さとみside
莉犬が困っている様子を見て、いつの間にか俺は動き出していた。
桃谷
どうせ好きな人とか書かれてたんだろ?俺が汚れ役になってやるから
とか、言い訳を並べようとしたが紙に何書いてあったかは本当にわからなかったから
桃谷
何突っ立ってんだ、馬鹿
、、意地を張ることしかできなかった。
後から考えても本当に無謀な賭けをしたと思う。
『え、、俺の借り物゛校長”なんだけど』
なんて言われたら俺の今後のあだ名は「校長」になってしまう。
桃谷
なぁ、紙になんて書いてあった?
赤崎
、、、言わねぇ
桃谷
は?何で
だからこそ紙が何だったのか聞こうとしたのに頑なに言おうとしない。
桃谷
じゃあせめて、その紙に書いてあったことが俺に適任かどうかは教えてくれよ!?校長とかだったらダメだろ!?
赤崎
、、、、、
歩きながら会話をしていると、紙はまだ握りしめたまま呟く莉犬。
赤崎
、、適任だよ馬鹿
桃谷
、、、マジで?
赤崎
マジで。
桃谷
、、、良かった、、
これからはちゃんと考えてから動くこと心がけよ、、。
ホッと一息つき、また新しい思考を巡らせ始める俺。
桃谷
(、、ってか、俺に適任な借り物って?、、、好きな人、とか?いや無いか)←
静かに考えながら歩いていると、莉犬はそっぽを向きながらボソッと言った。
赤崎
、、さとちゃん
桃谷
は、はい?!
赤崎
、、、好、、き
その言葉は生徒たちの声でかき消される。
桃谷
、、え?何?
いつもと雰囲気の違う彼につられ、俺も優しく顔を近づけてもう一度聞いた。
赤崎
、、、、、月、また一緒に見ようね
桃谷
、、、そうだな
フッと笑い、俺は莉犬から顔を離して空を見上げた。
桃谷
2人で、また見よう
ずっと一定の距離を保ちながら俺たち2人はその後ただただ黙り、応援席へと戻っていったのだった。
、、、手は、繋いだまんま。
《次は3年生の種目で____》
お久しぶりです!最近投稿できてなくてすみません。 投稿頻度遅いですがこれからもよろしくお願いいたします!