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橘靖竜
340
るしゅ
鉄格子越しにベッドに座る男。
彼の名は坂田仁。
かつて日本を震撼させた九十九殺し。
99人もの人間を殺害した容疑で逮捕され、極刑を宣告された。
一般的にはすでに刑が執行されたことになっているが、実際のところはこうしてアンダープリズンに収監されている。
それはなぜなのか。
坂田は刑が執行される以前から、何件もの猟奇殺人事件を解決しているのである。
そもそも、死刑囚は死刑自体が刑の執行となるため、それまでの間は懲役に服す必要はなく、ある程度の自由が許される。
ゆえに死刑囚は自費であれば雑誌の購入も可能だし、制限はあるもののテレビ視聴もできる。
その雑誌で掲載されていた猟奇殺人事件の真相を、鉄格子の中で解き明かしたのが全ての始まり。
坂田は与えられた情報のみで、何件もの事件を解決してしまったのだ。
それは時に、迷宮入りと呼ばれていた事件や、世間を騒がしているセンセーショナルな事件まで、何件もだ。
警察も手を焼く事件を、限られた情報だけ解き明かしてしまう死刑囚。
それにゆえに、刑の執行は表向きだけに留まり、こうして今も彼は存命している。
誰がそう決めたのか、誰の思惑があるのか。
坂田は通称アンダープリズンに収監され、暇を持て余す毎日を送っている。
坂田
坂田
倉科
倉科
縁
縁はショルダーバッグから茶封筒を取り出した。
尾崎
尾崎は坂田に銃口を向けたままだ。
恐る恐ると鉄格子に歩み寄ると、茶封筒を差し出そうとする縁。
その際、坂田が急に立ち上がり、縁の腕を鉄格子越しに掴んできた。
縁
思わず縁は腕を振り払い、鉄格子から離れる。
倉科
倉科
坂田
坂田
坂田
倉科
倉科
地面に落ちた茶封筒に手を伸ばす坂田。
坂田
坂田
尾崎
縁
坂田
縁
坂田
坂田
縁のとっさの対応に、倉科が安堵の溜め息を漏らす。
倉科
倉科
縁
捜査一課0.5係。
これこそが、縁達の正式な立場。
いや、正式ではあるが非公認というか、表沙汰にはされていない存在ではあるが。
縁
縁
坂田は気味の悪い笑みを浮かべると、新しいおもちゃを与えられた子どもであるかのように、資料へと目を通す。
倉科
倉科
尾崎
尾崎
坂田
坂田
縁
坂田
坂田
坂田
坂田
倉科
坂田
坂田
坂田がそのまま続けようとするところに、縁は割って入った。
プロファイリングならば、それなりに自信がある。
縁
縁
縁
縁
縁
坂田
坂田
縁
当たり前のように否定すると、坂田は笑みを浮かべる。
坂田
縁の弾き出した答えは、当たり前ながら根拠がある。それを坂田は試そうとしているようだ。
縁
縁
坂田
坂田は宙に視線をやりながら口を開く。
坂田
どうやら丸暗記しているらしい。
坂田
坂田
尾崎
縁
坂田
倉科
情報をここまでしか持たない坂田の代わりに、倉科は手帳を取り出して読み上げた。
倉科
坂田はたまらず笑い声を漏らした。
坂田
坂田
明らかに試している様子の坂田。
それに対して、縁は物怖じとせずに返したのであった。
果たして、縁の根拠とは――。
コメント
2件
「後ろの席」とか「帰りの掃除〜渡り廊下」ってところ、学校っぽいこと書いてるから学生なのでは?と思う