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~人形の館~ 異空間

夜桜猫

……。

アマリス

厳しいね。

遠く離れた的に向かって 銃を打っていたが、的には あまり当たってないようだ。

夜桜猫

(思った以上に
上手く撃てない。)

夜桜猫

(ゲームなら、
当たるんだけど…)

アマリス

まぁ、練習次第か。

アマリス

でも、
これだけじゃ
厳しいな。

夜桜猫

(剣やハンマーは
持てたけど、
振れなくて無理
だったしね。)

アマリス

後は
投擲武器系か。

アマリス

投げるのは、
得意かい?

夜桜猫

苦手です。

夜桜猫

(まず、腕力が
あまりないんだよね…)

夜桜猫

(ボールなんて
3m未満しか
飛ばないし、)

夜桜猫

あ、でも…
アルティメットは
得意でしたね。

夜桜猫

平たい円盤を
投げるやつ…

アマリス

へぇ…、

アマリス

…なら、
あれがいいかも
しれない。

夜桜猫

ん??

アマリス

実物は
ないから作るよ。

アマリス

1週間以内に
完成させて
事務所に連絡する。

アマリス

だから、投擲武器、
投げる練習しといて。

夜桜猫

わ、分かりました。

夜桜猫

(何の武器
なんだろう?)

夜桜猫

(まぁ、アマリスさんに
任かせて私は
投げる練習をしよう。)

夜桜猫

(ついでに
腕力もね。)

第35話

『思い出』

~???~

PM15:30

四葉

手伝ってくれて
ありがとう。

猫船

こちらこそ、
急についてきて
ごめんね。

四葉

全然大丈夫だよ。

2人は 小鳥の埋葬を 終えた所だった。

猫船

(それにしても、
ここ綺麗な場所だね。)

猫船

(花もいっぱい
咲いてる。)

森が円状に開けた場所に ひとつの湖があり、 周りには色鮮やかな 花が咲いている。

猫船

(池の水も
凄い綺麗…)

湖の水は青く澄んでおり、 神秘的な雰囲気が 感じ取れる。

猫船

ここの水、
綺麗だね。

四葉

滝の上に泉があって、
その水がここに
溜まってるみたい。

猫船

へぇ~!

猫船

(じゃあ、
この水は
湧き水なんだ。)

四葉

ここは不思議な
場所なんだ。

四葉

一年中、
花が咲いてて

四葉

他の森よりも
植物や生き物が
元気なんだ。

猫船

(不思議な森…)

猫船

(池の中には
生き物は
いるかな?)

四葉

……。

四葉は池を観察する 猫船の後ろで何かを持ちだし、

上着のポケットから 静かに銀色のナイフを 取り出した。

四葉

猫船さん。

猫船

ん?

猫船は声を かけられて振り向く。

猫船

四葉君?

四葉

林檎…いる?

四葉は左手に林檎、 右手に銀のナイフを 持っていた。

猫船

あ、ほしい!

四葉

何等分かに
切った方がいい?

猫船

ううん、
そのままでいいよ!

猫船は 四葉から林檎を受け取った。

そして、 地面に三角座りで座り 林檎を1口かじった。

猫船

もぐもぐ

猫船

(甘くて美味しい~♪)

猫船

四葉君は
りんご好きなの?

四葉

うん、
大好きなんだ~。

四葉

いつも
昼食後のおやつで
持ち歩いてて、

猫船

(そうだったんだ!)

四葉

あ、皮は
大丈夫だった?

猫船

うん!

四葉はまた鞄から 林檎を取り出し、銀色のナイフで 素早く8等分に切り分ける。

そして、 それを墓石代わりの石の前に 長細い葉っぱを置き、 林檎を並べた。

猫船

小鳥の分?

四葉

うん。

四葉

あの小鳥さんにも
来た時、よく
あげてたんだ…

四葉は少し 俯くようにして言った。

猫船

(悲しいよね…)

四葉

生き物のは
いつか必ず
死んでしまう。

四葉

そう分かってても、
亡くなった悲しみは
…慣れないな。

四葉

慣れた方が
いいんだけどね…

猫船

……。

猫船

慣れなくていいよ。

四葉

え?

猫船

悲しい時は、
悲しいって
思っていい。

猫船

だって、
悲しいって
悪いものじゃないもん。

猫船

辛い感情けど、
そう思えるから
その大切さを感じる。

四葉

……。

猫船

それに、
私のおばあちゃんが
言ってたんだけど、

猫船

目と心は
繋がっていてね、

猫船

涙はね、
心の悪いものも
流してくれるんだ。

猫船

だから、
泣きたい時は
泣いてもいいの。

猫船

慣れる必要はないよ。

四葉

…そっか。

四葉

…そうだよね。

四葉

悲しいからこそ、
死を受け止めないと
いけない。

四葉

忘れてはいけない。

四葉は納得した様に呟き、 顔をゆっくり上げ、 空を見上げた。

猫船

(小鳥さん、
天国で元気に
してるといいな。)

四葉

…そろそろ
帰らないとね。

猫船

暗くなると、
お化け出るもんね!

四葉

幽霊苦手なの?

猫船

うん、苦手…

猫船

皆、血がたれてて
凄い怖い顔してるでしょ…

四葉

確かに、
テレビの心霊番組は
そうだね。

猫船

四葉君は
お化け大丈夫?

四葉

お化けは
大丈夫かな?

四葉

でも、急に
出てきたら驚くよ。

猫船

四葉君は
苦手なのある?

四葉

僕は…暗闇だね。

猫船

暗闇?

四葉

小さい頃、洞窟で
真っ暗な場所に落ちて、
足怪我したんだ。

四葉

足怪我して
動けないから
長時間暗闇にいる事に
なったんだ。

四葉

光もないし、
色んな音も色々して
凄く怖くて…

猫船

わぁお…

猫船

(凄い怖い…)

四葉

それ以来、
真っ暗な所が
苦手なんだ。

猫船

じゃあ、
暗くなる前に
早く帰らないとだね!

四葉

そうだね。

四葉

林檎食べたら
帰ろうか。

猫船

うん!

四葉はまた黒い鞄から 林檎を取り出し、 地面に座った。

そして、二人は楽しそうに 話をしながら、 林檎を食べるのだった。

~猫船の家~

PM17:30

青影

…もうこんな時間か。

青影は夜桜との 料理の指導を終え、 リビングで一人座っていた。

青影

(そういえば、
今日の晩御飯、
どうしようか。)

青影

(考えてなかったな…)

青影

(今日の復習で
カレーにしようか。)

青影

(いや、
肉じゃがだな。)

青影

(結構、
難しいかったし…)

その時、 青影の手元に何かが当たった。

それは 「おとぎ話集」と書かれた 分厚い本だった。

青影

(うぉ、
懐かしい…。)

青影は 分厚い絵本を手に取り、 ページをめくり軽く見る。

青影

(最近は、
色々な話を
1冊にまとめてるのか。)

青影

(小さい頃、
よく寝る前に
読んでもらってたな。)

清子

…そして、
幸せに暮らしました。

清子

おしまい。

青影の母親

青影 清子 (あおかげ きよこ)

青影

…ふぁ、

清子

あら、
もうこんな時間
だったわね。

青影

ねぇ、
おかあさん。

清子

ん?

青影

あしたは、
かっこいい
おはなしききたい。

清子

あらっ、
今日のは
面白くなかった?

青影

うん…。

清子

そう…。

清子

壱には
恋物語はまだ
難しいわね。

青影

おかあさんはすき?

清子

えぇ、
大好きよ♪

清子

特にこれね。

それは、 母親自身が作った絵本。

人魚と人間が出会い、 恋に落ち、色んな困難を超え、 幸せに暮らすまでの恋物語。

青影

にんぎょひめ??

清子

うーん、
確かに人魚姫に
似ているけど、

清子

それとは、
別のお話。

清子

姫ではない
人魚の実話よ。

青影

??

清子

本当にいた
人魚さんの
話って事。

青影

おかあさんの
しってるひと?

清子

さて、
どうかしら~♡

清子

さぁ、
もう寝ましょうね。

清子

明日、
朝起きれなく
なっちゃうわ。

青影

うたうたってくれる?

清子

えぇ、

青影

……。

夜桜

…人魚姫?

青影

ッ!?

いつの間にか 夜桜がリビングに来ていた。

青影

あ、勝手に
すいません!

青影

(人様の物を
勝手に触ってしまった。)

夜桜

青影はこういうの
読むのか?

青影

いえ、今は
全く読みません。

青影

小さい頃、母親から
よく読んでもらった
ぐらいです。

夜桜

母親に?

青影

はい。

夜桜

……。

青影

夜桜さんは?

夜桜

…今は、
桜が読んでる姿を
見る程度だ。

青影

そうですか。

青影

(じゃあ、
この本は
猫船さんのか。)

夜桜

ん。

夜桜は青影に 白い袋を渡した。

夜桜

今日作った
おかずが
それぞれ入ってる。

青影

えっ!?

夜桜

味を覚えるのも
大事だからな。

青影

こ、こんなに
いいんですか!?

青影

(凄い量だが…。)

青影

あ、材料費は…

夜桜

いらん。

夜桜

その代わり
その分、事務所で
しっかり働け。

夜桜

まぁ、無理は
しない程度にな。

青影

…わ、分かりました。

青影

ありがとうございます。

青影

(本当に色々と、
申し訳ないな。)

青影

(この量の分、
しっかり働こう。)

夜桜

それと、
温める時も
弱火からな。

夜桜

最初から
中火にしたら
底が焦げるぞ。

夜桜

お前の料理が
真っ黒なのは
それが原因だからな。

青影

(なんか
火が弱いかなと
思うんだよな。)

青影

分かりました。

青影

では、
失礼します。

夜桜

気をつけてな。

青影

はい。

青影

今日はありがとう
ございました。

夜猫🌸依頼事務所~厄災の魔女~

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