ

…でも今、私たちが言えるのはこれだけよ

オーロラ

改めて、仲間を手にかけてごめんなさい

アメリア

いや…こちらこそ。やりすぎた。

オーロラ

ほらクロエも

クロエ

…癪だから謝らない！

オーロラ

クロエ！

クロエ

だってそうだろ！？仲間になったわけじゃない！

アメリア

ま、それもそうだ

アメリア

その言葉は次でいいよ。幸い、お前らによる重傷はないしな

オーロラ

あら、次…ね。協力要請に対して良い答えが聞けると思ってもいいのかしら？

アメリア

さあな。それはまだ分からん。未知数なことが多すぎる

アメリア

でもまあ…お前たちの邪魔は、きっとしないよ。

オーロラ

そう。ありがたいわ

アメリア

じゃあ…私たちは、そろそろ仲間を連れ戻しに行くよ

オーロラ

そうね。

クロエ

フン、せいせいする

アメリア

こっちもだ

オーロラ

…ふふ、少しの間だけれど、面白かったわよ

オーロラ

またね、アメリアたち。

アメリア

ああ、またな。

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やっぱクロエ様ってすごい人だね……いろんな意味で……w まさかヴァイパーがライアン王子と関わりがあったなんて……正直、ライアン王子はアメリアさんに「王命」として殺しを頼んでいたからアメリアさんを信頼してると思ってたんだけど、そうじゃなかったんだね……💦 とりあえずクロエ様達と和解して情報提供もしてもらえたから良かったけど、衝撃すぎる事実に困惑してる……😵‍💫😵‍💫

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