TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ゾクゾクシリーズ

一覧ページ

「ゾクゾクシリーズ」のメインビジュアル

ゾクゾクシリーズ

3 - エアコン修理の時間です⭐️

♥

403

2022年03月22日

シェアするシェアする
報告する

カリカリカリ…

カリリッ!

千春

はー、やっと勉強終わった!

千春

一旦休憩しよっと。

コンコン

千春

千春

はーい。

ガチャッ

土屋

こんにちは、お邪魔します。

千春

!?

土屋

私、エアコン修理の土屋伊織と申します。

土屋

お父様からお嬢様のエアコンを修理するよう承っておりましたので参りました。

千春

千春

あっ、

千春

そういえば…お父さんが今日の朝、エアコン修理のお兄さんが来るって…。

土屋

!、伝えられてたんですね。

土屋

よかったです。ニコッ

千春

千春

(イ、イケメンだ…!)

千春

は、はい!、すみません。

千春

よろしくお願いします…!

数十分後

母親

千春、エアコン修理の土田さん。結構苦戦してた?

千春

いや…わかんない。

千春

千春

なんで?

母親

いや、実はね…

母親

千春のエアコン、だいぶ年季が入っててね。

母親

同じブランドのエアコンがもう売られてないの。

千春

えっ。

母親

土屋さん、お若い人だったでしょ?

母親

だからお母さん、

母親

新人さんにあのエアコンを直せるかしらって心配になってきて…

母親

 

母親

…。

母親

……やっぱり不安だわ。

母親

千春、

母親

土屋さんに『修理が無理そうなら買い替えます』って伝えてきてくれないかしら?

千春

!、分かった。

コンコン

土屋

はーい。

ガチャッ

土屋

土屋

どうされました?

千春

あ、あの…

千春

お母さんが、「修理が無理なら買い替えます」って言ってました。

土屋

えっ、そうなんですか?

土屋

僕の修理が遅いから怒らせてしまったんですね…すみません。

千春

あ、いえ…そんなんじゃなくて!

千春

そのエアコン、元々古くてブランドがなくなっちゃいましたから

千春

土屋さんには難しいかなって思っただけです。

土屋

土屋

土屋

へぇ…。

千春

土屋

なるほど、分かりました。

土屋

わざわざ伝えに来てくださりありがとうございます。

土屋

直すので大丈夫だとお母様にお伝えください。

千春

えっ。

千春

直るんですか?このエアコン…

土屋

はい。

土屋

僕、これでもエアコン修理のプロを目指してるので、

土屋

迅速に

土屋

丁寧に

土屋

完璧に

土屋

ただの若造とは思えないほどのクオリティで絶対に直します。キリッ

千春

千春

(か、かっこいい…!)

千春

わ、分かりました…。

千春

伝えておきます。

土屋

お願いしますね。ニコッ

数分後

母親

うわ…。

千春

めっちゃ綺麗になってる。

土屋

土屋

よし、

土屋

なんとかできました。

母親

母親

土屋さん、本当にありがとうございました。

土屋

いえいえ。

土屋

このエアコンは機種は古いですが、

土屋

パーツを最新式のものにしたのでまだまだ使えると思います。

母親

そうですか、よかった。

母親

千春、お礼を言いなさい

千春

うん

千春

千春

土屋さん、ありがとうございました。

土屋

いえいえ。

土屋

土屋

またご自宅のエアコンが故障されたらウチの会社にぜひ電話くださいね。

土屋

それでは。

土屋

千春

…。

母親

イケメンだったわね…。

千春

うん…。

千春

今から金槌でエアコンぶっ壊そうかな…。

母親

それはやめなさい。

その日の夜

ガチャッ

土屋

ただいまー。

土屋

はー、仕事終わった。

土屋

疲れたし今日は呑んじゃおっかな〜♫

カシュッ! (土屋が梅酒の缶をあける)

土屋

ん…。ゴクッ

土屋

はぁ〜、最高。

土屋

仕事終わりの一杯は格別だな。

土屋

今日は楽しみにしていたアレが聴けるんだ。

土屋

公開の時間は10時ごろだったから、それまで呑みながらゲームでもするか。

土屋

土屋

土屋

おっ!10時だ!

土屋

そろそろアレの公開時間だな。

土屋

イヤホンセットして待機するか。

土屋

「ん…よいしょっと」

土屋

土屋

きたきた…。

土屋

俺がずっと待っていたアレ…。

土屋

土屋

千春ちゃんの…ッ、寝落ち音声…♡

「ふわぁ〜、眠たくなっちゃった。」

「枕を上にして、んっ…。」

「これでよし…。」

「おやすみなさい…。」

パチッ

土屋

…。

土屋

土屋

(千春ちゃん、寝る前に1人でおやすみって言うんだ…かわいい。)

「ん…」

土屋

!…

「はぁ…」

「…ん。」

土屋

…。

土屋

(やば、これめっちゃいい…)

数分前、エアコンの修理の合間に こっそりと仕掛けておいた盗聴器

ベッド近くのコンセントに 取り付けたソレは あの子の可愛い音を余すことなく 拾い上げていた。

彼女のかわいい吐息

布団の音

そして、シーツに揺れる髪の音

緩んでいた口元がさらに上がって、 体の中心に熱が集まる

土屋

ッ、電気消そ…。

土屋

カチッ!

ぼふっ

土屋

ん…。

土屋

千春ちゃん…。

電気を消し、目を閉じた瞬間、 俺の頭の中は甘い妄想で満たされた。

いつも歩く道で偶然出会い 一目ぼれした女の子が、

俺の愛を受け入れてくれて、

今は部屋でくたっと 横になり自分の腕枕で寝息を 立てている。

彼女と僕は付き合っていて、 俺はそっと彼女の耳をかぷっと 甘噛みして…。

土屋

千春ちゃん…好きだよ。

土屋

彼女と出会ってから 俺の生活はすべて彼女のものだった。

初めて出会った時は中学生。 大人びた顔立ちが綺麗で、

見た瞬間に彼女を 『欲しい』と思った。

ちっさくて、かわいくて、 美しくて

だんだんと欲情する俺の脳には 1つの計画が浮かび上がった。

「カメラのファインダーに 少女の彼女を閉じ込めて」

「女性に熟した瞬間に 俺がかぷりと食す。」

その計画を実行するためならば、 自分のことなんてどうでもよかった。

当時付き合っていた彼女も、 俺を異常だと言う友人も 全部捨てた。

その代わりに手に入れたのは 彼女に愛を注ぐ時間。

朝の欠伸をする顔、 友達のギャグに笑う顔、 泣き顔をちゃんとカメラに収めて

鼻歌は必ず録音して、電車では スマホで動画撮影。

散歩をするときは 通っている学校や、塾を調べて スマートフォンに記録した。

土屋

春が終われば、夏休みが来るな…水着姿が待ち遠しい。

土屋

どんな水着なんだろう…フリフリのやつとか似合いそうだな。

頭の中で海で遊ぶ彼女を想像する。

すると自分の中でまたゾクゾクと 興奮の波が押し寄せてきて

俺はぎゅっと布団の角を抱きしめた。

土屋

はぁ、はぁ…。

土屋

千春ちゃん…。

ガチャッ!

『おねえちゃん』

「ん…?」

「陸翔…どうしたの?」

土屋

土屋

なんだ…?男の声がするぞ。

「また眠れなくなったの?」

『うん…いっしょに おねんねしていい?』

「ふふ…もう、仕方ないなぁ。」

「陸翔は怖がりな弟だね… いいよ、おいで。」

土屋

…。

土屋

なんだ弟か…。

土屋

ちっせぇガキが、俺と千春ちゃんの時間に割り込んでくんなよ。

『おねえちゃん… 肩トントンしてぇ。』

「うん、いいよ。」

「よしよし。」

土屋

…。

土屋

『おねえちゃん…。』

「ん?」

『お姉ちゃん、ほんとうに お家出ていっちゃうの?』

土屋

えっ!?

ガバッ!

(土屋がびっくりして起きる)

土屋

千春ちゃんが…家を出て行く?

 

「…うん、そうだね。」

「県外の高校に合格したから、 新しいお家に 引っ越さなきゃいけなく なっちゃった。」

『やだ。』

『りくも新しいお家いく。』

「えっ。」

「それは困るなー。お父さんと お母さんが困っちゃうよ。」

『それもヤダ。』

『…でも、 お姉ちゃんがいなくなるのもヤダ』

「ヤダか…。」

『ヤダ………。』

土屋

ッ、

土屋

ハァッ、ハァ…嘘だ!

土屋

嘘だ嘘だ!俺は信じないぞ!!

土屋

千春ちゃんが県外に行くなんて!

土屋

折角、住所を突き止めて盗聴器を仕掛けたのに!!

土屋

このまま千春ちゃんが家を出たら…俺の計画が全部水の泡だ!

怒りのあまり俺はイヤホンを 投げ捨て、頭を抱えた。

俺は彼女のすべてを愛している。

おとなびた見た目も、 家族思いの優しい中身も

爪の形や黒子の位置 声から匂いまで全部独占したくて ずっと彼女を見守っていた。

彼女が手に入れば この先の不幸も全部幸せとして 飲み込める自信だってあった。

土屋

土屋

なのになんでだ?

土屋

こんなにも愛してるのになんで俺は報われない…?

土屋

なんで…

土屋

土屋

なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?

土屋

うわあぁあぁああああ!

土屋

嫌だ!そんなッ!!

土屋

あああああああッ!

俺はベッドから落ちて フローリングの床に倒れた。

一緒に落ちたスマートフォンには電車でうたた寝をする 彼女の写真が表示されている。

土屋

…千春ちゃん。

土屋

好き…好きだよ。

土屋

…愛してる…。

土屋

世界で一番、俺が君を…。

ちゅっ(画面上の千春にキスをする)

土屋

ん…。

土屋

ん、ん…。

土屋

ん…。

土屋

ドンッ!

土屋

!?

土屋

隣人

おい!うるせぇぞ!!

隣人

何時だと思ってんだ!静かにしやがれ!

土屋

!、あ……

土屋

す、すみませんもう寝ます…!

土屋

(いけない。この部屋、壁が薄いんだった…。)

土屋

土屋

土屋

そうだ!

数か月後。

千春

よし、

千春

少し早いけど、そろそろ学校に行こうかな。

千春

(今日はいよいよ、入学式…)

千春

(花の高校生活を楽しむぞ〜!)

ガチャッ!

千春

♪♫~。

千春

千春

わっ!

スーツ姿の男性

千春がスーツ姿の男性とぶつかる。

千春

あ、ご…ごめんなさい!

スーツ姿の男性

いえいえ。

スーツ姿の男性

こっちこそごめんね。

スーツ姿の男性

隣の部屋に住んでる子だよね?

スーツ姿の男性

大丈夫?ケガはない?

千春

は、はい…!

スーツ姿の男性

!、そう

スーツ姿の男性

よかった。

千春

千春

(あれ?この人…どこかで見たことがあるような…。)

スーツ姿の男性

それじゃあ、僕は仕事があるので失礼します。

千春

あ、はい。

千春

さようなら!

 

 

 

スーツ姿の男性

…。

スーツ姿の男性

土屋

ふふ、

土屋

行ってらっしゃい、千春ちゃん♡

ゾクゾクシリーズ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

403

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚