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僕
僕
右の頬が痛い
僕
僕
いたいよ。かあさん
バチンッッ!!
「なんでこんな事もできないの?」
これは僕が数え切れない程言われた言葉だ
僕
母さん
母さん
僕
母さん
母さん
僕は母の浮気相手との生まれた子だった
母さん
僕の名前は浮気相手と同じ名前
僕
母さん
母さん
母さん
母さん
それが母の口癖だった
母さん
僕
父さん
父さん
兄さん
血の繋がっていない父と兄はよく僕を殴る
殴られた後はいつも母が綺麗にしてくれる
髪を綺麗に梳かしたり傷の手当をしたり
母さん
母さん
僕
僕
母は僕の顔、いや浮気相手に似たこの顔を よくウットリとした目で見つめる
僕を見ているのに僕を見ていない
母さん
母さん
僕
この質問には必ず頷かないと酷く殴られる
本当に殺そうとしてくる時もある
僕
こうやって優しく綺麗にしてくれるのも
きっと顔が似てるから
母さん
父さん
父はよく僕の顔を殴る
ある朝、リビングが異様に静かだった
父さん
血まみれで死んでいる父と兄と
乾いた血が着いている包丁
何があったかすぐ想像ついた
…昨日は1番酷く顔を殴られたから
僕
僕
母の字。所々血が滲んでいる
母さん
母さん
母はまた別の男を作って出ていったようだ
僕
僕は驚きも泣きもしなかった
僕
そう呆れただけだった
僕
僕
僕
僕
僕は笑った
涙が出るほど笑った
悲し涙か嬉しい涙なのか分からないくらいぐちゃぐちゃに
僕
僕
僕
でも
何が残った?
何も残ってない
あの気持ち悪い母も散々僕を殴った父も兄も
僕
あの母の暖かい手も。父の冷たい目も。
何も無い
僕
無意味、全部無意味
僕
僕
僕が産まれてきたのが間違えだったらしい
そうだったんでしょ?父さん
いつもいつも僕を
殴って
蹴って
踏んで
沈めて
絞めて
脅して
貶して
なのに今はただの肉塊
僕
僕
死のう
包丁を手に取った
そこからよく覚えていない