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デビルズパレス
主の部屋
主
主
ベッドの中から主様の声がわたしを呼びました
ラト
ラト
わたしは閉じられたままの瞳に目を落としました
主
主
その言葉はどこか他人事のように空虚で
わたしはとても不思議に思いました
ラト
ラト
主
主
主
主
主
その溢れ出した言葉は
また淡々と辺りに放られるばかりで
わたしはますます主様のお気持ちが分かりませんでした
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
読書や悪魔執事たちの過去の話の断片を聞いたときなど
ポロポロと涙を零しては悪魔執事たちが慌てるところを何度もみたことがありました
もちろんわたしも
どうしたら主様が笑ってくださるのかを必死に考え
何度も食堂にパセリを取りに走りました
主
主
主
主様はゆっくりと言葉を紡ぎました
主
主
ラト
主
主
主
主
主
主
ゆっくりと
言葉が溢れ
主
ゆっくりと
主
主
主
白い瞼が
開かれました
ラト
主
ラト
ラト
主様は
瞳だけをわたしに向けました
主
涙がでなくても
空虚な言葉ばかりであっても
その瞳は
今までで1番ひどく苦しそうに揺れていました
主
ラト
ラト
主
ラト
わたしは見開かれた瞳を見つめました
そして
ラト
ラト
隠すようにそっと主様の目元に手を置きました
主
主
ラト
ラト
わたしは前にミヤジ先生に子守唄を歌ってもらったことを思い出していました
その優しい瞳を思い出していました
ラト
ラト
ラト
主
優しい温もりは後からでも思い出せます
記憶に残れば何度でも後から思い出せます
主
主
主
ラト
主
主
主
主様の目元を覆った手のひらに
温かい雫がこぼれるのを感じました
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
主
主様は嗚咽の混じった優しい声で
私の名を呼び
主
わたしの手を包むように彼女の手が重ねられました
ラト
ドクンドクンと
自分の心臓が嫌な音を立てるのが聞こえます
重ねられた主様の手から伝わる体温が
心をポカポカと温めてくださいます
主
乱れた呼吸の中で
心地よい声が私の名を呼び
ラト
ラト
わたしは体がピリピリと震えるのを感じました
主
ラト
ラト
ラト
わたしは
主様の視界を覆ったまま
ラト
ラト
ラト
ラト
その耳に顔を近づけました
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
わたしとあなたが引き裂かれる 未来など
わたしが壊してあげます
ラト
ずっとずっと
主様はわたしと一緒です
ラト