遥
遥
友達の遥が唐突に言った言葉に 、 私は戸惑いを覚えた
明日香
明日香
そう訪ねても遥は無表情で 、 それだけ言うとまた別の人に 同じことを言っていた
まさかあの「 噂 」が本当だとは 私はこの時はまだ思ってなかった
どこの学校にでもあるただの 「学校の怪談」程度にしか 考えていなかったから
でも今日の遥はなんだか おかしくて …
私は漠然とした不安を 感じていた
もしも昨日遥と一緒に レポートを提出しに 行ってたらこんなことには ならなかったのかも
理恵
理恵
顔面蒼白とはこのことを 言うのだろう
怖い話が苦手な理恵にとって ただの噂話も恐怖の対象に なってしまうのだ
私の通っている高校には ひとつの怪談話があった
それは「赤い人」という 怪談話なのだが
「カラダ探し」はその「赤い人」の 噂話に付け加えられたものだと この時まではそう思っていた
高広
高広
高広
放課後の教室で遥に 「カラダを探して」と 言われた私達は 話し合っていた
高広
高広
さっきから怒りながら 私たちを見ているのは高広
クラスでは乱暴者の部類に はいる私の幼馴染
翔太
翔太
めがねをくいっと上げて 高広に話す翔太
理恵
理恵
怖がりの理恵が震えながら そう言う
留美子
留美子
留美子
「カラダ探し」をあまり 本気にしてないような 言い方の留美子
そして無口な健司が頷いた
高広
高広
高広の言うように普通なら そう思ったかもしれない
でも …
今日の遥の眼はまるで マネキンのように 、 どこを見ているか分からない 不気味なものだった
高広
高広
高広の言葉で私達は 教室を出た
このあと何が起こるかなど だれも知らずに …
学校から帰ったあと 、 私はいつものようにのんびりと 時間を潰し 、明日の準備を してベットに横になっていた
理恵と眠くなるまでメールをする
いつも通りのなにも変わった ことのない夜
そう思っていた
理恵
明日香
明日香
明日香
明日香
理恵
理恵
明日香
明日香
理恵
理恵
なんだかメール相手が理恵 じゃない気がする
いつもなら怪談話を始めたら すぐやめようとするのに
私は背後のメールの返信を せずに携帯を閉じた
明日香
その後なんとも理恵から メールがあったけれど 携帯を開くことはしなかった
私と理恵はいつもならどちらかが 返信しなければそれでメールが 終わるのに
どうして今日の限ってこんなに メールが来るのか分からず そのメールの量にも恐怖を 感じたから
そんなことを思っている間にも 次々とメールと受信し続ける 携帯
明日香
あまりの多さに私は腹立ち 携帯を取り理恵に電話をかけた
5回のコール音のあとに 通話が開始される
明日香
明日香
明日香
これだけ言えばもうメールは 送ってこないはず
そう思って理恵の返事を待つ
聞こえてくるのは啜り泣く声 だけで謝罪の言葉は無い
明日香
明日香
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵の言葉の意味が 分からなかった
私の携帯には理恵からの大量 メール
理恵には私からの大量 メール
じゃあ …
いったい誰?
私の背筋に悪寒か走った
明日香
明日香
明日香
そう言い通話を終了した
本当は確認などしたくない
このまま眠ってしまいたかった
私は恐る恐る受信メールBOXを 開いた
明日香
送信者は理恵
でも明らかにメールの内容か 理恵のものではなかった
返信しなかった次のメールから 内容は全て同じ
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵
理恵
明日香
私がそう思った時
新たなメールを受信
その内容は …
やっと見たな?
そう書かれていた
明日香
明日香
あまりの不気味さに 、 枕の下に携帯を挿し込み 、 それで押さえつける
それでもなり続ける携帯に 私は耳を塞いで目を閉じた
明日香
明日香
明日香
明日香
ぴぴっ
明日香
壁掛け時計が0時を告げる 小さな電子音とともに 私は学校の玄関の前で寝転んで いたのだ
慌てて体を起こすと着ていた パジャマが制服になっていた
明日香
そう思っていたのはどうやら 私だけじゃなかったようだ
辺りを見渡すとそこには …
理恵 、高広 、翔太 、留美子 、 健司の姿があった
翔太
いびきをかいて寝ている高広の 横腹を蹴るのは翔太
何度か蹴ってようやく目を 覚ました高広
高広
高広
ようやく異変に気づいたようで キョロキョロと辺りを見回す
明日香
明日香
私の言葉に花壇のブロックに腰かけて いた留美子が溜息をついた
留美子
留美子
留美子
いつもの調子でそう言う留美子
健司
健司
校門に向かっていた無口な健司が 首を横に振りそう呟いた
高広
高広
高広
高広
寝起きで不機嫌な高広が校門に 向かって歩き出す
理恵
理恵
理恵
私の制服の袖を掴み震える理恵
明日香
真っ暗な学校に私たち6人だけ
それも 、いつの間にかここにいた
私達が戸惑っていると目の前の玄関の ドアがゆっくりと開き始めた
まるで 、私達を誘っているかの ように
高広
高広
私と理恵が校門に駆け寄ると健司の言う通り見えない壁に阻まれて 外に出られなくなっているようで …
高広が怒りながらその壁を蹴り 飛ばしていた
留美子
そう言いながらポケットから携帯を 取り出す留美子
留美子
留美子
留美子
各自携帯を確認するがみんな首に横に 振る
私は携帯を枕の下に押し込んだはず
ここにあるはずないのに
圏外と表示された画面を見つめながら 大量に送られてきたメールが 気になって 、最後に送られてきた メールを開いてみた
「 赤い人 」
と言う題名でその内容が書かれていた
その中で私が聞いた事のない噂話が 2つ 、そこには泣いてあった
「 赤い人 」は歌を唄う
「 赤い人 」に 追いつかれたら背中に しがみつかれる
歌を唄い終わったら 、 殺される
と言う内容だった
私だけじゃなく 、みんなの携帯にも 同じメールが送られてきていた
留美子
留美子
いつものように覚めた態度で 私たちに訊ねる留美子
そんなの私が分かるわけない
みんなも同じ思いだろう
理恵
理恵
理恵
理恵が校舎を指差して言うけど それでは「 カラダ探し 」が 始まってしまうんじゃないかと 私は不安に思った
高広
高広
高広
翔太
翔太
それに続いて残りの人も校舎へと 向かった
6人もいるんだから怖くない
そう思っているのだろうか?
明日香
私もみんなの後を追って玄関へと 走った
校舎の中に入ると玄関はひんやり していて …
外とは違った寒さが私達を襲う
高広
高広
高広がそう言った時だった
キィィィィ …
と言う音を立てて 、玄関のドアが 閉まった
高広
高広
明日香
高広
高広
高広がそう言いながらドアの方に 向かった時だった
ザザッ … トントン …
と言う音が備え付けのスピーカーから 聞こえてきた
こんな時間なのに校内放送?
私達の他にも誰かいるのだろうか
「 赤い人 」が生徒玄関に 現れました
皆さん気をつけてください
留美子
留美子
留美子
留美子
健司
留美子がばかばかしいと言った様子で 高広を急かす
高広はなんだか焦っている様子で ドアを揺すっていた
高広
高広
高広
高広
ドアを叩き続けるが開くことは なかった
理恵
高広の背後で理恵が震えながら なにかを指差して呟いている
留美子
留美子
留美子
そう言って理恵の指差す方をみた 留美子の表情が恐怖で歪んでいく
留美子は一体なにを見たのか
その場にいる全員が留美子の視線の 先に目をやった
するとそこには …
頭のてっぺんからつま先まで真っ赤に 染まった女の子が
留美子
そう呟き 、留美子がその場から 逃げ出そうとした時だった
留美子
と言う短い悲鳴と共になにかが 落ちるような音が背後から聞こえた
明日香
思わず振り返った私が見たものは
留美子らしき肉の塊の上で笑う 「 赤い人 」の姿だった
明日香
私が気づいた時にはもう遅かった
赤い人
赤い人
真っ赤に染まった少女が笑いながら 私を見たのだ
そして 、その次の瞬間
私の頭が床にころがって …
首から上が無くなった自分の体を 見つめていた
明日香
明日香
明日香
それに気づいたのは私が死んでから
背後に見たのは …
楽しそうに私の体を引きちぎる 少女の姿だった
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