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大介
大介
亮平(狐)
阿部ちゃんは窮屈そうに していたので
とりあえずチャックを全開にし 出られるようにしてあげた
大介
阿部ちゃんは鞄から のそのそ出てきて
尻尾を垂らしながら 俺のことを見ていた
大介
大介
大介
首を縦に振る阿部ちゃん
大介
大介
阿部ちゃんは俺の机に置かれた ペンをくわえた
大介
俺が白紙を用意してあげると
阿部ちゃんはそこに 文字を書き始めた
大介
『こうしないと』 『さくまのこと だれもわかってくれない』
歪な震えた平仮名で そう書かれていた
亮平(狐)
阿部ちゃんは 俺のグッズが置いてある棚を見て
尻尾をぶんぶん振った
大介
大介
大介
俺が本当の自分を さらけ出せないから
阿部ちゃんは無理矢理にでも 俺のことを知ろうとしてくれたのだ
大介
大介
大介
大介
俺は阿部ちゃんを抱え上げ ぎゅっと抱きしめた
亮平(狐)
狐の姿だったこともあり 抵抗は無かった
大介
大介
大介
亮平(狐)
そんな会話をしていると
大介母
大介母
大介母
大介母
大介
俺の腕の中には 狐の阿部ちゃん
母さんの目線は 確実にそこに向いている
大介
大介
大介
大介
大介
我ながら苦しい言い訳だ
大介母
大介母
大介母
大介
大介
ひとまず阿部ちゃんは 明日まで俺の部屋にいさせることに
大介
大介
大介
亮平(狐)
俺は席に座って ワークをやり始めた
数十分後
大介
大介
亮平(狐)
部屋のドアが閉まる
亮平(狐)
亮平(狐)
亮平(狐)
強引な手段で 佐久間の部屋に上がり込んだのに
親に苦しい言い訳をしてまで ここにいていいって言ってくれた
亮平(狐)
亮平(狐)
夕飯を済ませ 部屋へ入ると
そこにはベッドにうずくまり 寝ている阿部ちゃんが
眠かったのかな?
大介
大介
寝てるのをいいことに こっそり側に行って
頭を撫でてあげた
大介
亮平(狐)
大介
目の前の阿部ちゃんが もし、人の姿だったらと 想像する
大介
大介
大介
でも…なんでだろう 狐の姿でも、人間の姿でも
阿部ちゃんを 撫でてあげたいと思った
大介
大介
大介
ピピピピッ
ピピピ…ピッ
大介
大介
大介
目を開けると 窓から眩しい光が差し込んでくる
昨日眠くなってきちゃって 寝落ちしたんだった…
って…
大介
大介
俺は確か昨日 阿部ちゃんの頭を撫でて寝た
しかし俺の手が今触れているのは 動物の毛の感じではない
どちらかといえば… 髪の毛のような…
大介
大介
亮平
亮平
亮平
大介
大介
大介
大介
亮平
阿部ちゃんは寝ぼけているのか 数秒固まってから
亮平
亮平
大介
亮平
亮平
大介
目を擦りながら そう答える阿部ちゃんは
なぜか俺の心を ドキドキさせてきた
大介母
大介母
大介
大介
亮平
大介
大介
大介
亮平
亮平
俺は慌てて ワイシャツの袖に腕を通した
大介
俺は佐久間の鞄の中で揺られ 学校へ向かっていた
もうこの辺で 人間になっていいんじゃないかな…
佐久間に運ばれるのも 申し訳ないし
亮平(狐)
大介
大介
佐久間にわしゃっと 頭を撫でられ
俺はまた鞄の中へ逆戻り 視界は真っ暗
どうやら急いでるせいで
俺を鞄から出したほうが 楽だということに 気づいていないみたいだ
亮平(狐)
亮平(狐)
昨日今日と あんなに声が甘い佐久間を 初めて見た
なんか…なんというか いつも俺は人間でいるから
狐の姿の俺に ちょっと嫉妬するというか
亮平(狐)
亮平(狐)
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
コメント
15件
阿部ちゃん、可愛すぎるだろ! 続きが楽しみ!
まず狐を拾ってきたという無理な嘘すら可愛いです…💞 狐阿部ちゃん尊いです